財務・税務
地域医療連携推進法人について考える
公立と民間連結の新病院が開院
あすの監査法人 公認会計士 山岡 輝之
【公立と民間連結の新病院が開院】
山形県米沢市で、令和5年11月1日に米沢市立病院と民間医療機関である三友堂病院が連なった新病院が開院しました。米沢市立病院(263床)は重症患者の受け入れや救急医療の「急性期医療」を中心とし、三友堂病院(199床)は症状が落ち着いた後のリハビリなど「回復期医療」を中心とした医療を担います。このような公立と民間の医療機関が同一敷地内に開設され、医療連携するのは全国初の事例です。
また、新病院の開院に合わせて、両病院は地域医療連携推進法人「よねざわヘルスケアネット」を設立し、医療従事者の交流や高額医療機器の共同購入・利用を促進するとされています。
これまで、医療・介護サービスのネットワーク化や公立・民間など設立主体が異なる医療機関等での連携は、協定や協約といった、いわば双方の約束事の中で進められてきました。しかし、地域医療・地域包括ケアの構築を具体的に進めていくためにはこれまでの協定や協約だけでは限界がありました。
その問題を解消する方法の1つとして平成29年4月に施行されたのが、地域医療連携推進法人制度です。合併や買収ではなく、地域医療連携推進法人に参加する法人が各々独立性を保ちながら、医薬品の共同購入や参加法人間の病床融通、人的交流の促進、医療従事者の共同研修などグループ運営の実現が図れることが最大のメリットとされています。
今回の米沢市の事例は、ハード面では公立民間の医療機関が隣接し、症状別の患者を連携しながら診ることを実現し、そしてソフト面では地域医療連携推進法人制度を活用した両病院の一体的な運営を実現させるモデルケースになったと思います。
私の監査先の医療法人でも、地域医療連携推進法人による医療・介護サービスのネットワーク化の実現に向けた検討が進められていることをよく耳にします。地域医療構想・地域包括ケアを実現していくための選択肢として、地域医療連携推進法人制度の活用は今後も増えていくのではないかと感じています。
また、新病院の開院に合わせて、両病院は地域医療連携推進法人「よねざわヘルスケアネット」を設立し、医療従事者の交流や高額医療機器の共同購入・利用を促進するとされています。
これまで、医療・介護サービスのネットワーク化や公立・民間など設立主体が異なる医療機関等での連携は、協定や協約といった、いわば双方の約束事の中で進められてきました。しかし、地域医療・地域包括ケアの構築を具体的に進めていくためにはこれまでの協定や協約だけでは限界がありました。
その問題を解消する方法の1つとして平成29年4月に施行されたのが、地域医療連携推進法人制度です。合併や買収ではなく、地域医療連携推進法人に参加する法人が各々独立性を保ちながら、医薬品の共同購入や参加法人間の病床融通、人的交流の促進、医療従事者の共同研修などグループ運営の実現が図れることが最大のメリットとされています。
今回の米沢市の事例は、ハード面では公立民間の医療機関が隣接し、症状別の患者を連携しながら診ることを実現し、そしてソフト面では地域医療連携推進法人制度を活用した両病院の一体的な運営を実現させるモデルケースになったと思います。
私の監査先の医療法人でも、地域医療連携推進法人による医療・介護サービスのネットワーク化の実現に向けた検討が進められていることをよく耳にします。地域医療構想・地域包括ケアを実現していくための選択肢として、地域医療連携推進法人制度の活用は今後も増えていくのではないかと感じています。
【地域医療連携推進法人は全国で34法人】
令和5年4月1日現在、全国では34の地域医療連携推進法人が認定されています。推進法人に参画できる事業体としては、病院・診療所・介護事業所など非営利で病院等を運営する事業者、あるいは地域包括ケアに関する事業を行う法人、地域の個人開業医・医療従事者養成機関、関係自治体などであり、これらが推進法人の社員として参画することになります。
地域医療連携推進法人は、一般社団法人のうち、地域における医療機関等相互間の機能分担や業務の連携を推進することを主たる目的とする法人として、医療法に定められた基準を満たすことを要件とし、都道府県知事が認定します。例として、認定基準には下記のようなものが挙げられます。
地域医療連携推進法人は、一般社団法人のうち、地域における医療機関等相互間の機能分担や業務の連携を推進することを主たる目的とする法人として、医療法に定められた基準を満たすことを要件とし、都道府県知事が認定します。例として、認定基準には下記のようなものが挙げられます。
- 病院、診療所、介護老人保健施設、介護医療院のいずれかを運営する法人が2以上参加すること
- 医師会、患者団体その他で構成される地域医療連携推進評議会を法人内に置いていること
- 参加法人が重要事項を決定するに当たっては、地域医療連携推進法人に意見を求めることを定款で定めていること
【推進法人を活用するには明確な目的を持った医療連携推進方針の策定が重要】
地域医療連携推進法人の認定を受けるには、病院等にかかる業務の連携を推進するための方針「医療連携推進方針」の策定が必要になります。この医療連携推進方針には、①医療連携推進区域(提供領域)、②参加法人、③理念・運営方針、④病院等相互間の機能の分担及び業務の連携に関する事項及びその目標、⑤介護事業その他地域包括ケアの推進に資する事業に関する事項――を記載する必要があります。特に④と⑤については、一般法人で言うところの定款業務であり、推進法人でどのようなことを実現させたいかを明確化する重要なポイントとなります。
既に認定された推進法人の医療連携推進方針では、医療・介護従事者の相互派遣・人事交流・育成、医薬品・医療機器の共同購入・共同利用の推進、患者・利用者情報の共有化、紹介・逆紹介の推進が主な目的に挙げられています。その他、介護や地域包括ケアへの推進として、入院患者の在宅療養生活に向けて円滑な移行を促進、要介護者急変等への対応のための病院と介護施設の連携強化、在宅支援病院、訪問看護ステーション、診療所、介護施設と連携を強化することを目的としている例が多くみられます。
地域の医療機関や介護施設との連携をより強固にし、地域包括ケアシステムを法人間での協力により実現するための一つの方法として整備された地域医療連携推進法人制度の活用について、山形県米沢市の事例等を参考にしながら、今後の事業展開を考えてみてはいかがでしょうか。
【2023. 12. 1 Vol.581 医業情報ダイジェスト】
既に認定された推進法人の医療連携推進方針では、医療・介護従事者の相互派遣・人事交流・育成、医薬品・医療機器の共同購入・共同利用の推進、患者・利用者情報の共有化、紹介・逆紹介の推進が主な目的に挙げられています。その他、介護や地域包括ケアへの推進として、入院患者の在宅療養生活に向けて円滑な移行を促進、要介護者急変等への対応のための病院と介護施設の連携強化、在宅支援病院、訪問看護ステーション、診療所、介護施設と連携を強化することを目的としている例が多くみられます。
地域の医療機関や介護施設との連携をより強固にし、地域包括ケアシステムを法人間での協力により実現するための一つの方法として整備された地域医療連携推進法人制度の活用について、山形県米沢市の事例等を参考にしながら、今後の事業展開を考えてみてはいかがでしょうか。
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