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【続き】マイナ保険証の利用率で点数を上げるべき?(前半)

医療DX推進体制整備加算は病院の44%、診療所の34%が届け出済み
株式会社メディチュア  代表取締役 渡辺 優

■ 10月からマイナ保険証の利用率で段階化される医療DX推進体制整備加算

2024年4月25日、医療機関、保険者、経済界の代表が集う日本健康会議で「マイナ保険証利用促進宣言」が行われた。健康保険証の新規発行が終了し、マイナ保険証を基本とする仕組みに移行する2024年12月2日に向け、国、医療機関、保険者、事業主がそれぞれ利用推進の取り組みを行う宣言である。その方針も影響していると思われ、最近テレビコマーシャルなどもよく見かけるようになった。また、医療機関に対する「飴」は、利用人数の増加に応じた一時金(診療所は最大10万円、病院は最大20万円)と診療報酬による医療DX推進体制整備加算と理解している。
一時金は、2024年6月21日の社会保障審議会医療保険部会で2倍(診療所は最大20万円、病院は最大40万円)に引き上げることが決まった。また、医療DX推進体制整備加算も、2024年7月17日の中央社会医療協議会総会において評価の見直しが諮問・答申され、2024年10月にマイナ保険証利用率の実績が問われる形の加算に変わる=表=。

表 医療DX推進体制加算の改定で求められる「マイナ保険証利用率」の実績


次回は、マイナ保険証の利用率と後発医薬品の使用割合との関係性から、マイナ保険証の利用率を要件にすることへの患者の行動心理について紐解いてみたい。


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【2024. 8. 15 Vol.598 医業情報ダイジェスト】