病院・診療所
事例に学ぶ!中断患者フォロー方法
クリニック相談コーナー
合同会社MASパートナーズ 代表社員 原 聡彦
【相談内容】
大阪府において開業12年目の内科クリニックを営む院長より「新型コロナの感染拡大が続く中、来院を中断している患者さんが増加しています。これまで中断患者への連絡などフォローはしていませんでしたが、先日、久しぶりに来院のあった糖尿病の患者さんは病態がかなり悪化していました。そこで中断患者のフォローを実施したいと考えているのですが、どのような方法が効果的か、教えてください」というご相談を頂きました。
【回 答】
コロナ禍において来院が中断している患者さんの病態が悪化するケースは増えています。また、新型コロナウイルス感染拡大により、9割以上が「クリニック経営に影響を受けた」ことが、各種団体の調査データから明らかになりました。2020年4月の患者受診数の変化について、「影響を受けた」と回答した院長のうち約半数が昨対比「患者数が2~3割減」と回答しています。2022年度の弊社の内科クライアント様ではコロナ前の来院患者数の90%前後の回復となっているクリニックが多い傾向にあります。
医療的にも経営的にも厳しい状況のなか、弊社のクライアント様で、下記のステップで来院が中断している患者さんとコミュニケーションをとり、中断患者を減少させた事例がありましたのでご紹介します。
医療的にも経営的にも厳しい状況のなか、弊社のクライアント様で、下記のステップで来院が中断している患者さんとコミュニケーションをとり、中断患者を減少させた事例がありましたのでご紹介します。
<中断患者防止のステップ>
ステップ1.中断患者をリストアップする
中断することで病態が悪化する可能性の高い糖尿病、高血圧症、COPDなど患者さんを電子カルテ、レセコンなどからリストアップします。
ステップ2. 中断患者さんへ連絡をとり不安を聞き取る
中断患者にフォローのお電話をするときには「感染対策をしっかりしていますので来院してくださいね」と伝えるのが一般的だと思いますが、あまり効果を得ることはできません。なぜかというと、対策云々ではなく、1人1人の患者さんの事情があるからです。ご自身あるいはご家族の病気やその他、色々なご事情がありますので感染対策がしっかりできているから行けるわけではないことを我々、医療提供者側が知っておくべきです。心理的なところが一番大きいので、感染対策の説明ありきで来院を促すことはお勧めしません。それではどうすればよいのか。患者さんの不安をまず聞いて、できることを提案することをお勧めしております。具体的には「この時期、いろいろとご不安もあると思いますので現況をお聞かせ頂ければと思っています(無理に来院を促さないようにします)。これまで通院し続けて頂いたのでご要望があれば来院しなくてもフォローできる方法(電話再診、長期処方、オンライン診療、訪問診療など)を提案させて頂きます」というトークで、患者さんにアプローチします。クリニックから連絡があると通常、患者さんは「クリニックに来院してください」と言われるのかな、という心理が働きます。
そこで、そうではなく、あくまで不安の状況をまずお聞かせくださいと伝えると心理的ハードルが下がり患者さんはご自身の事情を話しやすくなります。患者さん個別の事情に合わせて「クリニックができることをご提案させていただきますよ」というアプローチがコロナ禍では効果を発揮しています。
ステップ3.中断患者さんへのフォローする
ステップ2で収集した患者さんのニーズについて、院内で検討してクリニックで協力できることを再度提案して頂きたいと思います。弊社のクライアント様の事例ではどうしても来院ができない事情を抱えている患者さんには訪問診療を提案して診療を継続することを提案したり、コロナ禍が落ちついたら来院したいという患者さんには、電話再診やオンライン診療の提案をして患者さんと接点を持ち続けられるようにしています。
ステップ4.振り返り
ステップ3の実践内容を確認します。ケースによっては院長が連絡をとり、フォローすることで患者さんに安心感を与えています。患者さんにとっては院長とコミュニケーションできることが一番の安心になるようです。
このクリニックでは当初、感染対策ありきの説明でアプローチしていましたが、効果はありませんでした。そこで上記のステップ1~4のアプローチに変えたところ、中断患者の85%とつながることができ、フォローに成功しました。
新型コロナウイルス感染症も2類から5類へ法改正されることが濃厚となってきました。今のうちからクリニックの状況に合わせて中断している患者さんについてどのようにフォローをしていくか、対策をご検討頂くことをお勧めします。
【2023. 2. 15 Vol.562 医業情報ダイジェスト】
中断することで病態が悪化する可能性の高い糖尿病、高血圧症、COPDなど患者さんを電子カルテ、レセコンなどからリストアップします。
ステップ2. 中断患者さんへ連絡をとり不安を聞き取る
中断患者にフォローのお電話をするときには「感染対策をしっかりしていますので来院してくださいね」と伝えるのが一般的だと思いますが、あまり効果を得ることはできません。なぜかというと、対策云々ではなく、1人1人の患者さんの事情があるからです。ご自身あるいはご家族の病気やその他、色々なご事情がありますので感染対策がしっかりできているから行けるわけではないことを我々、医療提供者側が知っておくべきです。心理的なところが一番大きいので、感染対策の説明ありきで来院を促すことはお勧めしません。それではどうすればよいのか。患者さんの不安をまず聞いて、できることを提案することをお勧めしております。具体的には「この時期、いろいろとご不安もあると思いますので現況をお聞かせ頂ければと思っています(無理に来院を促さないようにします)。これまで通院し続けて頂いたのでご要望があれば来院しなくてもフォローできる方法(電話再診、長期処方、オンライン診療、訪問診療など)を提案させて頂きます」というトークで、患者さんにアプローチします。クリニックから連絡があると通常、患者さんは「クリニックに来院してください」と言われるのかな、という心理が働きます。
そこで、そうではなく、あくまで不安の状況をまずお聞かせくださいと伝えると心理的ハードルが下がり患者さんはご自身の事情を話しやすくなります。患者さん個別の事情に合わせて「クリニックができることをご提案させていただきますよ」というアプローチがコロナ禍では効果を発揮しています。
ステップ3.中断患者さんへのフォローする
ステップ2で収集した患者さんのニーズについて、院内で検討してクリニックで協力できることを再度提案して頂きたいと思います。弊社のクライアント様の事例ではどうしても来院ができない事情を抱えている患者さんには訪問診療を提案して診療を継続することを提案したり、コロナ禍が落ちついたら来院したいという患者さんには、電話再診やオンライン診療の提案をして患者さんと接点を持ち続けられるようにしています。
ステップ4.振り返り
ステップ3の実践内容を確認します。ケースによっては院長が連絡をとり、フォローすることで患者さんに安心感を与えています。患者さんにとっては院長とコミュニケーションできることが一番の安心になるようです。
このクリニックでは当初、感染対策ありきの説明でアプローチしていましたが、効果はありませんでした。そこで上記のステップ1~4のアプローチに変えたところ、中断患者の85%とつながることができ、フォローに成功しました。
新型コロナウイルス感染症も2類から5類へ法改正されることが濃厚となってきました。今のうちからクリニックの状況に合わせて中断している患者さんについてどのようにフォローをしていくか、対策をご検討頂くことをお勧めします。
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「疑義解釈資料の送付について(その30)」を追加しました
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