診療所
時短希望のスタッフへの対応と特定のスタッフに依存しない組織づくりのポイント
変形労働時間制の導入を検討する
合同会社MASパートナーズ 代表社員 原 聡彦【相談内容】
中国地方の開業20年目の整形外科クリニックの院長からの相談です。
「優秀な事務受付の常勤スタッフ(以下、正職員)から、自分自身の病気の治療のため6ヶ月間、火曜日と金曜日は通常よりも1時間早く帰りたいと相談がありました。このようなとき、これまではパートタイマーに転換してもらっていましたが、本人には正職員として勤務を続けたい意向があり、パートタイマーへの転換を打診すると退職してしまうかもしれません。当院としても彼女がいないと事務受付部門が回らない現状がありますので、勤務を続けてほしいと考えております。どのような対応方法があるのでしょうか」
「優秀な事務受付の常勤スタッフ(以下、正職員)から、自分自身の病気の治療のため6ヶ月間、火曜日と金曜日は通常よりも1時間早く帰りたいと相談がありました。このようなとき、これまではパートタイマーに転換してもらっていましたが、本人には正職員として勤務を続けたい意向があり、パートタイマーへの転換を打診すると退職してしまうかもしれません。当院としても彼女がいないと事務受付部門が回らない現状がありますので、勤務を続けてほしいと考えております。どのような対応方法があるのでしょうか」
【回 答】
病気の治療を受けるなど、時間の制約があるスタッフを正職員として雇用し続けるには、次の3つの方法が考えられます。
1.欠勤控除を前提に一定期間の早退を認める
基本的に雇用契約は所定労働時間を勤務することを前提とするため、早退など所定労働時間を働くことができないのは問題です。
しかし、クリニックが治療のためといった理由や期間を限定し、特別に早退を認めた上で、他のスタッフとのバランスをとるためにも勤務できない時間数相当分の賃金を控除して対応する方法がとられることがあります。この場合、通常本人が行う業務を他の職員が代わって行うこととなるため、他の職員への説明や協力の依頼をした上で認めることをお勧めいたします。
しかし、クリニックが治療のためといった理由や期間を限定し、特別に早退を認めた上で、他のスタッフとのバランスをとるためにも勤務できない時間数相当分の賃金を控除して対応する方法がとられることがあります。この場合、通常本人が行う業務を他の職員が代わって行うこととなるため、他の職員への説明や協力の依頼をした上で認めることをお勧めいたします。
2. 始業・終業時刻を繰り上げなど一定期間の時差出勤を認める
準備業務などのために始業・終業時刻を繰り上げ、通常の始業の1時間前に出勤してもらい、1時間早く帰ることができるようにする方法も考えられます。また、休憩時間が法定よりも長いときには本来休憩時間とされている時間に電話番を任せるなどの業務があれば、そちらを依頼し、1日の労働時間数を変えずに希望する時間に帰宅させる方法も考えられます。
続きの記事を読む 【続き】時短希望のスタッフへの対応と特定のスタッフに依存しない組織づくりのポイント
【2024. 5. 15 Vol.592 医業情報ダイジェスト】
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