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「耳鼻咽喉科小児抗菌薬適正使用支援加算」について運用の留意点
請求業務のポイント解説
株式会社ウォームハーツ 古矢 麻由薬剤耐性菌対策は国際社会でも重要な課題であり、日本においても、適切な薬剤を必要な場合に限り、 適切な量と期間で使用することを徹底するため、国民行動計画が策定、推進されています。
それに伴い診療報酬上では、平成30年度改定で「小児抗菌薬適正使用支援加算」と「抗菌薬適正使用支援加算」(入院)が新設され、令和2年度に「小児抗菌薬適正使用支援加算」の対象が6歳未満に拡大、令和4年度には小児の耳鼻咽喉科領域への対策が推進され「耳鼻咽喉科小児抗菌薬適正使用支援加算」が新設されました。
本稿では「耳鼻咽喉科小児抗菌薬適正使用支援加算」について運用の留意点をお伝えいたします。
処置 通則8 耳鼻咽喉科小児抗菌薬適正使用支援加算 (月1回 初診時)+80点
それに伴い診療報酬上では、平成30年度改定で「小児抗菌薬適正使用支援加算」と「抗菌薬適正使用支援加算」(入院)が新設され、令和2年度に「小児抗菌薬適正使用支援加算」の対象が6歳未満に拡大、令和4年度には小児の耳鼻咽喉科領域への対策が推進され「耳鼻咽喉科小児抗菌薬適正使用支援加算」が新設されました。
本稿では「耳鼻咽喉科小児抗菌薬適正使用支援加算」について運用の留意点をお伝えいたします。
処置 通則8 耳鼻咽喉科小児抗菌薬適正使用支援加算 (月1回 初診時)+80点
●Point: 対象患者
6歳未満の急性気道感染症,急性中耳炎,急性副鼻腔炎の基礎疾患のない患者。その際、J095からJ115‐2の処置を行い、抗菌薬を使用しなかった場合に算定する。インフルエンザの患者(疑い含む)は算定不可。
<J095からJ115‐2>
J095 耳処置(耳浴及び耳洗浄を含む。)
J095-2 鼓室処置(片側)
J096 耳管処置(耳管通気法、鼓膜マッサージ及び鼻内処置を含む。)
J097 鼻処置(鼻吸引、単純鼻出血及び鼻前庭の処置を含む。)
J097-2 副鼻腔自然口開大処置
J098 口腔、咽頭処置
J098-2 扁桃処置
J099 間接喉頭鏡下喉頭処置(喉頭注入を含む。)
J100 副鼻腔手術後の処置(片側)
J101 鼓室穿刺(片側)
J102 上顎洞穿刺(片側)
J103 扁桃周囲膿瘍穿刺(扁桃周囲炎を含む。)
J104 唾液腺管洗浄(片側)
J105 副鼻腔洗浄又は吸引(注入を含む。)(片側)
J108 鼻出血止血法(ガーゼタンポン又はバルーンによるもの)
J109 鼻咽腔止血法(ベロック止血法)
J111 耳管ブジー法(通気法又は鼓膜マッサージの併施を含む。)(片側)
J112 唾液腺管ブジー法(片側)
J113 耳垢栓塞除去(複雑なもの)
J114 ネブライザ
J115 超音波ネブライザ(1日につき)
J115-2 排痰誘発法(1日につき)
※J106,107,110は該当なし
Q1: 耳鼻咽喉科乳幼児処置加算と併せて算定できますか。
A1: それぞれの算定要件を満たしている場合は、併せて算定できます。J095からJ115‐2の処置への加算になります。
処置 通則7(6歳未満の患者)
耳鼻咽喉科乳幼児処置加算(1日につき) +60点
Q2: 「小児抗菌薬適正使用支援加算」とどのように違いますか。
A2: 「小児抗菌薬適正使用支援加算」は、小児科外来診療料や小児かかりつけ診療料に対する加算であり、「耳鼻咽喉科小児抗菌薬適正使用支援加算」は処置を実施した患者に対する加算です。また疾患名が異なり、「小児抗菌薬適正使用支援加算」は急性気道感染症または急性下痢症の基礎疾患のない患者です。「耳鼻咽喉科小児抗菌薬適正使用支援加算」の対象患者は前述のPointの通りです。
<J095からJ115‐2>
J095 耳処置(耳浴及び耳洗浄を含む。)
J095-2 鼓室処置(片側)
J096 耳管処置(耳管通気法、鼓膜マッサージ及び鼻内処置を含む。)
J097 鼻処置(鼻吸引、単純鼻出血及び鼻前庭の処置を含む。)
J097-2 副鼻腔自然口開大処置
J098 口腔、咽頭処置
J098-2 扁桃処置
J099 間接喉頭鏡下喉頭処置(喉頭注入を含む。)
J100 副鼻腔手術後の処置(片側)
J101 鼓室穿刺(片側)
J102 上顎洞穿刺(片側)
J103 扁桃周囲膿瘍穿刺(扁桃周囲炎を含む。)
J104 唾液腺管洗浄(片側)
J105 副鼻腔洗浄又は吸引(注入を含む。)(片側)
J108 鼻出血止血法(ガーゼタンポン又はバルーンによるもの)
J109 鼻咽腔止血法(ベロック止血法)
