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医療法人の決算スケジュールについて考える

事業報告書の作成から社員総会開催までのポイント
あすの監査法人 公認会計士 山岡 輝之
今回は「医療法人の決算スケジュール」について考えてみたいと思います。
毎年のように『 「理事会と社員総会(評議員会)」は同日に開催しても問題ないか、開催はどれくらいの期間を空けなければならないのか』と質問を受けます。
決算手続や期限を正確に理解し、事業報告書の作成から社員総会の開催に至るまでの各決算スケジュールについて、ポイントを考えていきたいと思います。

【医療法人の決算スケジュール(例)】

2024年3月期を決算日とする医療法人を前提にした場合の決算スケジュール例を作成しました。なお、会計監査を必要とする医療法人とそれ以外の医療法人に分けております。



【事業報告書等の作成、会計監査】

(1)事業報告書等の作成
医療法人(理事長又は担当理事)は、毎回会計年度終了後2ヶ月以内に、事業報告書等(事業報告書、財産目録、貸借対照表、損益計算書、関係事業者との取引の状況に関する報告書)を作成する必要があります。
会計監査人の監査が必要となる医療法人は、上記に加え、「純資産変動計算書」、「附属明細表」を作成します。

(2)会計監査人監査
会計監査人は、次に掲げる日のいずれか遅い日までに、理事及び監事に対し、会計監査人の監査報告書の内容を通知する必要があります。
  1. 財産目録、貸借対照表及び損益計算書を受領した日から4週間を経過した日
  2. 理事、監事及び会計監査人が合意により定めた日があるときは、その日

(3)監事監査
監事は次に掲げる日のいずれか遅い日までに理事に対し、監事の監査報告書の内容を通知する必要があります。
  1. 事業報告書等を受領した日から4週間を経過した日
  2. 理事及び監事が合意により定めた日があるときは、その日
なお、医療法人には会計監査人が機関として設置されていないため、監事の監査報告書が会計監査人の監査報告書の後になるという規定はありません。つまり、医療法人の監事の監査報告書の日付と会計監査人の監査報告書の日付との前後関係に決まりはないことになります。

しかしながら、実務上では会計監査人の監査報告書を監事の監査報告書の提出日よりも前に提出することが望まれます。


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【2024. 6. 1 Vol.593 医業情報ダイジェスト】