保険薬局
変化をチャンスにする組織づくり
薬局経営に求められる組織開発
株式会社pharmake 代表取締役社長 田口 恵実
「うちは変化に弱くて……」
そんな言葉を、薬局を経営されている方からよく耳にします。もちろん、限られた人員と時間で日々の業務を回しているなか、 「これまで通りでうまくいっているなら、そのままでいい」 と感じるのも自然なことです。
ただ、変化のスピードが加速するいま、変わらないことがむしろリスクになる場面も増えてきました。 「いつか変えなければ」 と思いつつ、後回しになってしまっていること。きっと、どの現場にもあるのではないでしょうか。
私が大切にしたいのは、 「変化に適応する」 だけでなく、 「変化を自ら生み出せる組織」 であることです。つまり、変化を “待つ” のではなく、 “起こす” 側にまわる力。それこそが、これからの薬局経営にとって必要な土台ではないかと感じています。
といっても、大きなイノベーションや特別なアイデアが必要なわけではありません。日々の中にある小さな違和感や問いに目を向け、気づいた人がそっと声を上げられる環境。そしてそれが、小さなアクションとして動き始めること。
その積み重ねこそが、変化を前向きに扱える組織をつくっていくのだと思います。
そんな言葉を、薬局を経営されている方からよく耳にします。もちろん、限られた人員と時間で日々の業務を回しているなか、 「これまで通りでうまくいっているなら、そのままでいい」 と感じるのも自然なことです。
ただ、変化のスピードが加速するいま、変わらないことがむしろリスクになる場面も増えてきました。 「いつか変えなければ」 と思いつつ、後回しになってしまっていること。きっと、どの現場にもあるのではないでしょうか。
私が大切にしたいのは、 「変化に適応する」 だけでなく、 「変化を自ら生み出せる組織」 であることです。つまり、変化を “待つ” のではなく、 “起こす” 側にまわる力。それこそが、これからの薬局経営にとって必要な土台ではないかと感じています。
といっても、大きなイノベーションや特別なアイデアが必要なわけではありません。日々の中にある小さな違和感や問いに目を向け、気づいた人がそっと声を上げられる環境。そしてそれが、小さなアクションとして動き始めること。
その積み重ねこそが、変化を前向きに扱える組織をつくっていくのだと思います。
心理的安全性が、変化の起点になる
たとえば、 「そもそもこれって、なんでこうなってるんでしたっけ?」 という一言。
その問いを口にできるかどうかで、組織の空気は大きく変わります。
誰かが 「もっとこうしたらいいかもしれない」 と感じたとき、その声が言葉になって表に出てくるには、 「話してもいい」 「否定されない」 という前提が必要です。こうした信頼や安心感のある状態は、 「心理的安全性(psychological safety)」 と呼ばれています。
心理的安全性は、組織行動学者エイミー・エドモンドソン(1999)によって提唱された概念で、 「チーム内で、対人リスクを取ることができると信じられている状態」 とされています。つまり、間違いや未熟な意見でも表現してよいという感覚があるかどうか。これが、学びや変化の出発点になるのです。
この心理的安全性がある組織では、 「完璧にまとまった提案」 ではなく、 「まだ答えになりきっていない違和感」 も共有できます。むしろ、そうした初期のつぶやきや疑問が、変化の種になるのです。
その問いを口にできるかどうかで、組織の空気は大きく変わります。
誰かが 「もっとこうしたらいいかもしれない」 と感じたとき、その声が言葉になって表に出てくるには、 「話してもいい」 「否定されない」 という前提が必要です。こうした信頼や安心感のある状態は、 「心理的安全性(psychological safety)」 と呼ばれています。
心理的安全性は、組織行動学者エイミー・エドモンドソン(1999)によって提唱された概念で、 「チーム内で、対人リスクを取ることができると信じられている状態」 とされています。つまり、間違いや未熟な意見でも表現してよいという感覚があるかどうか。これが、学びや変化の出発点になるのです。
この心理的安全性がある組織では、 「完璧にまとまった提案」 ではなく、 「まだ答えになりきっていない違和感」 も共有できます。むしろ、そうした初期のつぶやきや疑問が、変化の種になるのです。
小さな変化を積み重ねることが、組織の力を育てる
「大きな変革が必要だ」 と感じると、動き出すのが怖くなってしまうこともあります。
でも、変化はもっと身近なところから始められます。
たとえば、
でも、変化はもっと身近なところから始められます。
たとえば、