J111 耳管ブジー法(通気法又は鼓膜マッサージの併施を含む。)(片側)
J112 唾液腺管ブジー法(片側)
J113 耳垢栓塞除去(複雑なもの)
J114 ネブライザ
J115 超音波ネブライザ(1日につき)
J115-2 排痰誘発法(1日につき)
※J106,107,110は該当なし
Q1: 耳鼻咽喉科乳幼児処置加算と併せて算定できますか。
A1: それぞれの算定要件を満たしている場合は、併せて算定できます。J095からJ115‐2の処置への加算になります。
処置 通則7(6歳未満の患者)
耳鼻咽喉科乳幼児処置加算(1日につき) +60点
Q2: 「小児抗菌薬適正使用支援加算」とどのように違いますか。
A2: 「小児抗菌薬適正使用支援加算」は、小児科外来診療料や小児かかりつけ診療料に対する加算であり、「耳鼻咽喉科小児抗菌薬適正使用支援加算」は処置を実施した患者に対する加算です。また疾患名が異なり、「小児抗菌薬適正使用支援加算」は急性気道感染症または急性下痢症の基礎疾患のない患者です。「耳鼻咽喉科小児抗菌薬適正使用支援加算」の対象患者は前述のPointの通りです。
●Point: 文書による説明及び提供
耳鼻咽喉科の専任の医師が、初診時に月1回算定
① 規定の処置を行い、診察の結果、抗菌薬の投与の必要性が認められない旨を判断
② 療養上必要な指導、当該処置の結果を文書により説明、提供を行う
① 規定の処置を行い、診察の結果、抗菌薬の投与の必要性が認められない旨を判断
② 療養上必要な指導、当該処置の結果を文書により説明、提供を行う
●Point: 施設基準の届出は不要
届出は不要ですが、以下①~③を満たす必要があります。
①耳鼻咽喉科を標榜する医療機関
② 薬剤耐性対策アクションプランに位置づけられた「地域感染症対策ネットワーク(仮称)」に係る活動に参加し、又は感染症にかかる研修会等に定期的に参加している
③ 病院の場合はデータ提出加算2を届出している
<「地域感染症対策ネットワーク(仮称)*1」や感染症にかかる研修会に関する事務連絡>
1. 活動や研修会等には、耳鼻咽喉科を担当する医師が参加する。
2. *1は、複数の医療機関や介護施設、自治体等と連携し、感染予防・管理についての情報共有や研修の実施などを定期的に行うこと。
3. 「研修会」は、小児科もしくは感染症に関係する学会や医師会等が開催する抗菌薬の適正使用に資する研修会等。病院においては保険医療機関内で行う抗菌薬の適正使用に資する研修会でも差し支えないが、当該保険医療機関以外の医師も参加対象とした研修会であること。
4. 「定期的」とは1年に1回以上。(令和4年3月31日 疑義解釈その1問213参照)
● 啓発用ツール・ポスターは、以下のURLをご参照下さい。
https://amr.ncgm.go.jp/materials/
【2024. 1. 15 Vol.584 医業情報ダイジェスト】
①耳鼻咽喉科を標榜する医療機関
② 薬剤耐性対策アクションプランに位置づけられた「地域感染症対策ネットワーク(仮称)」に係る活動に参加し、又は感染症にかかる研修会等に定期的に参加している
③ 病院の場合はデータ提出加算2を届出している
<「地域感染症対策ネットワーク(仮称)*1」や感染症にかかる研修会に関する事務連絡>
1. 活動や研修会等には、耳鼻咽喉科を担当する医師が参加する。
2. *1は、複数の医療機関や介護施設、自治体等と連携し、感染予防・管理についての情報共有や研修の実施などを定期的に行うこと。
3. 「研修会」は、小児科もしくは感染症に関係する学会や医師会等が開催する抗菌薬の適正使用に資する研修会等。病院においては保険医療機関内で行う抗菌薬の適正使用に資する研修会でも差し支えないが、当該保険医療機関以外の医師も参加対象とした研修会であること。
4. 「定期的」とは1年に1回以上。(令和4年3月31日 疑義解釈その1問213参照)
● 啓発用ツール・ポスターは、以下のURLをご参照下さい。
https://amr.ncgm.go.jp/materials/
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[事務れんらクンの更新情報]
2024-11-06「疑義解釈資料の送付について(その14)」を追加しました
2024-11-05
「疑義解釈資料の送付について(その13)」を追加しました
2024-10-04
「「長期収載品の処方等又は調剤の取扱いに関する疑義解釈資料の送付について(その3)」の一部訂正について」を追加しました。
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