保険薬局
期中の診療報酬改定実施に向けて
長期収載品の選定療養化や医薬品供給不安に伴う服薬指導の評価の見直し
たんぽぽ薬局株式会社 薬剤師 緒方孝行
令和6年12月の中医協総会にて、 「長期収載品の選定療養化や医薬品供給不安に伴う服薬指導の評価の見直し」 が議論され、特定薬剤管理指導加算3-ロ(5点)の評価の見直しが実施され、5点から10点へ増点されることが議論された。結論としては、現在の医薬品流通状況、薬局現場での業務負担を鑑みて、この評価の見直しは了承された。期中改定の施行日は2025年度予算編成過程を経て決定される見通しである。とはいえ、早期に実施されない限り、その効力は限定的なものになると言わざるを得ない。
こういった議論に至った背景には、やはり薬局現場での対応の煩雑さや今なお続く医薬品流通の不安定さが挙げられるだろう。医薬品流通に目を向けると、2024年11月においても合計19%(3,182品目)の品目が限定出荷・供給停止とされており、処方箋に記載のある医薬品の取り揃え・変更・在庫管理など、現場の薬剤師は日々苦心していると考えられる。
また問題なく処方箋対応ができているように見える薬局でも、実は在庫状況を日々主応需医療機関に伝え、スムーズに調剤が行えるように普段行わない部分での連携を余儀なくされているケースもあると聞く。実はそういった部分は報酬の中では評価されておらず、患者に確実に医薬品を供給できるようにと薬局が努力している部分なのである。ただこうした連携を強化しても本来不要な疑義照会が完全になくなることはなく、疑義照会に費やす時間や労力、患者への説明など流通不安がもたらす薬局への労務負担は非常に大きいと考えられる。またごく一部だが、処方変更ができない場合もあり、チェーン薬局であれば、各支店から在庫をかき集めて対応するケースも稀ではない。
薬局現場での対応の煩雑さについては、色々と実態把握調査が行われており、患者への説明などに対して負担に感じている管理薬剤師はおよそ9割にのぼることが調査結果として示された。実際に筆者も現場で患者に説明した際には様々なケースがあった。 「後発品で何かあったら責任が取れるのか」 「なぜ勝手にそんな制度になっているんだ?薬局が儲けようとしているだけだろう」 といった声も一部あり、そういった患者への説明にはかなりの時間を費やしていたように感じるし、こちらの心労といった点では今までの業務の比にならない。また特別な料金の追加について理解を得られるばかりではなく、抜け道を探す患者が多くいるように感じた。医師の了承があればいいんだということを既に情報として取得している患者は、 「医師へ了承を取ってくれ」 という無理難題をつきつけてくる場合もあるのである。またオーソライズドジェネリックを知っている患者は、オーソライズドジェネリックなら変更可能というケースがあったり、選定療養対象のものだけを後発医薬品へ変更してくれというケースもあったりと、処方入力業務の段階でかなりの負担が生じているケースもあると聞く。医療機関に対して情報提供を行う薬局もあり、制度について医療機関と相互の認識を擦り合わせし、対応について予め取り決めを行うような薬局もある。このような薬局と医療機関の連携によって、スムーズな処方箋対応が実施されていることを改めて理解する必要があると感じる。
こうした実態を理解した上で現行制度をみれば、現行の加算点数(5点)は労力に見合わないと感じることは自然な流れであり、今回の期中改定で議論されたことは非常に喜ばしいことだと思われる。ただ、薬局としても再度患者の意向を確認する契機となり、後発医薬品の使用率が上がったという声もあるほか、患者とコミュニケーションを取れたことでかかりつけ薬剤師となれたという事例もあるため、好事例を元に今後も引き続き、薬局からの患者へ丁寧な説明を実施していくことが求めれられている。
国の制度とは言え、今まで自費扱いされていなかった部分への負担を強いることは、昨今の物価高騰も相まって非常に理解を得難い部分である。マイナ保険証への移行など、国民への理解が得られていない制度の導入もあり、患者から否定的な目を向けられることも少なくない。そのため、より親身になって丁寧な説明を行い、患者に理解を求めていくような対応が必須となってくる。今回は期中改定ということで評価の見直しがされ、加算の増点が実施される見通しだが、そういった制度の変更に一喜一憂することなく、かかりつけ患者を増やすことや地域の頼れる薬局になることに邁進することが必要だろう。