- 「この記録、もう少し簡素にできないかな?」 という気づき。
- 「 よくある質問、こう説明すると伝わりやすいかも」 といった提案。
- 「新人が困っていたのを見て、自分たちの導線を見直したほうがよいかもしれない」 という視点。
こうした日常の “ちょっと気になる” ことが、小さな変化の種になります。そして、それを 「言って終わり」 にしない。小さな試みとして形にしてみる。うまくいかなければ見直せばいいのです。そうやって少しずつ試行錯誤を重ねることで、組織の力が育っていきます。
組織の柔軟性は、日常の関係性から
変化を生み出せる組織には、共通して“問いが言える関係性” があります。
「何を言っても否定されそう」 「言っても無駄だと思われてしまう」 ──そんな空気があると、変化の芽はそもそも言葉になる前に潰れてしまいます。
逆に、 「違和感をそのまま話せる」 「一緒に考えてもらえるかもしれない」 と思える関係性があれば、自然とアイデアは動きに変わっていきます。
だからこそ、変化を支えるのは “制度” や “ツール” ではなく、日々の対話と信頼です。 「小さな変化」 が生まれる組織には、必ずそれを受け止め合う文化があります。
「何を言っても否定されそう」 「言っても無駄だと思われてしまう」 ──そんな空気があると、変化の芽はそもそも言葉になる前に潰れてしまいます。
逆に、 「違和感をそのまま話せる」 「一緒に考えてもらえるかもしれない」 と思える関係性があれば、自然とアイデアは動きに変わっていきます。
だからこそ、変化を支えるのは “制度” や “ツール” ではなく、日々の対話と信頼です。 「小さな変化」 が生まれる組織には、必ずそれを受け止め合う文化があります。
おわりに
変化のスピードが速い今だからこそ、私たちは 「変わらないことのほうがリスクになる」 という感覚を持つ必要があるのかもしれません。
でも、変化とは誰かの号令で突然始まるものではなく、日常の中で芽生えた問いや違和感が、誰かとの対話によって動き出すこと。その連鎖が、組織にとっての変化になるのだと思います。もちろん、すべての変化がうまくいくとは限りません。むしろ、うまくいかなかった経験こそが、次の変化をより良くするヒントになることもあります。だからこそ、 「やってみたこと」 「試してみたこと」 が尊重される文化が必要です。成功か失敗かだけで評価されるのではなく、その一歩が組織の学びにつながっていく。それが、変化に強い組織を育てる本当の土台ではないでしょうか。
また、 「変化を起こす」 と言うと、何か大きな行動をしなければいけないように感じるかもしれませんが、ふとした気づきや何気ない対話の中にこそ、変化のきっかけは潜んでいます。
では、そうした変化をどう育てていくか。次回は、 「対話とリーダーシップ」 をテーマに、変化の土壌を耕す人のあり方について考えていきたいと思います。
参照論文:Edmondson, A. (1999). Psychological safety and learning behavior in work teams. Administrative Science Quarterly, 44(2), 350–383.
【2025.7月号 Vol.3 Pharmacy-Management】
でも、変化とは誰かの号令で突然始まるものではなく、日常の中で芽生えた問いや違和感が、誰かとの対話によって動き出すこと。その連鎖が、組織にとっての変化になるのだと思います。もちろん、すべての変化がうまくいくとは限りません。むしろ、うまくいかなかった経験こそが、次の変化をより良くするヒントになることもあります。だからこそ、 「やってみたこと」 「試してみたこと」 が尊重される文化が必要です。成功か失敗かだけで評価されるのではなく、その一歩が組織の学びにつながっていく。それが、変化に強い組織を育てる本当の土台ではないでしょうか。
また、 「変化を起こす」 と言うと、何か大きな行動をしなければいけないように感じるかもしれませんが、ふとした気づきや何気ない対話の中にこそ、変化のきっかけは潜んでいます。
では、そうした変化をどう育てていくか。次回は、 「対話とリーダーシップ」 をテーマに、変化の土壌を耕す人のあり方について考えていきたいと思います。
参照論文:Edmondson, A. (1999). Psychological safety and learning behavior in work teams. Administrative Science Quarterly, 44(2), 350–383.
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