保険薬局

敷地内薬局の評価の在り方の検討

ファーマ・トピックス・マンスリー
たんぽぽ薬局株式会社 薬剤師 緒方 孝行
10月24日に行われた中央社会保険医療協議会総会(以下、中医協)において、敷地内薬局の課題と評価の在り方が議論された。前回改定の際にも、いわゆるグループ減算と呼ばれるような措置が検討されており、敷地内薬局を有する薬局企業はその動向を注視していた。
今回の議論においては、個別事項はあるものの、大きく分けて3つの論点があげられている。

  1. 特別調剤基本料Aの但し書きは、従来からある医療モールを考慮してだが、適用例が多く、その範囲の妥当性はどうか。
  2. 医療的過疎地域における特別調剤基本料Aの適用をどのように整理するか。
  3. 特別調剤基本料Aを算定する薬局での機能評価をどのように整理するか。

まず1つ目だが、特別調剤基本料A(以下、特A)の対象となる医療機関と特別な関係がある薬局のうち、同じ建物内に診療所がある医療モールなどの薬局を除外する既定の取り扱いが議論されている。元々この除外規定は、敷地内薬局ができる前からある医 療モール型の薬局を敷地内薬局と同一とみなすことは適切ではない、という見解からの処置である。
ただ、この除外規定を 「特A逃れ」 として利用するケースが見られるとの報告もある。敷地内薬局の建物内に診療所などを誘致し、特Aの除外規定に該当するように働きかけているのだ。実際に集中率50%超で特Aの対象外となっている薬局は1437店舗に上る。
こうした実態を鑑みて、除外規定の廃止を検討すべき、という声が上がっている。日本薬剤師会は、従来からあるものを守る除外規定は一定の役割を担っており、それを逸脱するケースへの報酬上の厳格化や是正を求めた。一方、日本医師会や健保連からは廃止を検討すべきという声が強く、実態を細かく区別する案を示さなければ、従来の医療モール型薬局が大きな打撃を受ける可能性がある。

続いて、医療的過疎地域における特Aの適応の整理についてだが、この件については医療アクセスを最優先とし、柔軟な対応をとることが前向きに検討された。支払い側からの意見も、敷地内薬局の条件提示の見える化、薬局の独立性の担保、契約賃料の妥当性を加味して、通常の基本料の算定を例外的に認めることは一定の理解はできる、とあった。さらに、こうした医療的過疎地域での特Aを厳格化すると、新たな薬局の参入やすでに経営している薬局の存続が危ぶまれるという懸念点も提示され、限られた医療資源の活用とのバランスも調剤報酬を考えていく中では重要であることが再認識された。

3つ目として、特Aの薬局が算定することのできない薬学管理料が大幅に増えたことについて、薬局の機能を評価する観点からの見直しも議論されている。特Aの薬局に対しては、地域支援体制加算などの一部加算が10分の1に減算され、なおかつ、情報連携の加算についても、情報提供先が誘致医療機関の場合、服薬情報等提供料・特定薬剤管理指導加算2・吸入薬指導加算の算定ができない。こういった報酬上の厳格化が果たして薬局の報酬を考える上で適正なのかどうか、が主な論点だ。
これまでの制度を堅持すべきという声がある一方で、支払い側は厚労省の示した特A薬局の示す特徴である 『麻薬管理指導加算の算定割合の高さ』 『特定薬剤管理指導加算2の算定割合の高さ』 (2022年6月実績)に基づき、特Aを算定している薬局の中には高い専門性を発揮している薬局があることに一定の理解を示した。このことから、敷地内・外問わず、国民から求められる役割を果たしていることについては、評価検討の余地があることが示唆された。

敷地内薬局は、その誘致条件や実態について、厳しい目を向けられている。傍から見れば、患者を囲い込み、地域に根差したかかりつけ薬局に、という国の考え方からも逸脱しているように見えるだろう。ただ、上述したように敷地内薬局でも患者から選ばれている薬局はある。病院との強固な連携により、適切な薬物療法の提供に貢献している薬局もあるだろう。そうした薬局の努力は評価されるべきであり、それは敷地内・外というもので線引きされるべきではないと考える。敷地内薬局を全面的に肯定するわけではないが、薬局・薬剤師の機能と立地はかけ離して評価を検討し、それが国民に評価されているのであれば、要件の緩和も視野に入れることが自然ではないだろうか。


中医協総会(第622回)個別事項について(その3)(敷地内薬局)より一部抜粋


【2025年12月号 Vol.8 Pharmacy-Management 】