保険薬局
【若手薬剤師もわかる】薬局のチーム力を高めるリーダーシップ入門(第1回)
薬局経営の今とこれから
株式会社iMus 代表取締役社長 薬剤師 安田 幸一
なぜ今、薬局で 「リーダーシップ」 が求められるのか?
皆さんが働く薬局を取り巻く環境は、今、大きく変わろうとしています。単に薬を正確に渡す 「対物」 の業務から、患者さん一人ひとりの生活や健康に寄り添う 「対人」 の業務へと、薬剤師に求められる役割が大きくシフトしています。
このような変化の中で、薬局というチームがこれまで以上に力を発揮するためには、チームを効果的にまとめ、導く 「リーダーシップ」 が不可欠です。
この2回シリーズでは、数あるリーダーシップ理論の中から、特に薬局の現場で役立つ2つの理論、 「PM理論」 と 「パス=ゴール理論」 をご紹介します。少し難しそうに聞こえるかもしれませんが、チームを動かすための具体的なヒントが詰まっていますので、一緒に学んでいきましょう。
このような変化の中で、薬局というチームがこれまで以上に力を発揮するためには、チームを効果的にまとめ、導く 「リーダーシップ」 が不可欠です。
この2回シリーズでは、数あるリーダーシップ理論の中から、特に薬局の現場で役立つ2つの理論、 「PM理論」 と 「パス=ゴール理論」 をご紹介します。少し難しそうに聞こえるかもしれませんが、チームを動かすための具体的なヒントが詰まっていますので、一緒に学んでいきましょう。
強いチームの秘密 「PM理論」
第1回でご紹介するのは、日本の社会心理学者、三隅二不二(みすみ じゅうじ)氏によって提唱された 「PM理論」 です。この理論は、リーダーの行動を 「P」 と 「M」 という2つの非常にシンプルな軸で評価するため、分かりやすく、すぐに現場で応用できるのが特徴です。
• P機能 (Performance function) : 目標達成機能
チームの生産性を上げ、目標を達成するための行動です。具体的には、業務計画を立て、スタッフに的確な指示を出し、進捗を管理し、課題を解決するなど、いわば 「仕事(タスク)」 を前に進める力です。
• M機能 (Maintenance function) : 集団維持機能
チーム内の人間関係を良好に保ち、チームワークを維持・強化するための行動です。スタッフ間のコミュニケーションを促し、働きやすい雰囲気を作り、一人ひとりの気持ちに配慮する、いわば 「人(メンバー)」 を支える力です。
• P機能 (Performance function) : 目標達成機能
チームの生産性を上げ、目標を達成するための行動です。具体的には、業務計画を立て、スタッフに的確な指示を出し、進捗を管理し、課題を解決するなど、いわば 「仕事(タスク)」 を前に進める力です。
• M機能 (Maintenance function) : 集団維持機能
チーム内の人間関係を良好に保ち、チームワークを維持・強化するための行動です。スタッフ間のコミュニケーションを促し、働きやすい雰囲気を作り、一人ひとりの気持ちに配慮する、いわば 「人(メンバー)」 を支える力です。
あなたのリーダーはどのタイプ?
PM理論では、このP機能とM機能の強弱の組み合わせによって、リーダーを4つのタイプに分類します。

▪ PM型 (PもMも高い):理想のリーダー
目標達成への強い推進力(P)と、スタッフへの細やかな配慮(M)を両立させている理想的なリーダーです。このタイプのリーダーの下では、チームは明確な目標に向かって一体感を持ち、メンバーは安心して自分の能力を発揮できるため、組織として継続的に高い成果を上げることができます。
▪ Pm型 (Pは高いがMは低い):成果主義のリーダー
目標達成意欲は非常に高いものの、スタッフへの配慮が欠けているタイプです。 「目標達成のためなら仕方ない」 という考えに陥りがちで、厳しい指示や一方的な命令が多くなります。短期的には成果が上がるかもしれませんが、チームの雰囲気は殺伐とし、スタッフは疲弊してしまいます。結果として、心身の不調や離職者の増加を招き、長期的にはチームの力を弱めてしまう危険性があります。
▪ pM型 (Mは高いがPは低い):人間関係重視のリーダー
スタッフへの気配りができ、職場の雰囲気は和やかで 「仲良しクラブ」 のようになりがちです。しかし、目標達成への意識が低く、困難な課題や改革から目をそらす傾向があります。居心地は良いかもしれませんが、時代の変化に対応できず、チームとしても個人としても成長が停滞する傾向があります。
▪ pm型 (PもMも低い):放任主義のリーダー
目標達成にも、人間関係の維持にも関心が薄いタイプです。リーダーとしての役割をほとんど果たしておらず、チームは方向性を見失い、まとまりがなくなります。メンバーは何をすべきか分からず不安を感じ、モチベーションも著しく低下してしまいます。

