病院・診療所
残業の多い職員への対策
クリニック相談コーナー
合同会社MASパートナーズ 代表社員 原 聡彦
【相談内容】
近畿地方で開業3年目の整形外科クリニックの院長より「当院ではできるだけ効率的な仕事を行い、職員の残業時間が少なくなるような取り組みを行っていますが、一部の職員がこの取り組みに反し、院長の許可を受けず必要のない残業を行っているようです。このように職員が個人の判断で行った残業に対しては、残業代を支払わなくてよい方法をお教えください」という労務に関するご相談をお
受けしました。
受けしました。
【回 答】
労働時間として取り扱う時間は、明示または黙示により「労働者が使用者の指揮命令の下に置かれている時間」であるとされます。現状では、職員が個人判断で行ったものであっても、管理者である院長からの黙示の指示があったと主張がされ、残業代の支払いが求められる可能性がありますので、今後は残業の申請・許可制を徹底し、許可を受けない残業は認めないようルールを定めることをお勧め致します。
ポイント1:労働時間の定義とは?
まず押さえておかなければならないのは、労働時間の定義です。労働時間とは、一般的には現に労働している実労働時間のことを指しますが、行政解釈では「労働者が使用者の指揮命令の下に置かれている時間」とされており、労働時間か否かを判断する際は就業規則や労働契約に定められた労働時間だけではなく、その実態等も含めて考えることになります。
ご相談先の雇用契約書を拝見すると「労働時間=診療時間」となっている雇用契約書が多くお見受けしますので実態にあわせた労働時間を設定して頂くことをお勧め致します。
ご相談先の雇用契約書を拝見すると「労働時間=診療時間」となっている雇用契約書が多くお見受けしますので実態にあわせた労働時間を設定して頂くことをお勧め致します。
ポイント2:残業のルールを明確にする
クリニックで残業時間を少なくするような取り組みを行っているにも関わらず、職員が個人の判断で必要のない残業を行ったような場合、その時間を労働時間とカウントしないことを事業主側と労働者側がお互い合意する仕組みが必要です。私どものコンサルタントは、クライアントの職員が「残業が必要だ」と判断したときには、事前にクリニックの許可を受けなければならないという申請・許可制のルールを設けることをお勧めしております。残業を許可制にすることで、残業についてクリニックの管理者である院長が指示をし、指揮命令の下にあることを明確にし、許可を受けていない残業時間は労働時間にはならないことを明らかにするのです。
また、黙示による指示があったとの主張を避けるためにも、ルールを設けたときには運用を徹底することが重要となります。クリニックで届出様式を整えて様式の提出要領などルールを徹底して頂くことをお勧め致します。時間外・休日勤務届の様式を下記に示しておきますのでクリニックに合う様式にアレンジしてください。

また、黙示による指示があったとの主張を避けるためにも、ルールを設けたときには運用を徹底することが重要となります。クリニックで届出様式を整えて様式の提出要領などルールを徹底して頂くことをお勧め致します。時間外・休日勤務届の様式を下記に示しておきますのでクリニックに合う様式にアレンジしてください。

ポイント3:労働時間管理
労働時間管理という言葉をよく耳にしますが、これは労働時間を把握するという意味だけではありません。仕事に対して緊急性や重要性から優先順位をつけ、効率的な作業方法を考え、限られた労働時間の中でいかに効果的に業務を進めるかを考えることが労働時間管理の本質です。
現実の職場をみると、残業代をあてにしたような必要のない残業がみられることもあるかもしれません。効率的に仕事を行うことで残業時間が減少すると、結果的には職員自らの収入も減少してしまうことは間違いのない事実ですので、残業時間の削減を進める際には、クリニックの考えを職員と共有するとともに、十分なコミュニケーションを取り、理解を得ながら進めることが重要ですし、賞与で分配するシステム、退職金のポイントにするなど、残業代に代わる金銭面で職員へ報いる仕組みを社会保険労務士や人事コンサルタントなどとともに検討して頂き、クリニックに合うシステムを構築して頂くことをお勧め致します。
【2024. 1. 1 Vol.583 医業情報ダイジェスト】
現実の職場をみると、残業代をあてにしたような必要のない残業がみられることもあるかもしれません。効率的に仕事を行うことで残業時間が減少すると、結果的には職員自らの収入も減少してしまうことは間違いのない事実ですので、残業時間の削減を進める際には、クリニックの考えを職員と共有するとともに、十分なコミュニケーションを取り、理解を得ながら進めることが重要ですし、賞与で分配するシステム、退職金のポイントにするなど、残業代に代わる金銭面で職員へ報いる仕組みを社会保険労務士や人事コンサルタントなどとともに検討して頂き、クリニックに合うシステムを構築して頂くことをお勧め致します。
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「疑義解釈資料の送付について(その30)」を追加しました
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2026-01-26【セミナーのご案内】2026年度診療報酬改定を踏まえたリハビリ機能強化による病院の経営戦略
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