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「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第6.0版」運用について
請求業務のポイント解説
株式会社ウォームハーツ 古矢 麻由2023年5月31日に「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン第6.0版」が発出されました。電子カルテを取り扱う医療機関は、電子カルテの運用規程の策定が必要です。
本稿では電子カルテの運用規程作成時に用いる厚生労働省発出の「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン第6.0版」及び運用について解説いたします。
Q1: 「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン第6.0版」について、5. 2版からの改定の概要や診療所に関わる留意点を教えて下さい。
A1:改定の概要を抜粋しました。診療所に関わる留意点は以下Pointをご参照下さい。
【全体構成の見直し 4 編に再構成】
① 概説編
本稿では電子カルテの運用規程作成時に用いる厚生労働省発出の「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン第6.0版」及び運用について解説いたします。
Q1: 「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン第6.0版」について、5. 2版からの改定の概要や診療所に関わる留意点を教えて下さい。
A1:改定の概要を抜粋しました。診療所に関わる留意点は以下Pointをご参照下さい。
【全体構成の見直し 4 編に再構成】
① 概説編
- ガイドラインの目的
- 対象とする情報・文書・システム
- 関連する法令等の規程との関係や経緯
- 各編の位置付けと目次構成、概要 等
② 経営管理編(意思決定・方針策定・戦略立案)
- 取り扱う情報の重要性と関連法規
- 情報資産管理や情報システム運用に伴い生じる責任・責務
- 情報システムの有用性と安全管理 等
③ 企画管理編(企画管理・システム運営)
- 情報資産管理体制と責任分界
- リスクアセスメントと対策
- 情報の種類に応じた管理・監査
- 非常時の対応と非常時への対策 等
④ システム運用編(管理方法・運用手段)
- 個人情報保護法、e- 文書法、電子署名法等により求められる技術
- システム利用者、クライアント側/ サーバ/ インフラ領域等それぞれで活用する安全管理対策・措置技術 等
「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン第6.0版」h t t p s : // w w w . m h l w . g o . j p /s t f /s h i n g i /0 0 0 0 5 16 2 7 5 _ 0 0 0 0 6 . h t m l
●Point: 診療所に運用規程書は必要
電子カルテを取り扱う診療所は運用規程書の作成が必要です。第5.2版では、小規模病院、診療所の対応が付表※1で示されていました。ガイドラインの参照すべき項目基準は、第6.0版では規模に関係なく、専任のシステム運用担当者の有無やクラウドサービスのみの使用であるか否かとなりました。
[特集]小規模医療機関等向けガイダンス第6.0版 001102587.pdf (mhlw.go.jp)では安全管理ガイドラインの留意点が示されています。
※1 h t t p s : // w w w . m h l w . g o . j p /c o n t e n t / 1 0 8 0 8 0 0 0 / 0 0 0 9 2 3 6 2 8 . p d f
●Point: 運用規程書の作成留意点
電子保存における運用管理
医師法における診療録の電子媒体による保存は、見読性・真正性・保存性の確保(「民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律等の施行等について」(平成17年3月31日付け医政発第0331009号・薬食発第0331020号・保発第0331005号厚生労働省医政局長・医薬食品局長・保険局長連名通知。平成28年3月31日最終改正)を満たす必要があり、以下が必要項目例とされています。
【運用規程書の必要項目例】
●Point: 診療所に運用規程書は必要
電子カルテを取り扱う診療所は運用規程書の作成が必要です。第5.2版では、小規模病院、診療所の対応が付表※1で示されていました。ガイドラインの参照すべき項目基準は、第6.0版では規模に関係なく、専任のシステム運用担当者の有無やクラウドサービスのみの使用であるか否かとなりました。
[特集]小規模医療機関等向けガイダンス第6.0版 001102587.pdf (mhlw.go.jp)では安全管理ガイドラインの留意点が示されています。
※1 h t t p s : // w w w . m h l w . g o . j p /c o n t e n t / 1 0 8 0 8 0 0 0 / 0 0 0 9 2 3 6 2 8 . p d f
●Point: 運用規程書の作成留意点
電子保存における運用管理
医師法における診療録の電子媒体による保存は、見読性・真正性・保存性の確保(「民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律等の施行等について」(平成17年3月31日付け医政発第0331009号・薬食発第0331020号・保発第0331005号厚生労働省医政局長・医薬食品局長・保険局長連名通知。平成28年3月31日最終改正)を満たす必要があり、以下が必要項目例とされています。
【運用規程書の必要項目例】
- 電子保存システムにおいて保存されている情報の確定者
- 対象とする情報システムの作成データの「確定」の定義(確定の状況が明らかな場合は、「確定」操作は、なし)
- システム管理者が、システム構成やソフトウェアの動作状況に関する内部監査を定期的に実施すること
- システム管理者は定期的に情報の所在確認を行う事
- 見読化手段の維持、管理(例えば、モニタ・プリンタの管理やネットワークの管理)
- システム管理者は、応答時間の劣化がないよう維持と対策を行う事
- システム障害時に備えた機器・システムの維持体制とデータのバックアップを適切に確認する事
- ソフトウェア・機器・媒体の保存場所、環境、入退出の管理
- 不適切な保管・取扱いによる情報の滅失、破壊の防止策
- 記録媒体、設備の劣化による読み取り不能又は不完全な読み取りの防止策
- 媒体・機器・ソフトウェアの不整合による復元不能の防止策
- システムの改修や更新のデータ互換性の確保策
- システム管理者は、スキャナ読み取りの対象文書の規程の運用を確認すること
- スキャナ読み取りの対象文書ごとに、情報作成管理者、作業責任者、スキャン精度、電子証明・タイムスタンプ、スキャン後の原本の取扱い等明記(責任者が異なる場合は明確にする)
- スキャンするタイミングの規程 ※2 情報を作成又は入手してから原則は1日以内。ただし、深夜来院で、翌日が休診の場合等は営業日として1日以内。運用管理規程で長くとも1~2日で定める。
電子保存以外における運用管理規程書の項目の一例としては、理念(情報システムの安全管理に関する方針及び規程の目的)や管理体制(院長が運用責任者、個人情報保護責任者とシステム管理者を兼ねる場合、その旨の明記)が必要とされています。
【2023. 7. 15 Vol.572 医業情報ダイジェスト】
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