請求業務

プログラム医療機器等医学管理加算について運用の留意点

請求業務のポイント解説
株式会社ウォームハーツ 古矢 麻由
現在、医療においてもAIやモバイルアプリの導入が進められ、医師の働き方改革や様々な疾病の治療に活用され始めています。令和4年度改定では、プログラム医療機器の評価を明確化するため、医学管理等の部に、プログラム医療機器を使用した場合の評価「プログラム医療機器等医学管理加算」が新設されました。

本稿では現在、医科診療報酬に収載されているプログラム医療機器等医学管理加算の「禁煙治療補助システム指導管理加算」と「高血圧症治療補助プログラム加算」について運用の留意点をお伝えいたします。

B100
注1 禁煙治療補助システム指導管理加算 届出要(月1回)140点
注2 禁煙治療補助システム加算(使用した場合に注1に加算)+2,400点
高血圧症治療補助プログラム加算 届出不要(初回限り)140点(月1回限り・初回使用月~6ヶ月限度)830点

●Point: 対象患者
禁煙治療補助システム指導管理加算ニコチン依存症管理料1の「初回」又はニコチン依存症管理料2を算定する患者
高血圧症治療補助プログラム加算
再診料の地域包括診療加算、地域包括診療料(月1回)又は生活習慣病管理料の高血圧症を主病とする場合を算定する20歳以上の外来患者
※ 成人の本態性高血圧症の患者を対象とするが、既に医師の管理下で十分にコントロールされている患者は対象外(注1を参照)
注1「「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」等の一部改正について」(令和4年8月31日)(参考)医療機器の保険適用にかかる疑義解釈 問3・問4について

Q1:高血圧症治療補助プログラム加算について 施設基準の届出は不要と伺いました。許可病床数200床未満の場合の施設要件を教
えて下さい。
A1: 高血圧症治療補助プログラム加算 通知アに記載されている算定患者より、医療機関は以下のいずれかを算定する必要があります。
  • 再診料の地域包括診療加算
  • 地域包括診療料
  • 生活習慣病管理料の高血圧症を主病とする場合

Q2:高血圧症治療補助プログラム加算について生活習慣病管理料を算定する場合の留意点を教えて下さい。
A2:以下が主な留意点です。
  1. 主病が高血圧症であり、「高血圧症を主病とする場合620点」を算定すること
  2. 初診時算定できないこと
  3. オンライン診療では算定できないこと
  4. 月1回以上総合的な治療管理を行うこと
  5. 別紙様式9または準じた様式で療養計画書を作成し、血圧の値を必ず記載すること

●Point: 高血圧症治療補助プログラム加算を算定するときの運用手順
  1. 算定要件となる項目(A1参照)の算定患者を選別し対象とする
  2. 算定要件となる項目(A1参照)の算定時に、療養計画書を作成する
  3. 患者さんに②の説明をし、署名いただく
  4. 2の写しをカルテに添付する

Q3: 高血圧症治療補助プログラム加算の算定にあたり、血圧測定のアプリ入力日に規定はありますか。
A3: 前回算定日から、平均して7日間のうち5日以上の測定がアプリに入力されている必要があります。ただし、初回の算定時はアプリ使用実績を有しない為、当規定は適用されません。

●Point: アプリ使用にあたり、日本高血圧学会作成の「高血圧治療ガイドライン」及び「高血圧治療補助アプリ適正使用指針」を遵守 (注1を参照)
●参考: 高血圧症治療補助プログラム加算(200床以上の医療機関の施設要件)
 日本高血圧学会の定める「高血圧認定研修施設」で、かつ地域の医療機関と連携が十分な「外来機能報告対象病院等」


【2024. 2. 15 Vol.586 医業情報ダイジェスト】