病院・診療所
新人教育の成功法則 ~教え上手・教わり上手で新人スタッフが育つ職場に変える~
クリニック相談コーナー
合同会社MASパートナーズ 代表社員 原 聡彦
【相談内容】
近畿地方の開業15年の整形外科クリニックの院長から 「今春、新卒の受付・事務スタッフ2名を採用しました。専門学校卒業の新卒で、社会人教育を含めた研修が必要と考えていますが、これまで当院では新人スタッフの教育を先輩スタッフの裁量で行い、OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)方式を取っていました。そのため、教える先輩スタッフの能力に依存してしまい、新人スタッフの業務習得にバラツキがありました。また、先輩スタッフの指導により、試用期間中に退職を申し出る新人もおり、新人の定着率も低い状況です。そこで、社会人教育も含めた新人研修の方法をアドバイスいただけますか?」 というご相談を頂きました。
【回 答】
このようなご相談を院長や院長夫人から受けることが増えており、私が常にお伝えしているのは、 「まずは新人自身が教わり上手になることが大切」 という点です。多くのクリニックを見てきたなかで、新人スタッフが早期に戦力化しているクリニックは、例外なく 「先輩は教え上手」 「新人は教わり上手」 に育てられています。今回は、新人スタッフが教わり上手になるための具体策をご紹介します。
1.先輩スタッフから正しい仕事の進め方を伝える
まず、先輩スタッフが新卒者に伝えるべき基本的な社会人としての仕事の進め方をご紹介します。これらは、私たちがクライアントに伝えているオリエンテーションの内容です。
■指示の受け方
「呼ばれたらすぐに 『ハイ』 と返事をし、指示した人のほうを向く」
「最後に指示内容を復唱し、確認する」
■報告連絡相談
「結論から先に述べる」
「ミスをしたらすぐに報告し、悪いニュースこそいち早く伝える」
■注意の受け方
「まず 『申し訳ございませんでした』 と伝える」
「ふてくされない、泣かない。自分の失敗を認める」
さらに、院長が考える 「常識」 と、新卒者が持つ 「常識」 には認識のギャップがあることが多いため、クリニック内の 「常識」 を明確に定義し、繰り返し説明することが重要です。
■指示の受け方
「呼ばれたらすぐに 『ハイ』 と返事をし、指示した人のほうを向く」
「最後に指示内容を復唱し、確認する」
■報告連絡相談
「結論から先に述べる」
「ミスをしたらすぐに報告し、悪いニュースこそいち早く伝える」
■注意の受け方
「まず 『申し訳ございませんでした』 と伝える」
「ふてくされない、泣かない。自分の失敗を認める」
さらに、院長が考える 「常識」 と、新卒者が持つ 「常識」 には認識のギャップがあることが多いため、クリニック内の 「常識」 を明確に定義し、繰り返し説明することが重要です。
2. 新人スタッフに教わり上手になるための行動を伝える
次に、新人スタッフが教わり上手になるために実践すべきことを、実際のクライアントの事例を交えてご紹介します。
■挨拶と感謝の言葉を先手必勝で伝える
挨拶は 「先手必勝」 です。新人スタッフは、先輩より先に挨拶をするように指導しましょう。また、 「おはようございます」 「お先に失礼します」 だけではなく、 「よろしくお願いします」 「今日もありがとうございました」 など、感謝の言葉を積極的に伝えることが大切です。
■注意や指導を受けたらすぐに行動に移す
例えば、新患登録の操作を習った後、すぐに 「やってみてもよいですか?」 と意欲を示して実行に移すことが大事です。この行動は先輩スタッフから見て、教え甲斐のある新人となり、仕事の習熟度を 「見える化」 することができます。間違えても、早期に改善できるため、指導者も次のステップに進みやすくなります。
■失敗したら素直に謝る
失敗した場合、言い訳や他責にせず、 「申し訳ございません」 と素直に謝ることが重要です。言い訳や弁明は院長やリーダーにとっては不要です。素直さを持つことは、チームで働くクリニックの一員として大切なスキルです。
■挨拶と感謝の言葉を先手必勝で伝える
