組織・人材育成
組織の学びはリーダーだけのものではない
組織力が高まるケーススタディ
株式会社メディフローラ 代表取締役 上村 久子
診療報酬改定の議論もいよいよ終盤となり、次年度に向けた経営戦略を考えているリーダーの皆さまは多いのではないでしょうか。特に、人材育成など組織づくりに関する課題を解決するために 「次年度は管理職向けに研修会を開催しよう」 と画策するリーダーの皆さまもいらっしゃると思います。
今回は、「組織をより良くするために管理職研修を行いたい!」 と語る法人代表とのお話から、現代における組織づくりの学び方について考えていきたいと思います。
今回は、「組織をより良くするために管理職研修を行いたい!」 と語る法人代表とのお話から、現代における組織づくりの学び方について考えていきたいと思います。
ケース
関東にある複数医療機関を有する法人代表から 「組織づくり」 に関する学びの場をつくりたい、とご連絡をいただいた時のお話です。打ち合わせには法人代表と共に法人本部の事務長(法人本部長)が同席されました。
筆者 「具体的に、どのようなお悩みがあるのか、お伺いしてもよろしいでしょうか?」
法人代表 「そうですね……まずは入職1年目から3年目までの職員の退職が増えていることです。新人教育を行う主任職の人たちが頑張ってくれているのはよく分かるのですが、毎日の忙しい業務に追われてしまうことで丁寧な指導やフォローアップが出来ていないのではないかと思っています。人間関係は悪くないと思うのですが、それゆえに新人にしっかりとした指導がしにくいという話も耳にします。指導だと思っていた内容が 『パワハラだ!』 と言われてしまっては困りますものね。そして、その主任を支えるはずの上長も、主任に対する指導が十分に行き届いていないと感じています。私が考えるに、現代人はIT技術の向上はもちろん、コロナ禍を経た経験も相まって、リアルのコミュニケーションを最低限にする風潮があるじゃないですか。コミュニケーションが得意ではない人が増えていることが要因のひとつだと思っています」
筆者 「お悩みはとてもよく分かりました。他の医療機関でもよく聞くお話ばかりですね。代表はこの課題にどのように解決を図っていこうと考えていますか?」
法人代表 「今考えているのは、管理職の研修です。やっぱり組織づくりの担い手は管理職じゃないですか。今まで当法人では管理職を集めて行う研修で 『リーダーシップの在り方』 については取り上げたことがあったのですが、今後は 『組織づくり』 についても研修として取り上げようと考えているのですが、上村さんはどう思いますか?」
筆者 「私は、現代において管理職者だけを集めて組織づくりを学ぶことで得られる成果には限界があると考えています。
昔の組織の価値観のひとつに 『リーダーは答えを持っている』 があります。これは、前時代のリーダーは組織を強い力で導くことが求められたためリーダーが答えを持っている必要があり、スタッフは自ら意思決定や創造性を発揮する機会が少なくても支障がなかったことが背景にあります。しかし、現代は組織を取り巻く環境が異なります。目まぐるしく変化する環境に対応するために、新しい技術や診療報酬の変化などを日々の業務の中にタイムリーに入れ込んでいかなければなりません。そのため、リーダーだけではなくスタッフも含めて組織全体として学習していくことが必要になってきているのが現代の組織です。即ち、リーダーだけが答えを持っている組織では、環境変化に対応した組織変革に間に合わないのです。これは業務だけではなく組織づくりも同様です。リーダーに組織づくりに対する知識があった方が良いのはもちろんですが、一緒に組織をつくりあげるスタッフも同じく組織づくりに関する知識があった方がより効率的な組織づくりが可能になるのです。これは、私の今までのさまざまなお客様との組織開発の経験からも言えることです。組織づくりはスタッフを含めた組織全体の意識改革からスタートした方が良いと思います。管理職だけを対象とするのではなく、スタッフレベルの方も対象にされては如何でしょうか?」
法人本部長 「実は、最近の管理職研修のアンケートで 『この研修の内容は管理職だけではなく、スタッフレベルの人にも伝えた方が良いのではないか』 という声が上がっていたことを思い出しました。確かに組織づくりはリーダーだけが行うことではないですよね」
法人代表 「現場の声を聞きつつ、早速研修のスケジュールを調整したいと思います」
このケース、どのような感想を持ちましたか?ほんのひと昔前はリーダー研修の中に組織づくりの研修が含まれているのが主流でしたが、現代では階層別の研修ではなく組織全体で取り組むケースが多くなってきました。現代の組織に求められるスタッフはリーダーにただ付いていけば良いのではなく、リーダーと共にスタッフの立場で組織づくりを考えられる人材が求められているということ、組織全体で理解することが必要ではないでしょうか。
組織づくりを関係する人全員で考え、学び合える環境としていきませんか?
