保険薬局

【続き】採用を成功させるための3つの心得

人材紹介会社が教える採用のコツ
株式会社ウィーク シニアコンサルタント 長谷川 周重

3.採用のグッドサイクルを目指す

採用を行う理由は、退職に伴う欠員補充か増員のどちらかだ。採用が悪循環になるのは、入職1年以内の早期退職に陥っている欠員補充のケースが多い。こうなってしまうと常に採用費用がかかり、店舗が安定しない。
短期で退職させないことがグッドサイクルへの一歩となる。
退職を防ぐには、スタッフが働く環境や待遇を整える必要がある。採用を成功させるためのヒントはここだ。採用しても、ところてんのように退職してしまうのでは、採用する意味がない。「蛇口を締めてから採用せよ」が鉄則である。

また、成長期における採用は既存スタッフへの日常ケアがとても重要である。例えば、売上を増加させるために在宅や施設対応を増やしたばかりに、スタッフの負担が大きくなり、残業が増加してしまうことがある。そうすると心に余裕が持てなくなり、ストレスが増えて退職を選択してしまう。仕事は増えているのに人が増えず、悪循環のきっかけとなる。成長しているときこそ、いつもよりスタッフを大事にすると良い。

そして、グッドサイクルを作る起爆剤は、2でも述べたように「良い人」が1人でも存在することだ。それは、経営者自らであっても構わない。できれば、店舗のトップ、もしくはベテランに1人信頼のおける薬剤師がいるかどうかが大切だ。成長している企業は、「良い人」=キーマン作りができている。日ごろのコミュニケーションや、育成・研修を通じて育てていく活動が重要である。

●まとめ

薬剤師の採用は、今後もますます厳しくなっていく。
競争に勝つには、独自性をどれだけ発信できるかに尽きる。独自性とは、自社の強みであり、拘っていることである。そして、その独自性を発信するために、従業員や紹介会社等を巻き込み、ファンを増やしていくことが大事だ。たった一言、「私たちと一緒に働きましょう!」「〇〇は良い会社だよ」と言える仲間が1人でも増えることが、成功の近道だ。

最後に、変数の多い採用サイクルを図式化してまとめた。退職の他に増員というサイクルに入ると、会社の成長に繋がる。グッドサイクルのサインだ。




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【2024.6月号 Vol.337 保険薬局情報ダイジェスト】