診療所

【続き】しくじり体験記から学ぶ院内マネージメント②

ミーティングと個別面談の活用
合同会社MASパートナーズ 代表社員 原 聡彦

〇ミーティングと個別面談の活用

・ミーティング
ミーティングについては、それまでは定期的な連絡のみになっていました。コンサルタントからミーティングの定義を明確にするよう指導されたので、当院のミーティングの定義を下記のように決めました。

<当院のミーティングの定義>
A整形外科クリニックのスタッフとして共通の価値感を共有することと共通の議題に対して意見を出し合うことで組織の方向やルールを決めること

共通の価値感の部分では、規律の確認の機会を設けました。これぐらいはいいだろうという小さな違反を放置していたことが職場風土を乱していたので、コンサルタントの力も借りて規律が乱れないよう、ミーティングで必ず規律の乱れの有無をチェックするようにしました。

・個別面談
個人としっかり向き合う個別面談を年3回(年2回の賞与時と昇給時)実施することにしました。当院の個別面談は「立ち止まって一緒に考えること」と定義して、「知る(受けとめる)→整理する→支援する」という手順で行っています。

具体的には下記のような手順で実施しています。
  1. アイスブレイク(安心安全でポジティブな場作り)
  2. 振り返り、フィードバック(院長の期待とのギャップを伝える)
  3. 次回面談までの課題について合意を取り交わす
  4. 最初の一歩と、医院して協力できることは何か?
会話はよくキャッチボールにたとえられますが、院長とスタッフの会話では院長が一方的に投げて終わりとなってしまうケースが散見されます。上記のような面談の型をもつことで、スタッフ全員に期待していることや課題をフィードバックできるようになりました。

一度、クリニックを閉院しようかと思ったぐらい悩みましたが、コンサルタントや外部ブレーンにも協力してもらってこれまでのマネージメントを変革した結果、今ではスタッフと関わるマネージメントの仕事も楽しくなってきました。クリニックを経営する上でマネージメントから逃げることはできません。何よりも私が少しずつ経営者としての行動ができている手応えを感じています。今後もスタッフと向き合っていきたいと思います。

以上、A院長のしくじり体験記から学ぶ院内マネージメントでした。ご参考にして頂ければ幸いです。


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【2024. 5. 1 Vol.591 医業情報ダイジェスト】