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【続き】抗菌薬適正使用体制加算の新設で、抗菌薬の処方はどう変わるか?

薬剤耐性対策への取り組みを評価
株式会社メデュアクト  代表取締役 流石 学

■内服抗菌薬の選択がポイントになる

抗菌薬適正使用体制加算が新設されたことで、外来の抗菌薬の処方傾向が大きく変わることは容易に想像できる。
国内の抗菌薬の使用量は、ざっくりと言えば内服薬:注射薬=9:1になる。筆者もいくつかの病院で検証してみたが、多少の差はあっても、やはり使用量は内服薬が圧倒的に多い。そのため抗菌薬適正使用体制加算の施設基準を満たすためには、内服の抗菌薬の選択をどうするかが肝になる。

Accessの比率を上げる場合、処方する抗菌薬をWatchからAccessに切り替える、もしくは小児抗菌薬適正使用加算の算定要件のように、抗菌薬の必要性が認められないときにはそもそも処方しないことが選択肢になる。例えば、一般的に外来で処方されるケースの多い内服のキノロン系抗菌薬はいずれもWatchに分類されている。
Accessの使用比率60%以上という数字を意識すると、処方頻度の高かった薬剤であっても、これまで通りには処方しづらくなるだろう。

抗菌薬がWatchからAccessにシフトすることで、薬剤耐性対策が進むことは感覚的にも理解できる。一方でAWaRe分類は適応疾患等が考慮されていないため、一律の比率に疑問が残るという声があることも否めない。いずれにしても今後どのような動きになるのか、引き続き注目していきたい。


抗菌薬使用サーベイランス(AMR臨床リファレンスセンター)を基に作成


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【2024. 6. 1 Vol.593 医業情報ダイジェスト】