病院・診療所

Googleマップの口コミに悪評を書き込まれた時の対処手順について

削除リクエストをするのが正攻法の削除要請
合同会社MASパートナーズ 代表社員 原 聡彦

【相談内容】

開業8年目の内科クリニックの院長より 「先日、Googleマップのレビュー(口コミ)に身に覚えのない悪評を長文で記載されました。該当する患者を探しましたが、口コミ記載にあるような患者は来院していないと思います。これまでも悪い評価の口コミはありましたが、今回は事実無根のことが書かれておりどうしても消去したいので良い方法をぜひとも教えてほしいです」 とご相談を頂きました。

【回 答】

最近、身に覚えのない内容も含めてGoogleのネガティブな口コミに悩まされるクリニックが増えています。このような事態に陥ったときにどう対処すべきか、今回はGoogleマップの悪いレビューを削除する手順について解説いたします。

1)レビュー内容を確認
対象となるレビューの内容を確認し、具体的にどのような問題について投稿者から指摘を受けているかを把握します。

2)投稿者へアプローチ
内容を把握したらGoogleに削除要請する前に投稿者に直接アプローチをします。
対象となるレビューに対して事実をベースとした返答を行うのですが、口コミは投稿者とクリニックだけでなく、ほかのユーザーも閲覧しています。ネガティブな内容に対して攻撃的にならず誠実に答えることで、ほかのユーザーからも悪印象を持たれてしまうのを防ぐことができます。
低い評価で星のみがつけられた場合、評価への感謝と今後の姿勢を伝えているクリニックでは次のような返信をしているのでご参考にして頂きたいと思います。
「この度は、ご評価いただきありがとうございました。当院にてご不快な思いをさせてしまい、誠に申し訳ございません。もしよろしければ、今後の改善のために、どのような点がご不便を感じられたか教えていただけますでしょうか。ご意見をおうかがいできれば幸いです。今後はご不快な思いをさせないようスタッフ一同気を引き締めて取り組んでまいります。機会がございましたら、お電話又はご来院をお待ちしております。」
または、来院がない患者の場合は 「ご来院いただいた履歴がないため、詳細を確認させてもらいたい」 といった形で、具体的な情報を求めることが有効です。
誹謗中傷などを意図して事実無根の内容を書かれていた場合は、この時点で削除されるケースもあります。 「開示請求される可能性がありそうだ」 ということが投稿者の頭をよぎると、そこまでのリスクを負うのであれば削除しようという行動につながるのだと思われます。なお、レビューに対するこちらからの返答内容もすべて公開されますので、決して感情的にならず、丁寧な書き込みと対応を行うことが重要です(※投稿者がレビューを削除した場合は返答も共に削除されます)。


3)Googleへ削除要請
投稿者がレビュー削除に応じなかった場合には、Googleに削除要請を行います。
対象レビューの横にある 「縦3点リーダー」 をクリックします。次に 「レビューを報告」 をクリックし、削除要請を行う理由を選択して送信します。これでGoogleが投稿内容を違反と認定すれば削除されることになります。
以上が、悪いレビューの削除要請手順になりますが、もちろんGoogleが要請に応じるかどうかはわかりません。事実認定が難しいレビューや個人の感想にすぎないレビューなどは削除されにくいようです。Googleビジネスプロフィールから不適切な口コミとして口コミの削除をリクエストするのが正攻法の削除要請となります。
削除要請のコツとして1回で削除されなかったとしても2回削除リクエストすることが効果的だと巷に言われていますが、2回以上同じように削除要請をするとGoogle側からペナルティを受ける可能性もあります。複数回削除要請する時はGoogleマイビジネスサポートチームに下記の問い合わせフォームから個別事案としてご相談いただくことをお勧めします。



問い合わせ後、連絡がなく削除されない場合もありますが、主張が認められて削除される可能性もあります。最近は以前と比べると口コミ削除申請が通りやすいという噂がまことしやかに広がっています。そこで、ネガティブな口コミに悩まされている10名のクライアント様が最近2カ月以内に上述の方法で削除申請にチャレンジした結果、3件の削除リクエストに応じてもらえました。
Googleポリシー違反か法律上の権利侵害の有無で削除を判断しているので、ネガティブな口コミを削除リクエストで消去するのは 「至難の業」 という理解で間違いありません。ただし、明らかに特定できる個人を攻撃する口コミや身元を理由に個人またはグループを中傷する表現を含む口コミは、削除リクエストに応じてもらえる可能性がありますので削除リクエストをしていただくことをお勧めします。


【2024. 9. 1 Vol.599 医業情報ダイジェスト】