診療報酬

【続き】個室料(差額ベッド代)の減免について考える②

減免状況を可視化する
あすの監査法人 公認会計士 山岡 輝之

【病棟別やグレード別に減免状況を管理する】

表のように個室料の減免状況を管理することは大切ですが、可能であれば病棟別や病室のグレード別に管理できればより有効となります。
病棟別に減免状況を管理することは、特に減免承認フローの適正化に有効となります。病棟によっては、診療科等の特徴もあり、療養上の理由で減免を認めざるを得ないケースも考慮できるほか、減免を承認する看護部(病棟師長)の姿勢が見えてきます。個室料の請求をしっかりできている病棟もあれば、減免率が高い病棟も浮かび上がってきます。これにより、安易に減免を認めすぎていないか、その運用上の課題が見えてくることがあります。
また、グレード別で減免率を管理した場合、例えば一般個室が用意できず高額な特別個室を用意しても相当する金額を請求できていない、患者に人気がない個室の稼働が高くならないといった課題が見えてきます。

【可視化の次は個室料請求フローの見直し】

個室料の請求状況が見えてくると、その先にはやはりどうやって原則通り患者に個室料を請求すればいいのかという点に帰結します。この点については、前回の内容に重複しますが、やはり入院前の段階で患者に十分に説明し、同意書のサインを受け取ることが必要であると考えます。個室での療養が始まってから同意書にサインをもらうような流れではなかなか請求しにくいのではないでしょうか。
病院都合で請求しにくい場面は多々あると思いますが、そこは病院全体の方針として、 「個室料を利用する場合にはしっかりと患者に請求する」 。このスタンスを明確にし、個室料の徴収状況が徹底して管理されているという意識を現場に持たせることがスタートになると思います。
その上で、現場での課題については、経営会議等でしっかりと話し合い、個室料はしっかりと請求する、安易な減免は認めないという方針を打ち出していくことがまずは大切ではないかと思います。


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【2024. 10. 1 Vol.601 医業情報ダイジェスト】