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【続き】同時改定で老健との連携はスムーズになるか

入院患者の高齢化と病床高回転化は相性が悪い
株式会社メディチュア  代表取締役 渡辺 優

■24年度同時改定で老健との連携は改善するのか

そのような連携上の課題感の強い病院と老健の関係性であるが、24年度診療報酬改定において、地域包括ケア病床の在宅復帰率の計算式が変更される。具体的には、在宅復帰率の分子に、在宅強化型(超強化型を含む)の老健への退院患者の数の半数を加えることになった。また、新設される地域包括医療病棟も同様に老健の退院が一部認められる。

今回の改定を受けて、地ケアや地域包括医療病棟を持つ施設では、老健との関係性を深めるのであれば在宅強化型の老健を優先したいと考える可能性が高い。在宅復帰・在宅療養支援機能加算の種類別に平均在所日数の分布を見ると、加算(Ⅱ)を届け出ている施設は明らかに平均在所日数が短い=グラフ1=。さらに入所定員に対する待機者数の割合を比較すると、加算(Ⅱ)の施設は少ない=グラフ2=。老健においても超強化型は、在所日数が短く、待機者数も少なく、明確に高回転化が進んでいると言える。

グラフ1 老健の平均在所日数分布(在宅復帰・在宅療養支援機能加算の種類別)





厚生労働省 介護サービス情報公表システム(2024年5月23日確認)を基に作成

グラフ2 老健の平均入所定員数に対する平均待機者数の比率

厚生労働省 介護サービス情報公表システム(2024年5月23日確認)を基に作成

24年度の介護報酬改定において、老健での医療機関からの患者受け入れ促進として、初期加算の見直しが行われた。新設される加算(Ⅰ)では、老健の空床情報について、地域医療情報連携ネットワーク等を通じた定期的な情報共有や、老健のウェブサイトへの公表、急性期病院の入退院支援部門との情報共有などが要件化された。

これまでの連携しづらい「老健」が同時改定によって制度が変わる。地域における連携強化を模索するには、病院と老健、双方の歩み寄りが重要になるだろう。


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【2024. 6. 15 Vol.594 医業情報ダイジェスト】