診療所

【続き】時短希望のスタッフへの対応と特定のスタッフに依存しない組織づくりのポイント

変形労働時間制の導入を検討する
合同会社MASパートナーズ 代表社員 原 聡彦
3.変形労働時間制の導入を検討する
例えば、月曜日と火曜日は勤務時間を1時間短くし、残りの曜日のうち2日、1時間長く勤務をしても差し支えないようであれば、このような働き方をさせることが可能です。このとき、1日8時間を超える日があれば、変形労働時間制を適用しておく必要があります。

継続して働き続けることができる環境を整備することで、医院も人材確保や人材流出の防止につながるため、対応可能な範囲での労働条件の変更を検討したいものです。また、治療が予定よりも長期にわたる可能性もあるため、条件変更の措置をいつまで認めるのかといった制度の整備も検討しておくとよいでしょう。

特定の優秀なスタッフに依存しない組織づくりにチャレンジ!
業務のすべてを把握している一人の優秀なスタッフは院長にとって頼りになる一方、脅威となることもあります。優秀なスタッフにしかわからない業務があれば、そのスタッフが退職や休職してしまうと、たちまち業務がストップするからです。私どもはこのことを「人に業務がつく」と定義しています。人に業務がつき、ある特定のスタッフに業務を依存しなければならない状態が続くと、クリニックは脆弱な組織になっていきます。

下記に、特定のスタッフに依存しない組織づくりにチャレンジしているクリニックの事例をお伝えします。

STEP1.クリニックの業務をすべて把握するために各 部門の業務一覧表を作成する
自院の業務をすべて一覧できるように棚卸します。下記に受付事務の業務棚卸の事例を掲載しておきます。

STEP2.自己評価してもらう
【指:他のスタッフへ指導できるレベル、自:自立して一人でできる、サ:サポートがあればできる、未:できない(やったことがない)】として、各スタッフに業務の自己評価をしてもらいます。

STEP 3.一人にしかできない業務をリストアップする
一人にしかできない業務をリストアップしていただきます。リストアップした業務こそが「人に業務がついている」業務なので、リストアップした業務について手順化、マニュアル化して他のスタッフができるようにしておきます。進捗状況も確認しましょう。




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【2024. 5. 15 Vol.592 医業情報ダイジェスト】