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「外来管理加算」の運用の留意点

検査のみ来院の指示日も算定不可
株式会社ウォームハーツ 古矢 麻由
2024年改定において、かかりつけ医機能に係る診療報酬の評価が見直されました。外来管理加算についても併算定の項目が見直されました。
本稿では診療所からご質問が増えている「外来管理加算」の運用の留意点についてお伝えいたします。

A001 再診料 注8 外来管理加算 +52点
【対象】外来の再診患者
慢性疼痛疾患管理、厚生労働大臣が定める検査*1、リハビリ、精神科専門療法、処置、手術、麻酔、放射線治療を行わず、計画的な医学管理を行った場合に算定できます。
*1 超音波検査等、脳波検査等、神経・筋検査、耳鼻咽喉科学的検査、眼科学的検査、負荷試験等、ラジオアイソトープを用いた諸検査、内視鏡検査

Q1:医学管理料と併算定はできますか。
A1: 慢性疼痛疾患管理料と生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)以外の医学管理料は、外来管理加算と併せて算定できます。

●Point:医学管理料との併算定
特定疾患療養管理料との併算定は可能ですが、生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)との併算定は不可です(2024年6月より算定不可になりました)。

●Point:処置料を算定できない項目での算定
基本診療料に含まれる処置*2 を行った場合、処置料の算定はできませんが、外来管理加算の算定はできます。なお、処置に使用した薬剤料は算定できます(単なる浣腸又は座薬挿入時のキシロカインゼリーの算定は、認められません)。
*2 浣腸、注腸、吸入、100㎠未満の第1度熱傷の熱傷処置、100㎠未満の皮膚科軟膏処置、洗眼、点眼、点耳、簡単な耳垢栓除去、鼻洗浄、狭い範囲の湿布処置その他第1節処置料に掲げられていない処置であって簡単なもの(簡単な物理療法を含む。)

Q2:検査のみで来院した時は算定できますか。
A2: 検査のみで来院した場合は、医師の診察が発生していないため、再診料も外来管理加算も算定できません。

Q3:検査結果のみ聞きに来た場合は算定できますか。
A3:再診料も外来管理加算も算定できません。

●Point:検査のみ来院の指示日も算定不可
【検査での来院】
検査のみの場合、検査結果を聞くためのみの場合は算定不可となりますが、 「検査のみ来院を指示した日」 も、検査日と一連と考えられるため、算定不可となります。

レセプト摘要欄の記載
検査料のみの請求や結果のみを聞きに来た場合は、再診料も算定できないため、レセプト摘要欄に該当項目を選択し、記載が必要です。
820100001 ア 初診又は再診時に行った検査、画像診断の結果のみを聞きに来院
820100003 ウ 一旦帰宅し、後刻又は後日検査、画像診断、手術等を受けに来院

【複数科受診で、一部の科で処置等を実施した場合】
複数科を標榜する保険医療機関で、2以上の傷病で複数科を受診し、一方の科で処置又は手術等を行った場合は、他方の科において外来管理加算は算定できません。両科とも算定不可になります。

【同日再診】
同日再診(受診した後に、再度症状を訴えて受診したような場合)で、再診料を同日2回算定しうる場合は、要件を満たせば、2回とも外来管理加算も算定できます。ただし、電話再診の場合は算定できません。

●Point:カルテ記載に関する留意事項
以下の項目を記載する
  • 患者からの聴取事項
  • 診察所見の要点

●Point: 請求の誤りが起きやすく、個別指導の指摘の機会が比較的多い事項
(厚労省「保険診療確認事項リスト」より引用)
  • 患者からの聴取事項や診察所見の要点について診療録への記載が[ない・個々の患者の状態に応じた記載になっていない・不十分である]。
  • 患者本人が受診せず、やむを得ない事情で看護に当たっている者から症状を聞いて薬剤を投与した場合であるにもかかわらず算定している。
  • 処置、リハビリテーション等を行っているにもかかわらず算定している。
  • 計画的な医学管理を行わず算定している。
  • 問診と身体診察(視診、聴診、打診及び触診等)が行われていない。
  • 電話等再診時に算定している。
  • 対診時に外来管理加算を算定している。

【2024. 10. 15 Vol.602 医業情報ダイジェスト】