病院・診療所
「遠隔画像診断による画像診断管理加算」 のメリットと算定状況は?
データから読み解く!
株式会社メデュアクト 代表取締役 流石 学
画像診断管理加算は、放射線科医による適切な画像診断体制を確保し、患者に質の高い画像診断サービスを提供できることを評価する加算である。
2024年度改定では、夜間・休日も含めた充実した画像診断管理体制を有する病院をより手厚く評価するため、従来の加算1~3を、加算1~4に見直した。従来の加算3(特定機能病院が対象)が加算4となり、救命救急センターを有する病院が対象となる加算3が新設された。なお、画像診断を専ら担当する常勤医師数が、加算1・2は1名以上、加算3は3名以上、加算4は6名以上と規定されている。
画像診断管理加算は、放射線科医のいるような大病院だけの評価と思われがちだが、決してそうではない。それが 「遠隔画像診断による画像診断管理加算」 であり、CT/MRI撮影、核医学診断等の画像を病院間で連携して遠隔で読影・管理した場合に、通常の施設内運用と同様に画像診断管理加算1~4を算定できる。
ただし、算定には送信側(撮影する医療機関)・受信側(読影する医療機関)の双方で、遠隔画像診断の施設基準を整え、届出をする必要がある。
受信側の病院は、画像診断管理加算1~4の施設基準を満たし、かつ特定機能病院、臨床研修指定病院等の要件に該当する病院になる。
一方で送信側の施設基準のハードルは低く、遠隔画像診断の届出(様式34または様式35)を行えばよい。ただし受信側の病院以外への読影または診断の委託はできない点は注意したい。
民間企業やNPO法人等による遠隔読影サービスに外部委託している医療機関も多いと思う。しかしこの場合、届出は不要だが、画像診断管理加算の対象にならない。
2024年度改定では、夜間・休日も含めた充実した画像診断管理体制を有する病院をより手厚く評価するため、従来の加算1~3を、加算1~4に見直した。従来の加算3(特定機能病院が対象)が加算4となり、救命救急センターを有する病院が対象となる加算3が新設された。なお、画像診断を専ら担当する常勤医師数が、加算1・2は1名以上、加算3は3名以上、加算4は6名以上と規定されている。
画像診断管理加算は、放射線科医のいるような大病院だけの評価と思われがちだが、決してそうではない。それが 「遠隔画像診断による画像診断管理加算」 であり、CT/MRI撮影、核医学診断等の画像を病院間で連携して遠隔で読影・管理した場合に、通常の施設内運用と同様に画像診断管理加算1~4を算定できる。
ただし、算定には送信側(撮影する医療機関)・受信側(読影する医療機関)の双方で、遠隔画像診断の施設基準を整え、届出をする必要がある。
受信側の病院は、画像診断管理加算1~4の施設基準を満たし、かつ特定機能病院、臨床研修指定病院等の要件に該当する病院になる。
一方で送信側の施設基準のハードルは低く、遠隔画像診断の届出(様式34または様式35)を行えばよい。ただし受信側の病院以外への読影または診断の委託はできない点は注意したい。
民間企業やNPO法人等による遠隔読影サービスに外部委託している医療機関も多いと思う。しかしこの場合、届出は不要だが、画像診断管理加算の対象にならない。
■遠隔画像診断による画像診断管理加算の算定状況は?
とはいえ、遠隔画像診断を耳にする機会が少ないのはなぜだろうか。今回は第10回NDBオープンデータをもとに、画像診断管理加算の算定回数のうち、遠隔画像診断によるものの割合を、都道府県別に検証した。今回の検証は2023年度のデータになるため、改定前の加算1~3に基づくことを留意いただきたい。
まず全国における遠隔画像診断によるものの算定割合は2.3%だった。そのうち8割を画像診断管理加算2が占めている。
都道府県別では、栃木県が最も遠隔画像診断による算定割合が高く、唯一10%を超えていた。栃木県は加算1の割合が高いことも特徴的だ。加算3による算定は、岡山県、宮城県、広島県、和歌山県など、一部の地域で算定率が高くなっている。一方で、秋田県、富山県、鳥取県、山口県、高知県、熊本県の6県は0%(年間10件未満は0として表示)だった。
遠隔画像診断による画像診断管理加算の算定状況に大きな地域差が存在することは見えてきたが、医療機関の機能分化が進む都市部で算定率が高いということでもなく、一方で医療資源の限られる地方において算定率が高いわけでもない。診療報酬上の評価項目としてはあるものの、医療機関の認識が十分に進んでいない可能性も否めない。

まず全国における遠隔画像診断によるものの算定割合は2.3%だった。そのうち8割を画像診断管理加算2が占めている。
都道府県別では、栃木県が最も遠隔画像診断による算定割合が高く、唯一10%を超えていた。栃木県は加算1の割合が高いことも特徴的だ。加算3による算定は、岡山県、宮城県、広島県、和歌山県など、一部の地域で算定率が高くなっている。一方で、秋田県、富山県、鳥取県、山口県、高知県、熊本県の6県は0%(年間10件未満は0として表示)だった。
遠隔画像診断による画像診断管理加算の算定状況に大きな地域差が存在することは見えてきたが、医療機関の機能分化が進む都市部で算定率が高いということでもなく、一方で医療資源の限られる地方において算定率が高いわけでもない。診療報酬上の評価項目としてはあるものの、医療機関の認識が十分に進んでいない可能性も否めない。

■診療所等が届出するメリットは?
遠隔画像診断による画像診断管理加算は、診療所や中小病院にとってのメリットが大きい。自施設に画像診断を専ら担当する常勤医師がいなくても、画像診断管理加算を算定できるからだ。受信側の医療機関の施設基準に基づく点数を算定できるため、連携する医療機関の施設基準が加算3であれば235点、加算4であれば340点を算定できる。請求は原則として送信側の医療機関が行う。
また受信側の病院は、翌診療日までの読影報告が求められるため、送信側にとってはタイムリーな診療が可能になる。専門医が少ない地域や小規模の医療機関でも、専門医による読影が可能になるため、医療の質の底上げが期待できる。
受信側の医療機関にとっては安定した読影収益を見込むことができ、人的資源の有効活用ができる。なお、読影等の費用は病院間の協議によって定めることとなっている。
送信側、受信側それぞれの医療機関への収益、そして質の高い読影とスピーディな診療が可能となるため、医療の質の観点からもメリットのある連携と言える。とはいえ、都道府県ごとの算定状況から察すると、あまり浸透していないように見える。 「遠隔画像診断による画像診断管理加算」 を算定していない医療機関は一考する価値がある。
【2025年10月1日号 Vol.11 メディカル・マネジメント】
また受信側の病院は、翌診療日までの読影報告が求められるため、送信側にとってはタイムリーな診療が可能になる。専門医が少ない地域や小規模の医療機関でも、専門医による読影が可能になるため、医療の質の底上げが期待できる。
受信側の医療機関にとっては安定した読影収益を見込むことができ、人的資源の有効活用ができる。なお、読影等の費用は病院間の協議によって定めることとなっている。
送信側、受信側それぞれの医療機関への収益、そして質の高い読影とスピーディな診療が可能となるため、医療の質の観点からもメリットのある連携と言える。とはいえ、都道府県ごとの算定状況から察すると、あまり浸透していないように見える。 「遠隔画像診断による画像診断管理加算」 を算定していない医療機関は一考する価値がある。
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