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(29)デジタル化とともに

声かけを加えた優しい環境について考える
薬剤師 産業カウンセラー 荒井 なおみ
今回は私の体験から、医療機関のデジタル化と誰にでも優しい環境について考えてみます。デジタル化と言えば多くの店でセルフレジが導入されて久しい今日この頃。医療機関や薬局でもセルフレジが増えてきました。大きな病院では受付もセルフですし、セルフに対応できない患者さんは、医療機関へのアクセスが狭まってしまう時代になりました。

1.医療機関における戸惑い体験

ここで近所のクリニックを受診した私の戸惑い体験をお伝えします。今年5月に風邪を引き、長引いてあまりに治らないので耳鼻科を受診。慢性上咽頭炎という診断で、1週間ごと上咽頭へ薬を塗るため医療機関を受診することになりました。下記①③は他の方も戸惑っていましたので、難易度高めですね。

*戸惑い①
受付で初診(Web予約)である旨を告げ、保険証を提出。受付の方から 「QRコードで問診票をお願いします」 と言われる。QRコードは受付カウンターの下の方に表示されていたのですぐに見つけられず、何を言われているのか一瞬分からなかった。QRコードを発見し読み込むと問診票が出てくる。入力して送信。

*戸惑い②
会計は、診察券に印刷されているバーコードをセルフレジに読み取らせる。セルフレジは多種多様。勤務している薬局では小銭をざらざらと受け皿に入れるタイプだが、クリニックのそれは一枚ずつ入れるタイプ。絶妙な位置にある受け皿に小銭を何枚か一緒に入れたが取り込まれず。そこはお釣りが出て来るところだった。

*戸惑い③
2回目の受診時、診察券を出し座って待つ。受付に呼ばれ、 「変わりありませんか」 と聞かれたので 「変わりありません」 と答える。 「診察室の前でお待ちください」 とのことでそちらへ移動する。ああ、こういう流れなんだなとインプットした。
3回目の受診時、診察券を出し座って待つと、また受付に呼ばれる。前回と同様 「変わりありません」 と答えようと思って質問を待つと、今回は 「問診票をお願いします」 と当然のように言われる。 「初回に送信したのに」 と戸惑っていると、受付から 「スマホはお持ちですか」 と聞かれてやっと理解した。初診時と同様にQRコードを読み取り、 「受診している」 を選ぶと再診用の問診票が表れる。はい、無事送信。


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【2024.9月号 Vol.340 保険薬局情報ダイジェスト】