▪ PM型 (PもMも高い):理想のリーダー
目標達成への強い推進力(P)と、スタッフへの細やかな配慮(M)を両立させている理想的なリーダーです。このタイプのリーダーの下では、チームは明確な目標に向かって一体感を持ち、メンバーは安心して自分の能力を発揮できるため、組織として継続的に高い成果を上げることができます。
▪ Pm型 (Pは高いがMは低い):成果主義のリーダー
目標達成意欲は非常に高いものの、スタッフへの配慮が欠けているタイプです。 「目標達成のためなら仕方ない」 という考えに陥りがちで、厳しい指示や一方的な命令が多くなります。短期的には成果が上がるかもしれませんが、チームの雰囲気は殺伐とし、スタッフは疲弊してしまいます。結果として、心身の不調や離職者の増加を招き、長期的にはチームの力を弱めてしまう危険性があります。
▪ pM型 (Mは高いがPは低い):人間関係重視のリーダー
スタッフへの気配りができ、職場の雰囲気は和やかで 「仲良しクラブ」 のようになりがちです。しかし、目標達成への意識が低く、困難な課題や改革から目をそらす傾向があります。居心地は良いかもしれませんが、時代の変化に対応できず、チームとしても個人としても成長が停滞する傾向があります。
▪ pm型 (PもMも低い):放任主義のリーダー
目標達成にも、人間関係の維持にも関心が薄いタイプです。リーダーとしての役割をほとんど果たしておらず、チームは方向性を見失い、まとまりがなくなります。メンバーは何をすべきか分からず不安を感じ、モチベーションも著しく低下してしまいます。
理想の 「PM型リーダー」 を目指すために
私たちが目指すべきは 「PM型」 のリーダーです。患者さんのために質の高い医療を提供するという目標(P)を掲げつつ、スタッフ全員がやりがいを感じ、気持ちよく働けるチーム(M)を作ること。この両立こそが、これからの薬局には不可欠なのです。
もし、ご自身のリーダーシップが 「P」 に偏っている(Pm型)と感じるなら、意識的に 「M機能」 を高める努力をしてみましょう。例えば、日々の挨拶に一言 「昨日は大変だったね、お疲れさま」 と付け加えてみる、忙しい時こそスタッフの顔を見て話す時間を作る、といった小さな行動から始められます。
逆に 「M」 に偏っている(pM型)と感じるなら、 「P機能」 を強化する意識が大切です。まずは 「今月は残薬調整の提案を5件成功させる」 といった、チームで達成可能な小さな目標を設定し、達成できたら皆で喜びを分かち合う、といった経験を積み重ねるのが良いでしょう。
今回は、チーム全体の力を測る 「PM理論」 について解説しました。まず自分自身の行動の傾向を知ることが、リーダーシップ向上の第一歩です。
ご自身のリーダーシップタイプを手軽に診断できるツールをご用意しました。下記QRコードまたはリンクからお試しください。

https://sites.google.com/imus.jp/pmtest/
(第2回へ続く)
【2025年10月号 Vol.6 Pharmacy-Management 】
もし、ご自身のリーダーシップが 「P」 に偏っている(Pm型)と感じるなら、意識的に 「M機能」 を高める努力をしてみましょう。例えば、日々の挨拶に一言 「昨日は大変だったね、お疲れさま」 と付け加えてみる、忙しい時こそスタッフの顔を見て話す時間を作る、といった小さな行動から始められます。
逆に 「M」 に偏っている(pM型)と感じるなら、 「P機能」 を強化する意識が大切です。まずは 「今月は残薬調整の提案を5件成功させる」 といった、チームで達成可能な小さな目標を設定し、達成できたら皆で喜びを分かち合う、といった経験を積み重ねるのが良いでしょう。
今回は、チーム全体の力を測る 「PM理論」 について解説しました。まず自分自身の行動の傾向を知ることが、リーダーシップ向上の第一歩です。
ご自身のリーダーシップタイプを手軽に診断できるツールをご用意しました。下記QRコードまたはリンクからお試しください。

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