診療所
「アレルギー性鼻炎免疫療法治療管理料」について 運用の留意点
請求業務のポイント解説
株式会社ウォームハーツ 古矢 麻由現在、アレルギー性鼻炎は国民の49.2%が罹患する国民病とされています。アレルゲン免疫療法は、初回投与時には30分以上観察が必要であり、適切な治療の普及を推進するため、令和4年度改定で「アレルギー性鼻炎免疫療法治療管理料」が新設されました。
また、舌下免疫療法は、5歳から12歳の小児のアレルギーマーチの進行を止めうる有益な治療法としても効果が期待されています。
本稿では「アレルギー性鼻炎免疫療法治療管理料」について、運用の留意点をお伝えいたします。
B001_35 アレルギー性鼻炎免疫療法治療管理料(月1回)
イ 1月目 280点
ロ 2月目以降 25点
●Point: 対象患者
アレルゲン免疫療法(皮下免疫療法,舌下免疫療法)による治療の必要を認めるアレルギー性鼻炎の外来患者
Q1: アレルギー性鼻炎が主病でないと算定できないのでしょうか。
A1: 通知等で主病である規定はありませんが、医師によりアレルギー性鼻炎と診断されている必要があります。
Q2: 特定疾患療養管理料を算定している場合、同日や同月に算定できますか。
A2: それぞれの疾患に対して指導し、それぞれの要件を満たしていれば、併せて算定できます。なお、特定疾患療養管理料は、厚労大臣が定める疾患が主病である必要があります。
Q3: 外来管理加算は同日に算定できますか。
A3: アレルギー性鼻炎免疫療法治療管理料と外来管理加算は同日に算定可能です。外来管理加算の要件を満たし、同日に外来管理加算が算定できない項目(処置や生体検査等)を実施していないことに留意ください。
●Point: インフォームドコンセントを得て開始
①アレルギー性鼻炎の診断をする
② 文書により治療内容,期待される効果,副作用等を説明し、患者の同意を得る 説明・指導文書例は「鼻アレルギー診療ガイドライン2023年版」(日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー感染症学会)をご参照ください。
③アレルゲン免疫療法を行う
●Point: 施設基準の届出は不要
以下①~③を満たす必要があります。
① 当該保険医療機関内にアレルギーの診療に従事した経験3年以上の常勤医師を1名以上配置すること(※)
※ 週3日以上常態として勤務し、かつ所定労働時間が週22時間以上勤務の非常勤医師(アレルギーの診療に従事経験3年以上)2名以上を組み合わせることで常勤医の基準を満たすこともできます。
② アレルゲン免疫療法に伴う副作用が生じた場合に対応できる体制を整備していること。
③ 院内の見やすい場所にアレルゲン免疫療法を行っている旨の掲示をするなど、患者に必要な情報提供をしていること。
Q4: アレルギー性鼻炎免疫療法治療管理料について、既にアレルギー性鼻炎免疫療法を開始していた患者が、転居等により、他の保険医療機関において治療を開始する場合は、どちらの区分を算定するのでしょうか。
A4: 「ロ 2月目以降 25点」を算定します。 (令和4年3月31日 疑義解釈資料(その1)問144)
●Point: カルテやレセプト摘要欄への記載
<カルテ>
・ アレルゲン免疫療法について、患者に説明した内容の要点を記載する。
<レセプト摘要欄>
・レセプトコード850100407 初回算定年月日を記載する。
●参考:診療情報提供料(Ⅰ) 通知(17)
アナフィラキシーの既往歴のある患者で、当該患者が学校等において生活するにあたり、必要な診療情報や学校生活上の留意点等を記載した生活管理指導表を、学校医等に文書として提供した場合は、診療情報提供料(Ⅰ)を算定できると解されます。(皮下免疫療法は、特に増量過程でアナフィラキシーが生じる可能性があります。)
生活管理指導表の提出が望ましい例
・ 内服ステロイドを3日以上連続して服用している場合
・ 花粉シーズンの間、体育や屋外活動に参加しないよう指導している場合
【2023. 12. 15 Vol.582 医業情報ダイジェスト】
また、舌下免疫療法は、5歳から12歳の小児のアレルギーマーチの進行を止めうる有益な治療法としても効果が期待されています。
