保険薬局
2025年薬機法改正に係る詳細事項ついて
ファーマ・トピックス・マンスリー
たんぽぽ薬局株式会社 薬剤師 緒方 孝行
本誌7月号にて2025年薬機法改正に係る認定薬局について記載した。8月号では、調剤の一部外部委託、薬剤師等の遠隔管理下での一般用医薬品の販売、濫用等のおそれのある医薬品管理の厳格化について詳細を記載したい。
まず初めに調剤の一部外部委託について、その概要を整理する。外部委託可能な調剤業務としては現時点では一包化業務(散剤の一包化等を除く)が該当するとされており、委託を行う薬局(以下、委託薬局)と委託先の薬局(以下、受託薬局)は、同一の三次医療圏内にあることとされた。そして委託の実施については、あらかじめ患者等へ説明を行い、同意を得た上で実施しなければならないため、薬局における丁寧な説明が必須となるだろう。
責任分界点については当初から懸念されていたが、調剤の責任は原則として、処方せんを受け付けた委託薬局開設者及びその薬局の薬剤師にあると整理された。さらに薬局開設者は、対象となる業務について手順書を作成し、各薬局に備えておく必要がある。そのため、薬機法改正により調剤の一部外部委託が実現されたとしても、まずは同一法人内で実施され、徐々に地域単位に展開していくのではないか、という見解である。
では、実際にはどのようなフローになるのか。委託薬局と受託薬局において、当該業務の実施等に係る契約を締結し(同一法人の場合は契約に準ずる覚書等を交わし)、委託薬局は処方内容の分析および調剤設計・委託実施の判断を行う。そして作業に必要な情報を伝達し、一包化業務を委託する流れとなる。
ここからは2パターンが想定される。パターン1は、一包化された薬剤を委託元へ配送し、委託薬局にて監査を実施した上で患者へ薬剤交付するスキームだ。パターン2では、一包化された薬剤の画像を委託薬局へ送付し、画像にて監査を行い、受託薬局から直接患者へ送付するスキームとなっている。パターン1では郵送費や患者の手元に届くまでタイムラグが生じるなどのデメリットはあるものの、一番確実な方法と言えるだろう。パターン2では、監査の不確実性が懸念点となる。そのため実証実験でもパターン1での実施が主であった。精度の高い一包化監査システムの実用が一般的になれば、パターン2での実施も増えるだろうが、現時点では実施は難しいと言わざるを得ない。
次に、薬剤師等の遠隔管理下での一般用医薬品の販売について整理する。その概要としては、あらかじめ登録された薬剤師等が常駐しない店舗(登録受渡店舗)において一般用医薬品を補完し、購入者へ受け渡すことを可能とするスキームである。販売は委託元の薬局や店舗販売業者が行い、販売に関する責任は原則として委託元の薬局や店舗販売業者が有する。薬局又は店舗販売業と委託を行う登録受渡店舗は当面の間、同一都道府県内とされた。これは都道府県を超えてしまうと、監視・監督が行き届かず、一般用医薬品の販売が乱雑になってしまうことが懸念された結果である。そのため今後、制度導入後の研修を踏まえて課題等を検証の上、より広範囲での連携等が検討される見通しである。また実証実験の実施も可能であれば予定しているため、今後の動向については注視が必要なトピックスだろう。そのほか、現時点では登録受渡店舗の業種制限や要件などは明記されていないが、業種については適切な業種であることが推奨されており、要件については今後詳細が整理されていくこととなっている。
続いて、濫用等のおそれのある医薬品については、他の薬局等での購入の状況、氏名、年齢を薬剤師等に確認させ、適切な情報提供を行わせること等を義務付けた。また多量購入の場合の購入理由を確認することも記載された。若年者については、より厳格に管理が求められており、大容量製品または複数個の販売が禁止された。また有資格者の関与を必須とすべく、若年者への小容量製品の販売又は若年者以外の者への大容量製品もしくは複数個の販売は、対面又はオンラインでの販売を義務付けた。
この見直しから、有資格者が購入者へ適切な情報提供を行い、最後のゲートキーパーとして機能することを期待されていると読み解ける。その期待に応えるべく、しっかりと改正内容を理解した上で適切な対応を周知していく必要があるだろう。陳列においても明確化され、不適切に使用されないような配慮がみられる。
このように薬機法改正により、さまざま業務が変化するだろう。限られた医療的リソースを活用して、適切な医療を提供していくためにデジタル技術を活用することが多くなる。だが、利便性を求めるだけで安全性が蔑ろにされてはならない。薬剤師は薬の専門家として法改正にも精通し、国民に安心安全な医療を提供することが期待されている。

令和7年の医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)等の一部改正についての概要資料より一部抜粋
