保険薬局
薬局報酬、かかりつけ薬剤師制度の検討
ファーマ・トピックス・マンスリー
たんぽぽ薬局株式会社 薬剤師 緒方 孝行
11月28日に開催された中央社会保険医療協議会(以下、中医協)総会において、「調剤について(その2)」 が議論され、現在の薬局が抱える課題、報酬体系のあり方、対人業務の再考といった、重要な論点が整理された。
■小規模乱立問題と地域医療資源の集約
今回の議論の中心の一つとなったのが、業界紙などで頻繁に取り上げられている 「小規模乱立」 という現状への指摘だ。厚生労働省は、月間受付回数が600回を超える基本料1を算定する薬局において、処方箋集中率が高く、かつ少数の薬剤師で運営されていることが 「小規模乱立」 を招いていると言及した。そしてこの問題が引き起こす課題は多岐にわたる。
まず、薬剤師数の少なさから、在宅医療への積極的な参画が困難であるという点が挙げられる。各種調査からも、薬剤師が少ない薬局では、在宅訪問をはじめとする高度薬学管理に十分なリソースを割くことが難しいという実態が明らかとなっている。さらに、小規模薬局が地域に分散することで、医療リソースの非効率な分散、医薬品配送の複雑化と非効率化、広範な地域での医薬品在庫の分散が生じ、結果として地域全体の医薬品供給体制の脆弱化を招く可能性が指摘された。また、利益を優先する経営方針が勤務薬剤師の過重労働に繋がり、質の高い薬剤師サービスの提供を阻害する懸念も同様に指摘されている。
こうした背景から、中医協では 「地域の薬剤師機能を集約し、薬局を大規模化させる必要がある」 との意見も上がっており、薬局の大規模化は、在宅訪問等の高度薬学管理の実施を可能にするだけでなく、地域の医薬品供給拠点としての安定した機能発揮にも繋がると言及された。
機能的に十分と評価されていない小規模薬局の集約化・大規模化が一定の効果をもたらす可能性はあるが、これまでの報酬体系の中で薬局経営を成り立たせてきた事業者にとっては、急激な方針転換が経営基盤を揺るがしかねず、容易に賛同できないとの声が上がるのは想像に難くない。ただ、単なる経営効率化だけでなく、今後の人口動態予測も踏まえ、地域が求める機能や役割を薬局が果たしていくためには、変革が不可避であるという重要な視点は持ち続けなければならない。
まず、薬剤師数の少なさから、在宅医療への積極的な参画が困難であるという点が挙げられる。各種調査からも、薬剤師が少ない薬局では、在宅訪問をはじめとする高度薬学管理に十分なリソースを割くことが難しいという実態が明らかとなっている。さらに、小規模薬局が地域に分散することで、医療リソースの非効率な分散、医薬品配送の複雑化と非効率化、広範な地域での医薬品在庫の分散が生じ、結果として地域全体の医薬品供給体制の脆弱化を招く可能性が指摘された。また、利益を優先する経営方針が勤務薬剤師の過重労働に繋がり、質の高い薬剤師サービスの提供を阻害する懸念も同様に指摘されている。
こうした背景から、中医協では 「地域の薬剤師機能を集約し、薬局を大規模化させる必要がある」 との意見も上がっており、薬局の大規模化は、在宅訪問等の高度薬学管理の実施を可能にするだけでなく、地域の医薬品供給拠点としての安定した機能発揮にも繋がると言及された。
機能的に十分と評価されていない小規模薬局の集約化・大規模化が一定の効果をもたらす可能性はあるが、これまでの報酬体系の中で薬局経営を成り立たせてきた事業者にとっては、急激な方針転換が経営基盤を揺るがしかねず、容易に賛同できないとの声が上がるのは想像に難くない。ただ、単なる経営効率化だけでなく、今後の人口動態予測も踏まえ、地域が求める機能や役割を薬局が果たしていくためには、変革が不可避であるという重要な視点は持ち続けなければならない。
■モール型・ビレッジ型薬局への評価見直し
処方箋集中率の算出方法についても見直しが行われるようだ。モール型薬局では、3つ以上の医療機関が入居している場合、処方箋集中率の分子に全ての医療機関を含めるか、あるいは3つの医療機関のみを対象とするかで基本料が変動するケースがある。実際に、第24回と第25回の医療経済実態調査結果の比較では、出店形式を 「医療モール内」 と回答した薬局の損益額および損益差額がいずれも増加傾向にあることが示されており、現行の報酬制度の妥当性について疑問が呈されている。また、薬局が意図的に医療機関を誘致するなど、処方箋集中率を下げるための取り組みが行われている実態も報告され、これらは敷地内薬局と同様に、報酬体系の抜本的な見直しが図られる可能性が高いと思われる。
■かかりつけ薬剤師制度の現状と課題
「かかりつけ薬剤師制度」 に関しても、その浸透度が十分ではないことや、一部の薬局においてノルマ的に扱われている実態が問題視されている。中医協の資料によれば、業務ノルマがあると回答した薬剤師の17.2%のうち、その約半数以上がかかりつけ薬剤師指導料の同意件数や算定回数に関するノルマがあると回答している。さらに患者側からも、自ら薬剤師を選ぶような構造にはなっておらず、薬局側から定型的な打診を受けることで困惑するという声が上がっている。
かかりつけ薬剤師制度は、「患者に寄り添い、継続的な薬学管理を提供する」 ことが本来の意義である。その目的から逸脱し、ノルマ達成や経営的な側面のみが先行する現状は、薬局や薬剤師への不信感を募らせる原因となりかねない。今こそ、「真に患者のためになるかかりつけ薬剤師業務とは何か」 という原点に立ち返り、患者中心の医療提供を再考する時期に来ていると言えるのではないか。
かかりつけ薬剤師制度は、「患者に寄り添い、継続的な薬学管理を提供する」 ことが本来の意義である。その目的から逸脱し、ノルマ達成や経営的な側面のみが先行する現状は、薬局や薬剤師への不信感を募らせる原因となりかねない。今こそ、「真に患者のためになるかかりつけ薬剤師業務とは何か」 という原点に立ち返り、患者中心の医療提供を再考する時期に来ていると言えるのではないか。
■薬局の機能強化と未来への展望
今回の改定議論では、調剤報酬の簡素化も検討されているが、多種多様な薬局の出店形式に加え、地域性といった複雑な要素までを報酬体系に組み込んでいくことは、極めて困難だろう。在宅医療への対応や、かかりつけ薬剤師のあり方など、薬局の機能や役割がこれまで以上に強く問われている一方で、インフルエンザ吸入薬の指導や調剤後フォローアップの評価の見直しなど、患者に対して有益な機能については新たな評価が検討されている。これは、患者の視点に立った質の高い薬学管理を重視する国の姿勢を示していると言えるだろう。これからの薬局薬剤師は、「患者にとって何が最も有益か」 を常に問い続け、その答えを具体的な行動として示すことが求められる。真に患者から必要とされ、地域医療に貢献できる薬局となるためには、目の前の課題解決だけでなく、将来を見据えた薬局の機能強化と地域医療への役割の再認識が必要となる。
【2026年1月号 Vol.9 Pharmacy-Management 】
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