保険薬局
(19)学会に参加しよう
『学会』や『研修会』は必要か
薬剤師 産業カウンセラー 荒井 なおみ
先日、第56回日本薬剤師会学術大会へ出席する機会を得ました。新型コロナウイルス感染症の影響が長らくありましたので、久し振りの現地参加です。学会での2日間、たくさんの刺激をもらいました。
1. 分科会4「薬局における医薬品の適正使用と事故防止対策」
分科会4では、演者の一人として「人に焦点を当てた調剤ミスを考える」というテーマで話させていただきました。他3名の演者の先生方がおられ、それぞれのお立場からの貴重なお話を伺うことができました。印象深く感じた点を紹介いたします。
* 兵庫県薬剤師会専務理事/吉田太郎さん:「患者メリットの最大化につながる薬剤師連携」
→ トレーシングレポートに記載する内容において、自分が伝えたい情報と相手が欲しい情報にギャップがある、というお話がありました。相手のニーズに合わせた情報提供を行うことが大切です。もちろん、相手の関心によらず伝えなくてはならないこともあります。しかし、耳を傾けてもらえなければ元も子もありません。伝え方を工夫し相手に届く情報にしなければと思いました。
* 日本病院薬剤師会副会長・虎ノ門病院薬剤部薬事専門役/林昌洋さん:「重篤副作用疾患回避マニュアルの利活用」
→ 重篤な副作用で被害救済制度を利用される方が増えている、それは重篤な副作用が起きているということだ、というお話でした。稀な副作用であっても当たってしまった人にとっては10 0%、とも仰っていました。重篤な副作用に繋がる兆候をモニタリングする際に、起こっていないことを確認することの大切さを学びました。日頃から読み物のようにマニュアルに親しむ機会があるといい
ですね。
* PMDA安全性情報・企画管理部長/大澤智子さん:「適切なリスク管理に向けたPMDAの取り組みについて」
→ 市販後の薬は、使う患者さんが増えるとともに背景も増大し未知の副作用が出てくるというお話を伺って、薬の専門家である薬剤師の使命を教えられました。比較的新しい薬は中長期的な影響を含めて未知の部分がたくさんあります。副作用の情報を患者さんから収集し、早期発見早期対応しなければなりません。また発生した副作用報告をあげていくことで、広く収集された情報が医療界にフィードバックされ活用されます。PMDAには「副作用・不具合等・副反応疑い」を報告する「報告受付サイト」があります。
* 兵庫県薬剤師会専務理事/吉田太郎さん:「患者メリットの最大化につながる薬剤師連携」
→ トレーシングレポートに記載する内容において、自分が伝えたい情報と相手が欲しい情報にギャップがある、というお話がありました。相手のニーズに合わせた情報提供を行うことが大切です。もちろん、相手の関心によらず伝えなくてはならないこともあります。しかし、耳を傾けてもらえなければ元も子もありません。伝え方を工夫し相手に届く情報にしなければと思いました。
* 日本病院薬剤師会副会長・虎ノ門病院薬剤部薬事専門役/林昌洋さん:「重篤副作用疾患回避マニュアルの利活用」
→ 重篤な副作用で被害救済制度を利用される方が増えている、それは重篤な副作用が起きているということだ、というお話でした。稀な副作用であっても当たってしまった人にとっては10 0%、とも仰っていました。重篤な副作用に繋がる兆候をモニタリングする際に、起こっていないことを確認することの大切さを学びました。日頃から読み物のようにマニュアルに親しむ機会があるといい
ですね。
* PMDA安全性情報・企画管理部長/大澤智子さん:「適切なリスク管理に向けたPMDAの取り組みについて」
→ 市販後の薬は、使う患者さんが増えるとともに背景も増大し未知の副作用が出てくるというお話を伺って、薬の専門家である薬剤師の使命を教えられました。比較的新しい薬は中長期的な影響を含めて未知の部分がたくさんあります。副作用の情報を患者さんから収集し、早期発見早期対応しなければなりません。また発生した副作用報告をあげていくことで、広く収集された情報が医療界にフィードバックされ活用されます。PMDAには「副作用・不具合等・副反応疑い」を報告する「報告受付サイト」があります。
2. 分科会15「やがて来る南海トラフ巨大地震に備えて~薬剤師が果たすべき役割~」
学会2日目は、和歌山城ホールで開催された分科会15に参加しました。なぜこの分科会を選んだのかと言いますと、地震大国と言われる日本において「南海トラフ地震」が発生する確率は高く、発生した場合には甚大な被害になるというニュースを聞いたことがあったからです。それだけの理由でしたが、学術大会で取り上げる話題なのですから勉強にならないはずはないと思い参加してみました。
5名の先生方が講演をなさいましたが、殆どの先生から「災害薬事コーディネーター」のお話があったことがとても印象的でした。「災害薬事コーディネーター」制度は、都道府県によって定められており、各都道府県によって異なる点があるようです。そこで今回は、どのような役割を担っているかについて静岡県薬剤師会のHPから紹介します。令和4年4月1日現在、静岡県薬剤師会会員162名の方々が静岡県知事から静岡県災害薬事コーディネーターの委嘱を受けているそうです。
<静岡県災害薬事コーディネーターの役割>
5名の先生方が講演をなさいましたが、殆どの先生から「災害薬事コーディネーター」のお話があったことがとても印象的でした。「災害薬事コーディネーター」制度は、都道府県によって定められており、各都道府県によって異なる点があるようです。そこで今回は、どのような役割を担っているかについて静岡県薬剤師会のHPから紹介します。令和4年4月1日現在、静岡県薬剤師会会員162名の方々が静岡県知事から静岡県災害薬事コーディネーターの委嘱を受けているそうです。
<静岡県災害薬事コーディネーターの役割>
- 災害時の医療救護活動に必要な医薬品、医療材料の確保・供給及び薬剤師の確保・派遣に関する県又は市町の業務を補完、実施する。
- 災害時に、県本部や地域等で支援を効率的かつ効果的に受入れるための受援体制の整備や薬剤師及び医薬品に関する需要の把握と配置調整を行う。
私たちは日々の業務を通じて地域の方々の健康を支えています。それだけではなく、災害時に「災害薬事コーディネーター」という役割を通して、薬剤師としての職能を発揮することができますね。
3.『学会』や『研修会』は必要か
日常業務だけでも忙しいのに、学会や研修会に出席しなければならないのでしょうか。職場においては教育研修を必須のものとして考え、どのような形であれば実現可能かを検討してください。外部研修を積極的に活用することでたくさんの気付きを得ることができます。
- インプットなくしてアウトプットなし→ 専門職として、絶えずアップデートすることを求められています。インプットしアウトプットしましょう。
- 気付きを得るには外に出るべし→ 外に出て新しい空気に触れましょう。知らないことがいっぱいあります。
- 投資を惜しまない→ 投資をしなければ回収はできません。蒔かないところから刈り取ることはできません。
今回は学会に参加することの楽しさをお伝えしました。ご参考になれば幸いです。
【2023.11月号 Vol.330 保険薬局情報ダイジェスト】
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