病院・診療所

診療情報提供料とカルテ記載

請求業務のポイント解説
株式会社ウォームハーツ 古矢 麻由
診療録の記載は、治療の記録であると同時に、診療報酬の重要な根拠として求められます。本稿では、「診療情報提供料(Ⅰ)」 とそのカルテ記載について、運用の留意点をお伝えいたします。

B009 診療情報提供料(Ⅰ) 250点

医療機関ごとに月1回算定。2つの医療機関に提供した場合は、月2回算定可能。

Q1:診療情報提供料は、カルテに診療情報提供書を添付すればよく、カルテ記載の必要はありますか。
A1:患者の同意が必要なため、カルテには、診療情報提供の同意を得ていることを記録する必要があります。

● Point:カルテ記載について

同意の旨を記載すること
交付した文書をカルテに添付すること※
医師の電子署名後の文書をカルテに添付してください。電カル情報共有サービスで提供する場合は、電子署名を行わなくても共有可能です。

不適切な例1)
□ 交付した文書の写し(薬局に対しては他に処方箋の写し)を診療録に添付していない。

Q2: 「注8 退院時診療状況添付加算 200点」 についてです。画像や検査のデータは、結果を記載する他に、内容はどこまで記載が必要 でしょうか。
A2:撮影日、部位、検査名を記載する必要があります。データは、診療情報提供書と一連でスキャンして添付下さい。

不適切な例2)
□ 退院後の治療計画、検査結果、画像診断に係る画像情報その他の必要な情報を添付していないものについて算定している。
□ 添付した写し又はその内容を診療録に添付又は記載していない。

Q3:保険薬局宛の診療情報提供料を算定する場合の留意点を教えて下さい。
A3:通院困難な在宅療養患者に対しては、在宅患者訪問薬剤管理指導に必要な情報を提供した場合に、月1回算定します。同一月に、介護保険の居宅療養管理指導費を算定している患者は、算定できません。

● Point:医療機関以外の主な情報提供



● Point:不適切な算定例1)

不適切な例として改めるよう指摘事項として次の点が挙げられています。記録の不備は、返還に繋がることがありますので、ご留意下さい。
  • 紹介元医療機関への受診行動を伴わない患者紹介の返事について算定している。
  • 他の医療機関から診療情報の提供を依頼され、それに回答したものについて算定している。
  • 交付した文書の写し(薬局に対しては他に処方箋の写し)を診療録に添付していない。
  • 交付した文書が別紙様式に準じていない。
  • 項目欄がない。
  • 複数の項目欄を一つにまとめており、項目欄への記載が不十分である。
  • 交付した文書において、項目欄 [ 紹介先医療機関等名 ]への記載が [ ない ・ 個々の患者の状態に応じた記載になっていない ・ 不十分である ]。
  • 特別の関係にある医療機関を紹介先として交付した文書について算定している。
  • 定められた対象以外のところに交付したものを算定している。
  • 診療情報の提供の必要性が乏しい患者に対して、同じ文面の診療情報提供書を毎月発行するなどして算定している。
  • 検査又は画像診断等の設備があるにもかかわらず、他医療機関に検査依頼したものについて算定している。
  • 学校医等に対して、診療状況を示す文書を添えて、当該患者が学校生活を送るに当たり必要な情報を提供していない。

【参考】1)厚生労働省保険局医療課「保険診療確認事項リスト(医科)令和6年度改定版」


【2026年1月15日号 Vol.18 メディカル・マネジメント】