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ありたい組織づくりを行うための勉強方法の考察

組織づくりは人づくり
株式会社メディフローラ 代表取締役 上村 久子
6月末に適時調査実施要項が更新されましたが、新しい制度に沿った業務内容は浸透しつつありますか?
診療報酬のように制度が変わることに対応する業務改善は、制度理解など知識や技術といった具体的な勉強会が行われます。一方、ありたい組織を目指すための勉強会は 「こうすれば必ず良い組織を作ることが出来ます」 という明確な正解がないため、同じ勉強会であってもその手法は異なるはずです。今回は講師を務める筆者が 「勉強会」 のあり方を見直すきっかけとなった2つのクリニックのお話をご紹介いたします。

ケース:

日本の中心にある県で開業されている2つのクリニック、A医院とB医院のお話です。医療圏は少し離れていますが、どちらも同じような規模のクリニックです。この2つのクリニックではより魅力ある組織を作るために 「ありたい組織を目指す」 勉強会を実施することになりました。同時期に始まった勉強会でしたが、次第にこの2つのクリニックの違いが出てきたのでした。

A医院は院長先生はじめ、勉強会が大好き! 「組織づくり」 や 「人づくり」 に関する院外の勉強会にも広く参加し、院内で 「こんなことを学んできた」 という報告会が頻回に行われていました。リーダー研修など階層別の研修も実施し、目標管理制度を導入しています。

B医院では勉強会を積極的に行ってきていません。院長先生は院外の勉強会に少し参加していましたが、スタッフレベルは皆無。A医院のように階層別の研修も目標管理制度も導入されていませんでした。

A医院では筆者の勉強会終了後、院内でフォローアップの勉強会を院長先生がリーダーシップを取り行っていました。フォローアップでは 「どんなことを学んだのか」  「具体的にどう仕事に活かしていくのか」 を発表し合っていたそうです。
「具体的に何を学びどう活かしていくのか言葉にしないと、勉強会の意味がない」 という、A院長先生の強い思いから行われていたのでした。

B医院ではこのような勉強会自体が初めてだったため、まずは勉強会に慣れていくことからスタートしました。そのためフォローアップの会を設ける等について筆者から提案することはなく、その代わりに勉強会終了後のお昼休みに 「勉強会どうだった?」 とざっくばらんにお話してもらうことを筆者とB医院の皆さまとの約束事としました。


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【2024. 8. 15 Vol.598 医業情報ダイジェスト】