本稿では「アレルギー性鼻炎免疫療法治療管理料」について、運用の留意点をお伝えいたします。
B001_35 アレルギー性鼻炎免疫療法治療管理料(月1回)
イ 1月目 280点
ロ 2月目以降 25点
●Point: 対象患者
アレルゲン免疫療法(皮下免疫療法,舌下免疫療法)による治療の必要を認めるアレルギー性鼻炎の外来患者
Q1: アレルギー性鼻炎が主病でないと算定できないのでしょうか。
A1: 通知等で主病である規定はありませんが、医師によりアレルギー性鼻炎と診断されている必要があります。
Q2: 特定疾患療養管理料を算定している場合、同日や同月に算定できますか。
A2: それぞれの疾患に対して指導し、それぞれの要件を満たしていれば、併せて算定できます。なお、特定疾患療養管理料は、厚労大臣が定める疾患が主病である必要があります。
Q3: 外来管理加算は同日に算定できますか。
A3: アレルギー性鼻炎免疫療法治療管理料と外来管理加算は同日に算定可能です。外来管理加算の要件を満たし、同日に外来管理加算が算定できない項目(処置や生体検査等)を実施していないことに留意ください。
●Point: インフォームドコンセントを得て開始
①アレルギー性鼻炎の診断をする
② 文書により治療内容,期待される効果,副作用等を説明し、患者の同意を得る 説明・指導文書例は「鼻アレルギー診療ガイドライン2023年版」(日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー感染症学会)をご参照ください。
③アレルゲン免疫療法を行う
●Point: 施設基準の届出は不要
以下①~③を満たす必要があります。
① 当該保険医療機関内にアレルギーの診療に従事した経験3年以上の常勤医師を1名以上配置すること(※)
※ 週3日以上常態として勤務し、かつ所定労働時間が週22時間以上勤務の非常勤医師(アレルギーの診療に従事経験3年以上)2名以上を組み合わせることで常勤医の基準を満たすこともできます。
② アレルゲン免疫療法に伴う副作用が生じた場合に対応できる体制を整備していること。
③ 院内の見やすい場所にアレルゲン免疫療法を行っている旨の掲示をするなど、患者に必要な情報提供をしていること。
Q4: アレルギー性鼻炎免疫療法治療管理料について、既にアレルギー性鼻炎免疫療法を開始していた患者が、転居等により、他の保険医療機関において治療を開始する場合は、どちらの区分を算定するのでしょうか。
A4: 「ロ 2月目以降 25点」を算定します。 (令和4年3月31日 疑義解釈資料(その1)問144)
●Point: カルテやレセプト摘要欄への記載
<カルテ>
・ アレルゲン免疫療法について、患者に説明した内容の要点を記載する。
<レセプト摘要欄>
・レセプトコード850100407 初回算定年月日を記載する。
●参考:診療情報提供料(Ⅰ) 通知(17)
アナフィラキシーの既往歴のある患者で、当該患者が学校等において生活するにあたり、必要な診療情報や学校生活上の留意点等を記載した生活管理指導表を、学校医等に文書として提供した場合は、診療情報提供料(Ⅰ)を算定できると解されます。(皮下免疫療法は、特に増量過程でアナフィラキシーが生じる可能性があります。)
生活管理指導表の提出が望ましい例
・ 内服ステロイドを3日以上連続して服用している場合
・ 花粉シーズンの間、体育や屋外活動に参加しないよう指導している場合
【2023. 12. 15 Vol.582 医業情報ダイジェスト】
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2024-11-06「疑義解釈資料の送付について(その14)」を追加しました
2024-11-05
「疑義解釈資料の送付について(その13)」を追加しました
2024-10-04
「「長期収載品の処方等又は調剤の取扱いに関する疑義解釈資料の送付について(その3)」の一部訂正について」を追加しました。
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