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【続き】採用選考時の履歴書はどのような箇所をみて面接に臨むのがよいか

面接時の視点と準備事項
合同会社MASパートナーズ 代表社員 原 聡彦
2.面接時の視点と準備事項
応募者が提出する履歴書からは、記載されている事実の情報だけではなく、働くことに対する意識やスキルを推測できる部分があります。下記のポイントを参考に質問をして回答していただくことを提案しております。

ポイント1.本性の出る演出をする
すぐに面接を始めず、アンケートの記入やパソコン操作テストなどを実施してもらい、そのときの様子を観察してみる。
<着眼点>
  • 待ち時間と面接時で態度が大きく変わるような応募者は、採用後に大きく態度が変わるおそれがあります。
  • 化粧を直す、髪の毛をいじる、電話・メールをするなど、常識を逸脱している傾向のある人は仕事そのものを軽く見ている可能性がありますので注意が必要です。

ポイント2.協働力はあるか?
「チームで仕事をしたことがありますか?」 と、質問します。具体的な例を挙げてもらい、そこでの自分の役割と達成した成果について聞きます。
<着眼点>
  • 過去にチームで仕事を行い、充実した経験があれば、その経験をイキイキと語るはずです。暗い表情で自信なく話している応募者はそういった経験が乏しいか、チーム作業が苦手な傾向にあります。
  • イキイキと語っていたとしても、その内容が 「自分ががんばった」 という自己アピール中心の場合、自己中心的な性格であることが多く、チームで孤立する可能性もあります。
  • そういった経験がまったくないと答えるのも問題があります。クリニックではチームワークが大切であり、その能力を問う質問であるにもかかわらず、そのような答えをするのは、質問の意図をとらえられていないと考えられます。実際の現場で、患者さんの言動から気持ちを察するなどの対応が難しいといえるでしょう。

スタッフ採用面接は限られた時間内で人柄を判断しなくてはなりません。だからこそ、人柄を判断する質問や演出が必要です。
最初のうちは、面接アンケートの例のように聞くことをパターン化して聞くべきことがもれないようにしておくこともいいかもしれません。ぜひ、上記の視点とポイントを参考に人柄を判断する質問をご準備していただくことをお勧めします。




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【2024. 10. 1 Vol.601 医業情報ダイジェスト】