【2025.8月号 Vol.4 Pharmacy-Management】
まず初めに調剤の一部外部委託について、その概要を整理する。外部委託可能な調剤業務としては現時点では一包化業務(散剤の一包化等を除く)が該当するとされており、委託を行う薬局(以下、委託薬局)と委託先の薬局(以下、受託薬局)は、同一の三次医療圏内にあることとされた。そして委託の実施については、あらかじめ患者等へ説明を行い、同意を得た上で実施しなければならないため、薬局における丁寧な説明が必須となるだろう。
責任分界点については当初から懸念されていたが、調剤の責任は原則として、処方せんを受け付けた委託薬局開設者及びその薬局の薬剤師にあると整理された。さらに薬局開設者は、対象となる業務について手順書を作成し、各薬局に備えておく必要がある。そのため、薬機法改正により調剤の一部外部委託が実現されたとしても、まずは同一法人内で実施され、徐々に地域単位に展開していくのではないか、という見解である。
では、実際にはどのようなフローになるのか。委託薬局と受託薬局において、当該業務の実施等に係る契約を締結し(同一法人の場合は契約に準ずる覚書等を交わし)、委託薬局は処方内容の分析および調剤設計・委託実施の判断を行う。そして作業に必要な情報を伝達し、一包化業務を委託する流れとなる。
ここからは2パターンが想定される。パターン1は、一包化された薬剤を委託元へ配送し、委託薬局にて監査を実施した上で患者へ薬剤交付するスキームだ。パターン2では、一包化された薬剤の画像を委託薬局へ送付し、画像にて監査を行い、受託薬局から直接患者へ送付するスキームとなっている。パターン1では郵送費や患者の手元に届くまでタイムラグが生じるなどのデメリットはあるものの、一番確実な方法と言えるだろう。パターン2では、監査の不確実性が懸念点となる。そのため実証実験でもパターン1での実施が主であった。精度の高い一包化監査システムの実用が一般的になれば、パターン2での実施も増えるだろうが、現時点では実施は難しいと言わざるを得ない。
次に、薬剤師等の遠隔管理下での一般用医薬品の販売について整理する。その概要としては、あらかじめ登録された薬剤師等が常駐しない店舗(登録受渡店舗)において一般用医薬品を補完し、購入者へ受け渡すことを可能とするスキームである。販売は委託元の薬局や店舗販売業者が行い、販売に関する責任は原則として委託元の薬局や店舗販売業者が有する。薬局又は店舗販売業と委託を行う登録受渡店舗は当面の間、同一都道府県内とされた。これは都道府県を超えてしまうと、監視・監督が行き届かず、一般用医薬品の販売が乱雑になってしまうことが懸念された結果である。そのため今後、制度導入後の研修を踏まえて課題等を検証の上、より広範囲での連携等が検討される見通しである。また実証実験の実施も可能であれば予定しているため、今後の動向については注視が必要なトピックスだろう。そのほか、現時点では登録受渡店舗の業種制限や要件などは明記されていないが、業種については適切な業種であることが推奨されており、要件については今後詳細が整理されていくこととなっている。
続いて、濫用等のおそれのある医薬品については、他の薬局等での購入の状況、氏名、年齢を薬剤師等に確認させ、適切な情報提供を行わせること等を義務付けた。また多量購入の場合の購入理由を確認することも記載された。若年者については、より厳格に管理が求められており、大容量製品または複数個の販売が禁止された。また有資格者の関与を必須とすべく、若年者への小容量製品の販売又は若年者以外の者への大容量製品もしくは複数個の販売は、対面又はオンラインでの販売を義務付けた。
この見直しから、有資格者が購入者へ適切な情報提供を行い、最後のゲートキーパーとして機能することを期待されていると読み解ける。その期待に応えるべく、しっかりと改正内容を理解した上で適切な対応を周知していく必要があるだろう。陳列においても明確化され、不適切に使用されないような配慮がみられる。
このように薬機法改正により、さまざま業務が変化するだろう。限られた医療的リソースを活用して、適切な医療を提供していくためにデジタル技術を活用することが多くなる。だが、利便性を求めるだけで安全性が蔑ろにされてはならない。薬剤師は薬の専門家として法改正にも精通し、国民に安心安全な医療を提供することが期待されている。

令和7年の医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)等の一部改正についての概要資料より一部抜粋
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