介護施設
令和7年度補正予算決定と来年度の期中改定
意外と知らない介護経営のポイント
株式会社メディックプランニング 代表取締役 三好 貴之
令和7年度の補正予算のなかで、厚労省から12月17日に介護保険最新情報Vol.1448 「介護分野における医療・介護等支援パッケージ及び重点支援地方交付金の活用について」 が発出され、介護職員等の賃金向上と物価高騰対策が盛り込まれました。そして、令和8年度に 「期中改定」 が行われることも既定路線で進んでおり、今回の補正予算のスキームにて処遇改善加算の拡充による上乗せが予測されます。
今回の補正予算の補助金における介護職員の処遇改善に関しては、3階建てになっています。
今回の補正予算の補助金における介護職員の処遇改善に関しては、3階建てになっています。
(1)介護従事者に対する幅広い賃上げ支援
まず1階部分として、介護職員等への賃金アップに 「1万円」 が想定されます。これは処遇改善加算を算定している事業所が対象です。さらに、今まで処遇改善加算の対象ではなかった訪問看護や訪問リハビリ、ケアマネジャーも処遇改善加算の要件を満たすか、見込みがあれば対象となるため、今までにない幅広い処遇改善となりそうです。
(2)協働化等に取り組む事業者の介護職員に対する上乗せ
2階部分の 「協働化」 については、訪問系、通所系施設はケアプランデータ連携システム(以下、システム)の加入が条件となり、入所系施設は、生産性向上加算の条件を満たせば 「5千円」 が上乗せされます。
訪問系、通所系のシステムについては前号でも触れましたが、利用者の利用実績や計画書のやりとりを紙媒体ではなく、オンライン上でできるようにするシステムです。
ここで注意点が2点あります。まず1点目は、事業者だけが加入しても使えず、居宅介護支援事業所(以下、居宅)も加入しないと使えません。当然ですが、事業者は、単独の居宅と連携しているわけではなく、多くの居宅と連携しながら運営しています。多い事業所だと、50以上の居宅と連携しているのではないでしょうか。そうなると、「この居宅はシステム」 「この居宅は紙媒体」 のようになってしまい、今までよりも業務が煩雑になる可能性もあります。
また、システムは来年5月までは無料キャンペーン中ですが、本来は年間21,000円の加入料が発生します。介護職員等には 「5千円」 の上乗せがありますが、加入料は事業者の負担になります。特に職員の少ない事業所では、システムの加入料を払い続けるメリットがどこまであるか検討が必要でしょう。
訪問系、通所系のシステムについては前号でも触れましたが、利用者の利用実績や計画書のやりとりを紙媒体ではなく、オンライン上でできるようにするシステムです。
ここで注意点が2点あります。まず1点目は、事業者だけが加入しても使えず、居宅介護支援事業所(以下、居宅)も加入しないと使えません。当然ですが、事業者は、単独の居宅と連携しているわけではなく、多くの居宅と連携しながら運営しています。多い事業所だと、50以上の居宅と連携しているのではないでしょうか。そうなると、「この居宅はシステム」 「この居宅は紙媒体」 のようになってしまい、今までよりも業務が煩雑になる可能性もあります。
また、システムは来年5月までは無料キャンペーン中ですが、本来は年間21,000円の加入料が発生します。介護職員等には 「5千円」 の上乗せがありますが、加入料は事業者の負担になります。特に職員の少ない事業所では、システムの加入料を払い続けるメリットがどこまであるか検討が必要でしょう。
(3)介護職員の職場環境改善の支援
3階部分として、前年度の 「介護人材確保・職場環境改善等事業」 と同様に、事業所で業務の洗い出しや効率化を進める取り組みを実施し、人件費に充てる場合は 「4千円」 の上乗せになります。すでに昨年度に取り組んでいる事業所は、そのまま上乗せが可能であると思います。
よって、検討が必要なのは(2)のシステム加入ではないでしょうか。もしかすると来年度の期中改定で上乗せ部分の要件に組み込まれるかもしれないため、早い段階から加入することも考えられます。特に職員の多い事業所では、「5千円」 でも加入効果は大きくなります。
その他、設備・備品購入、食料品等の購入、改修・大規模修繕工事などの補助も示されており、該当する場合には、これらの補助金を積極的に活用していくべきだと思います。
よって、検討が必要なのは(2)のシステム加入ではないでしょうか。もしかすると来年度の期中改定で上乗せ部分の要件に組み込まれるかもしれないため、早い段階から加入することも考えられます。特に職員の多い事業所では、「5千円」 でも加入効果は大きくなります。
その他、設備・備品購入、食料品等の購入、改修・大規模修繕工事などの補助も示されており、該当する場合には、これらの補助金を積極的に活用していくべきだと思います。
▼訪問介護だけ別枠で対策が設定
すでに人口が減少している地域に対しては、訪問介護の対策が別枠で設定されました。ホームヘルパーへの同行支援や常勤化への支援、協働化・大規模化の支援が組み込まれ、さらに、前回の介護報酬改定で見送りとなった、通所介護からの訪問介護を 「新型サービス」 として認めたうえでその初期費用の助成、サテライトの設置など、すでに次期改定を踏まえた支援が組み込まれました。
今回の補正予算や来年度の期中改定によるさらなる賃上げに関しては、政府の本気度が伺えます。しかし、今回の補正予算でも賃上げ効果は最大 「1.9万円」 にとどまります。全産業と介護職員の平均賃金は、まだ8万円ほど差があります。厚労省の試算では、2025年時点で介護職員が25万人不足しています。介護離職、ヤングケアラー、老々介護などが社会問題として報道される機会も徐々に増えてきました。すでに介護の問題は、「業界の問題」 ではなく、日本全体の問題になってきているのではないでしょうか。そのために、さらなる賃上げや介護報酬の上乗せが 期待されます。

介護保険最新情報Vol.1448「介護分野における医療・介護等支援パッケージ 及び重点支援地方交付金の活用について」
【2026年1月15日号 Vol.18 メディカル・マネジメント】
今回の補正予算や来年度の期中改定によるさらなる賃上げに関しては、政府の本気度が伺えます。しかし、今回の補正予算でも賃上げ効果は最大 「1.9万円」 にとどまります。全産業と介護職員の平均賃金は、まだ8万円ほど差があります。厚労省の試算では、2025年時点で介護職員が25万人不足しています。介護離職、ヤングケアラー、老々介護などが社会問題として報道される機会も徐々に増えてきました。すでに介護の問題は、「業界の問題」 ではなく、日本全体の問題になってきているのではないでしょうか。そのために、さらなる賃上げや介護報酬の上乗せが 期待されます。

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2025-11-02「令和6年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.17)(令和7年10月1日事務連絡)」を追加しました
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2026-03-03【雑誌掲載のご案内】医学通信社『月刊/保険診療 2026年2月号』に寄稿が掲載されました
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