【2026年1月15日号 Vol.18 メディカル・マネジメント】
筆者 「具体的に、どのようなお悩みがあるのか、お伺いしてもよろしいでしょうか?」
法人代表 「そうですね……まずは入職1年目から3年目までの職員の退職が増えていることです。新人教育を行う主任職の人たちが頑張ってくれているのはよく分かるのですが、毎日の忙しい業務に追われてしまうことで丁寧な指導やフォローアップが出来ていないのではないかと思っています。人間関係は悪くないと思うのですが、それゆえに新人にしっかりとした指導がしにくいという話も耳にします。指導だと思っていた内容が 『パワハラだ!』 と言われてしまっては困りますものね。そして、その主任を支えるはずの上長も、主任に対する指導が十分に行き届いていないと感じています。私が考えるに、現代人はIT技術の向上はもちろん、コロナ禍を経た経験も相まって、リアルのコミュニケーションを最低限にする風潮があるじゃないですか。コミュニケーションが得意ではない人が増えていることが要因のひとつだと思っています」
筆者 「お悩みはとてもよく分かりました。他の医療機関でもよく聞くお話ばかりですね。代表はこの課題にどのように解決を図っていこうと考えていますか?」
法人代表 「今考えているのは、管理職の研修です。やっぱり組織づくりの担い手は管理職じゃないですか。今まで当法人では管理職を集めて行う研修で 『リーダーシップの在り方』 については取り上げたことがあったのですが、今後は 『組織づくり』 についても研修として取り上げようと考えているのですが、上村さんはどう思いますか?」
筆者 「私は、現代において管理職者だけを集めて組織づくりを学ぶことで得られる成果には限界があると考えています。
昔の組織の価値観のひとつに 『リーダーは答えを持っている』 があります。これは、前時代のリーダーは組織を強い力で導くことが求められたためリーダーが答えを持っている必要があり、スタッフは自ら意思決定や創造性を発揮する機会が少なくても支障がなかったことが背景にあります。しかし、現代は組織を取り巻く環境が異なります。目まぐるしく変化する環境に対応するために、新しい技術や診療報酬の変化などを日々の業務の中にタイムリーに入れ込んでいかなければなりません。そのため、リーダーだけではなくスタッフも含めて組織全体として学習していくことが必要になってきているのが現代の組織です。即ち、リーダーだけが答えを持っている組織では、環境変化に対応した組織変革に間に合わないのです。これは業務だけではなく組織づくりも同様です。リーダーに組織づくりに対する知識があった方が良いのはもちろんですが、一緒に組織をつくりあげるスタッフも同じく組織づくりに関する知識があった方がより効率的な組織づくりが可能になるのです。これは、私の今までのさまざまなお客様との組織開発の経験からも言えることです。組織づくりはスタッフを含めた組織全体の意識改革からスタートした方が良いと思います。管理職だけを対象とするのではなく、スタッフレベルの方も対象にされては如何でしょうか?」
法人本部長 「実は、最近の管理職研修のアンケートで 『この研修の内容は管理職だけではなく、スタッフレベルの人にも伝えた方が良いのではないか』 という声が上がっていたことを思い出しました。確かに組織づくりはリーダーだけが行うことではないですよね」
法人代表 「現場の声を聞きつつ、早速研修のスケジュールを調整したいと思います」
このケース、どのような感想を持ちましたか?ほんのひと昔前はリーダー研修の中に組織づくりの研修が含まれているのが主流でしたが、現代では階層別の研修ではなく組織全体で取り組むケースが多くなってきました。現代の組織に求められるスタッフはリーダーにただ付いていけば良いのではなく、リーダーと共にスタッフの立場で組織づくりを考えられる人材が求められているということ、組織全体で理解することが必要ではないでしょうか。
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「疑義解釈資料の送付について(その30)」を追加しました
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[お知らせ]
2026-03-03【雑誌掲載のご案内】医学通信社『月刊/保険診療 2026年2月号』に寄稿が掲載されました
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