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【続き】回復期リハビリテーション病棟における運動器リハの都道府県審査格差

アウトカム評価と“いいとこ取り”は表裏一体
株式会社MMオフィス 代表取締役 工藤 高

■ 回復期リハビリ病棟協会が都道府県別6単位以上提供割合を公開

回復期リハビリ病棟は前述の病院のように、そもそも6単位上限で、かつ体制強化加算も届出していなかった病院は入院料が患者1人1日100点アップしたためにプラス改定になるわけだ。6単位超のリハビリについては疑義解釈(その1)の問111で回復期リハビリ病棟の運動器リハビリであっても「(答)特掲診療料の施設基準等の別表第九の三の他の要件に該当する患者については1日9単位を算定できる」とされた。
これは「脳血管疾患等の患者のうちで発症後60日以内のもの」「入院中の患者であって、その入院する病棟等において早期歩行、ADLの自立等を目的」に該当した場合だが、算定できるルールと社保や国保の審査支払機関における査定減点ルールは違うので注意が必要だ。そもそも保険請求は算定できるルールに従って行うのが原理原則である。

都道府県別の運動器リハビリについては、日経ヘルスケア2024年5月号P46において回復期リハビリ病棟協会の宮井一郎副会長が同協会調査の「都道府県別に見た運動器リハビリの1日当たり6単位以上提供割合(1100病棟、2023年度)」というグラフを示している。それによると6単位以上を100%認めているのは栃木県、83.3%が大分県、81.8%が富山県となっており、逆に0%が島根県、山口県、宮崎県であり、全国平均は45.1%である。

筆者も以前から都道府県格差はクライアント病院の状況から感じていたが、まさか、これほど違うとは思っていなかった。救急医療管理加算もそうだが、都道府県審査格差のデータ公開は非常にセンシティブである。公開によって低い(厳しい)県が高い(緩い)県の審査基準にもっていくならば良いが、その逆になるケースが多いからだ。いずれにしても、方言のごとく、レセプトの都道府県審査格差は歴然としてあるのは事実だ。


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【2024. 6. 1 Vol.593 医業情報ダイジェスト】