病院・診療所
辞めてもらいたいスタッフに退職してもらうために
理想としては気持ちよく辞めてもらう
合同会社MASパートナーズ 代表社員 原 聡彦
【相談内容】
開業3年目の内科クリニックの院長から「現在、どうしても辞めてもらいたいスタッフがいます。しかし、下手に解雇などを行うと、後で労働基準監督署から法的な問題を指摘されクリニック側にとって相当な不利益になるという話を聞いているので日々、我慢している状況です。後々、労使トラブルが発生しないようクリニックを辞めてもらう方法があれば、お教え頂きたい」というご相談を受けました。
合法的にクリニックを辞めてもらう方法というのはよほどの懲戒事由がなければ難しいと思いますが、丁寧に話し合いをして、合意の上で退職してもらうことは可能と考えております。
今回は合意の上、スタッフに退職してもらう退職勧奨についてお伝えしたいと思います。
合法的にクリニックを辞めてもらう方法というのはよほどの懲戒事由がなければ難しいと思いますが、丁寧に話し合いをして、合意の上で退職してもらうことは可能と考えております。
今回は合意の上、スタッフに退職してもらう退職勧奨についてお伝えしたいと思います。
【回 答】
1.退職勧奨とは
退職勧奨は、雇用主である院長が労働者・従業員に退職を促すことを意味します。
つまり雇用主が一方的に当該労働者・従業員を辞めさせるのではなく、労働者・従業員が応じた場合にはじめて労働契約が終了して退職することになるものを指します。
当然、労働者・従業員は雇用主からの退職勧奨を受け入れる義務などありませんので、断られれば雇用主は労働者・従業員を退職させることはできません。このように退職勧奨はあくまで労働者・従業員の退職を促す行為を指すため、原則として労働法による規制はありません。したがって雇用主は退職勧奨については比較的自由に行うことが可能です。
ただし、労働者・従業員が断ったにもかかわらず、執拗に何度も退職勧奨したり、単なる「勧奨」を超えて辞めなければならないように勘違いさせたり、脅すような言動を用いれば当然問題になりますので、慎重に退職勧奨を行う必要があります。
つまり雇用主が一方的に当該労働者・従業員を辞めさせるのではなく、労働者・従業員が応じた場合にはじめて労働契約が終了して退職することになるものを指します。
当然、労働者・従業員は雇用主からの退職勧奨を受け入れる義務などありませんので、断られれば雇用主は労働者・従業員を退職させることはできません。このように退職勧奨はあくまで労働者・従業員の退職を促す行為を指すため、原則として労働法による規制はありません。したがって雇用主は退職勧奨については比較的自由に行うことが可能です。
ただし、労働者・従業員が断ったにもかかわらず、執拗に何度も退職勧奨したり、単なる「勧奨」を超えて辞めなければならないように勘違いさせたり、脅すような言動を用いれば当然問題になりますので、慎重に退職勧奨を行う必要があります。
2.退職勧奨を進める際の流れ
退職勧奨を一言でいうと、クリニックを辞めてもらいたい旨を遠回しに伝え、本人に辞める意思を固めてもらうということです。退職勧奨を行うには、対象となるスタッフと個別のミーティングを行います。個別のミーティングの流れは下記のとおりです。
① 対象となるスタッフと面談をもって、現状の考えを話させる(おそらく不平不満が出る)
② 院長としてというより、クリニックとしての考えを伝える( クリニックとしては最大限の配慮をしているつもりだが、対象となるスタッフの活躍できる仕事を与えることができない。これ以上は・・・難しい)
③ 上記①②の意向を整理してギャップを明確にする
④ このギャップを抱えたまま勤務し続けるデメリットを伝える
⑤ クリニックとして対象となるスタッフに提案を行う。例えば次のような提案です。
提案1: 精神的ストレスが出ない職場を探す( その際、退職金の加算など退職金のメリットを伝える)
提案2:勤務を続けるなら・・・勤務日数を減らす
提案3: 現在の業務から○○の仕事に専念してほしい(配置転換)
★ 院長が許容できる提案を3つほど挙げ、選択肢を与える。
⑥ 上記⑤の提案を受け入れるか最終的にはスタッフに意思決定してもらう
⑦ クリニックとしては合意退職か許容できる提案を受け入れてもらえることをゴールとして完了させる
上記の流れで退職勧奨をしていくわけですがスタッフにとっては職を失うわけですので、積極的にクリニックを辞めることに合意してくれるとは限りません。粘り強く説得を続け、あるいはスタッフ側の不満を聴き要求を受け入れ、少しずつクリニックを辞めることに合意してもらう方向へ持っていきます。
この退職勧奨自体に法的な効力はなく、あくまで「クリニックと社員の間のコミュニケーション」という位置づけです。
① 対象となるスタッフと面談をもって、現状の考えを話させる(おそらく不平不満が出る)
② 院長としてというより、クリニックとしての考えを伝える( クリニックとしては最大限の配慮をしているつもりだが、対象となるスタッフの活躍できる仕事を与えることができない。これ以上は・・・難しい)
③ 上記①②の意向を整理してギャップを明確にする
④ このギャップを抱えたまま勤務し続けるデメリットを伝える
⑤ クリニックとして対象となるスタッフに提案を行う。例えば次のような提案です。
提案1: 精神的ストレスが出ない職場を探す( その際、退職金の加算など退職金のメリットを伝える)
提案2:勤務を続けるなら・・・勤務日数を減らす
提案3: 現在の業務から○○の仕事に専念してほしい(配置転換)
★ 院長が許容できる提案を3つほど挙げ、選択肢を与える。
⑥ 上記⑤の提案を受け入れるか最終的にはスタッフに意思決定してもらう
⑦ クリニックとしては合意退職か許容できる提案を受け入れてもらえることをゴールとして完了させる
上記の流れで退職勧奨をしていくわけですがスタッフにとっては職を失うわけですので、積極的にクリニックを辞めることに合意してくれるとは限りません。粘り強く説得を続け、あるいはスタッフ側の不満を聴き要求を受け入れ、少しずつクリニックを辞めることに合意してもらう方向へ持っていきます。
この退職勧奨自体に法的な効力はなく、あくまで「クリニックと社員の間のコミュニケーション」という位置づけです。
3.理想としては気持ちよく辞めてもらう
合意退職にしても、ご縁があって一緒に仕事をしたスタッフの方ですから感情的にしこりを残すことは極力避けたいところです。退職したスタッフから「あのクリニックはブラックな職場だった」と、行政官庁への通報やインターネットの書き込みなど、悪評を流されることもあります。気持ちよく辞めてもらえることはないにしても、できる限り、悪い気持ちを抱かずに辞めてもらえるよう慎重に進めることをお勧めいたします。
4.合意した内容を書面で残す
退職時の約束ごとをしっかり定め、労使トラブルをリスクヘッジし、クリニックを守るために退職に係る合意内容を書面(以下、退職合意書という)で残すことは有効です。
退職合意書は、適切な条項を記載し、会社と社員のそれぞれの署名・押印があれば有効です。この場合、基本的には、退職合意書に書かれたとおりの法的効力が生じます。
トラブルを回避するためにも退職合意書を交わしておくことをお勧めします。
【2024. 6. 1 Vol.593 医業情報ダイジェスト】
退職合意書は、適切な条項を記載し、会社と社員のそれぞれの署名・押印があれば有効です。この場合、基本的には、退職合意書に書かれたとおりの法的効力が生じます。
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