挨拶は 「先手必勝」 です。新人スタッフは、先輩より先に挨拶をするように指導しましょう。また、 「おはようございます」 「お先に失礼します」 だけではなく、 「よろしくお願いします」 「今日もありがとうございました」 など、感謝の言葉を積極的に伝えることが大切です。
■注意や指導を受けたらすぐに行動に移す
例えば、新患登録の操作を習った後、すぐに 「やってみてもよいですか?」 と意欲を示して実行に移すことが大事です。この行動は先輩スタッフから見て、教え甲斐のある新人となり、仕事の習熟度を 「見える化」 することができます。間違えても、早期に改善できるため、指導者も次のステップに進みやすくなります。
■失敗したら素直に謝る
失敗した場合、言い訳や他責にせず、 「申し訳ございません」 と素直に謝ることが重要です。言い訳や弁明は院長やリーダーにとっては不要です。素直さを持つことは、チームで働くクリニックの一員として大切なスキルです。
3.教わり上手になるためにやってはいけないこと
優れたクリニックでは、 「やるべきこと」 とともに 「やってはいけないこと」 も新人に伝え、成果を上げています。以下の点に注意しましょう。
■仲良くしようとしすぎない
まだ関係性が浅い段階で、プライベートなことを深く聞くことは避けましょう。少しずつ距離が縮まることが理想です。
■納得のいかない顔をしない
指導を受ける際、納得がいかない顔をすることはNGです。納得できないことがあれば、顔に出さずに質問をするように指導しましょう。
■嘘をつかない(ミスをなかったことにしない)
失敗やミスはありのままで報告することが大切です。嘘をついて事実を隠すことは、信頼関係を築くうえで致命的な問題となります。
クリニックは女性の多い職場であり、女性特有の難しい人間関係も存在します。
新卒スタッフを戦力化するには時間がかかりますが、先輩スタッフから社会人教育とクリニックでの正しい仕事の進め方を伝えることは先輩スタッフが日頃の仕事を正せる機会になります。新人スタッフが 「教わり上手」 になれば、そのことでクリニック全体の雰囲気が良くなり、業務も円滑に進むようになります。ぜひ、正しい仕事の進め方とセットで上記の 「教わり上手になるためのやるべきこと」 「やってはいけないこと」 を新人スタッフに伝え、新人スタッフが育つ職場風土を作って頂くことをお勧めします。
【2025. 4. 1 Vol.613 医業情報ダイジェスト】
■仲良くしようとしすぎない
まだ関係性が浅い段階で、プライベートなことを深く聞くことは避けましょう。少しずつ距離が縮まることが理想です。
■納得のいかない顔をしない
指導を受ける際、納得がいかない顔をすることはNGです。納得できないことがあれば、顔に出さずに質問をするように指導しましょう。
■嘘をつかない(ミスをなかったことにしない)
失敗やミスはありのままで報告することが大切です。嘘をついて事実を隠すことは、信頼関係を築くうえで致命的な問題となります。
クリニックは女性の多い職場であり、女性特有の難しい人間関係も存在します。
新卒スタッフを戦力化するには時間がかかりますが、先輩スタッフから社会人教育とクリニックでの正しい仕事の進め方を伝えることは先輩スタッフが日頃の仕事を正せる機会になります。新人スタッフが 「教わり上手」 になれば、そのことでクリニック全体の雰囲気が良くなり、業務も円滑に進むようになります。ぜひ、正しい仕事の進め方とセットで上記の 「教わり上手になるためのやるべきこと」 「やってはいけないこと」 を新人スタッフに伝え、新人スタッフが育つ職場風土を作って頂くことをお勧めします。
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「疑義解釈資料の送付について(その26)」を追加しました
2025-05-26
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2025-05-07【セミナーのご案内】新社会システム総合研究所主催「ミクロとマクロのデータ分析による エビデンスある病院経営戦略」
2024-05-30
『九州医事新報/中四国・関西医事新報/東海・関東医事新報』で「HMレビュー」が紹介されました
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