【2025.2月号 Vol.345 保険薬局情報ダイジェスト】
こういった議論に至った背景には、やはり薬局現場での対応の煩雑さや今なお続く医薬品流通の不安定さが挙げられるだろう。医薬品流通に目を向けると、2024年11月においても合計19%(3,182品目)の品目が限定出荷・供給停止とされており、処方箋に記載のある医薬品の取り揃え・変更・在庫管理など、現場の薬剤師は日々苦心していると考えられる。
また問題なく処方箋対応ができているように見える薬局でも、実は在庫状況を日々主応需医療機関に伝え、スムーズに調剤が行えるように普段行わない部分での連携を余儀なくされているケースもあると聞く。実はそういった部分は報酬の中では評価されておらず、患者に確実に医薬品を供給できるようにと薬局が努力している部分なのである。ただこうした連携を強化しても本来不要な疑義照会が完全になくなることはなく、疑義照会に費やす時間や労力、患者への説明など流通不安がもたらす薬局への労務負担は非常に大きいと考えられる。またごく一部だが、処方変更ができない場合もあり、チェーン薬局であれば、各支店から在庫をかき集めて対応するケースも稀ではない。
薬局現場での対応の煩雑さについては、色々と実態把握調査が行われており、患者への説明などに対して負担に感じている管理薬剤師はおよそ9割にのぼることが調査結果として示された。実際に筆者も現場で患者に説明した際には様々なケースがあった。 「後発品で何かあったら責任が取れるのか」 「なぜ勝手にそんな制度になっているんだ?薬局が儲けようとしているだけだろう」 といった声も一部あり、そういった患者への説明にはかなりの時間を費やしていたように感じるし、こちらの心労といった点では今までの業務の比にならない。また特別な料金の追加について理解を得られるばかりではなく、抜け道を探す患者が多くいるように感じた。医師の了承があればいいんだということを既に情報として取得している患者は、 「医師へ了承を取ってくれ」 という無理難題をつきつけてくる場合もあるのである。またオーソライズドジェネリックを知っている患者は、オーソライズドジェネリックなら変更可能というケースがあったり、選定療養対象のものだけを後発医薬品へ変更してくれというケースもあったりと、処方入力業務の段階でかなりの負担が生じているケースもあると聞く。医療機関に対して情報提供を行う薬局もあり、制度について医療機関と相互の認識を擦り合わせし、対応について予め取り決めを行うような薬局もある。このような薬局と医療機関の連携によって、スムーズな処方箋対応が実施されていることを改めて理解する必要があると感じる。
こうした実態を理解した上で現行制度をみれば、現行の加算点数(5点)は労力に見合わないと感じることは自然な流れであり、今回の期中改定で議論されたことは非常に喜ばしいことだと思われる。ただ、薬局としても再度患者の意向を確認する契機となり、後発医薬品の使用率が上がったという声もあるほか、患者とコミュニケーションを取れたことでかかりつけ薬剤師となれたという事例もあるため、好事例を元に今後も引き続き、薬局からの患者へ丁寧な説明を実施していくことが求めれられている。
国の制度とは言え、今まで自費扱いされていなかった部分への負担を強いることは、昨今の物価高騰も相まって非常に理解を得難い部分である。マイナ保険証への移行など、国民への理解が得られていない制度の導入もあり、患者から否定的な目を向けられることも少なくない。そのため、より親身になって丁寧な説明を行い、患者に理解を求めていくような対応が必須となってくる。今回は期中改定ということで評価の見直しがされ、加算の増点が実施される見通しだが、そういった制度の変更に一喜一憂することなく、かかりつけ患者を増やすことや地域の頼れる薬局になることに邁進することが必要だろう。

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