保険薬局
(8)髪の毛の色は、何色?
薬局の服装規定と変わる世の中
薬剤師 産業カウンセラー 荒井 なおみ皆様の職場には、服装規定はありますか。医療従事者として、薬剤師も事務も清潔であること、清潔感があることは必須条件でしょう。ある程度のルールは必要かと思いますが、不要な決まりだらけではやる気をなくします。いきいきと働くには、自分で選択できることも大切です。
1.髪の色は何色?
この秋、「大手企業が髪の色のルールを廃止する」という興味深い話題がありました。新聞記事によれば、発端はある店舗でのこと。「服装ルールの違反者が相次いでいる。店長が注意しても一向に直らないので支店長から注意してほしい」と店長自身が支店長に相談したということです。どのような違反だと思いますか。それは、髪の色のことでした。社内の服装ルールで「明るすぎる髪色」は禁止しているにも拘らず、従業員の違反が相次いでいたのです。面白いことに、この会社はルールを徹底させたのではなく、店舗で働く従業員の髪の色に関するルールをなくしたことです。ワインレッド色にした従業員は、高齢者のお客様から「いい髪色ね」と褒められたそうです。お客様からの反応は好評だったそう。この会社は、ディスカウント店「ドン・キホーテ」です。
もう1社の事例をご紹介します。支社長が髪色を自由することを会社に提案したところ、昨年8月に従業員の服装規定であるドレスコードを改定し、髪色の規定がなくなりました。今までは「ダークブラウンなど自然な発色」だったそうです。服装の規定も同時に緩和し、デニム素材も選べるようになり、着用不可であった帽子もツバが小さいものであればOKとなったそうです。髪色をきっかけに来店客から声をかけられる機会が増えた従業員もいるとのことでした。この会社は、「スターバックスコーヒージャパン」です。
私が以前働いていた薬局の処方元医療機関(皮膚科)の男性医師は金髪でした。髪色は診察と関係がなかったようで、患者さんがひっきりなしに来院していました。おしゃれな先生に患者さんも元気をもらったことでしょう。
もう1社の事例をご紹介します。支社長が髪色を自由することを会社に提案したところ、昨年8月に従業員の服装規定であるドレスコードを改定し、髪色の規定がなくなりました。今までは「ダークブラウンなど自然な発色」だったそうです。服装の規定も同時に緩和し、デニム素材も選べるようになり、着用不可であった帽子もツバが小さいものであればOKとなったそうです。髪色をきっかけに来店客から声をかけられる機会が増えた従業員もいるとのことでした。この会社は、「スターバックスコーヒージャパン」です。
私が以前働いていた薬局の処方元医療機関(皮膚科)の男性医師は金髪でした。髪色は診察と関係がなかったようで、患者さんがひっきりなしに来院していました。おしゃれな先生に患者さんも元気をもらったことでしょう。
2.薬局の服装規定と変わる世の中
薬局で勤務する者として実際にどのような髪色や服装が望ましいのでしょうか。薬局業務運営ガイドライン(厚生労働省)を見てみましょう。
8.薬剤師の確保等
(4) 薬剤師は、白衣、ネームプレート等を着用し、薬剤師であることを容易に認識できるようにすること。
このルールの目的は、「薬剤師であることを利用者から容易に認識できるようにすること」ですね。薬剤師を容易に認識する方法として「白衣、ネームプレート等の着用」が挙げられています。
次に、薬剤師行動規範(日本薬剤師会)を見てみましょう。
4.品位及び信用の維持と向上
薬剤師は、常に品位と信用を維持し、更に高めるように努め、その職務遂行にあたって、これを損なう行為及び信義にもとる行為をしない。
ここでは、薬剤師は「品位と信用を維持すること」を求められています。それらを維持できるような髪型や服装が必要ですね。
さて、そこから先の具体的なルールは各職場や組織における考え方を反映し、柔軟に対応することができます。医療機関や施設では、利用者にリラックスしてもらうため、あえて白衣ではないユニフォームを着ているところもあります。子どもの好きなアニメキャラクターを付けたり、淡い色使いにしたり。動きやすさを考慮してポロシャツを着ているところもあります。部屋全体を柔らかい色調でまとめる、絵を飾る、音楽を流すなど様々な工夫も行われています。
世の中の動きとして考えたいのは、様々な人々が一緒に働くことを前提にしたルールが求められていることです。今まで常識と考えてきたことを見直す良い機会です。「多様性」を求める声に応えているかどうかが判断基準の1つになるでしょう。「らしさ」にこだわった意味の乏しいルールの下では気持ちよく働くことができません。また、利用者の目も変わってきています。高齢者にはこういうことは馴染まない、といつまでも思っていると世の中に置いて行かれます。
8.薬剤師の確保等
(4) 薬剤師は、白衣、ネームプレート等を着用し、薬剤師であることを容易に認識できるようにすること。
このルールの目的は、「薬剤師であることを利用者から容易に認識できるようにすること」ですね。薬剤師を容易に認識する方法として「白衣、ネームプレート等の着用」が挙げられています。
次に、薬剤師行動規範(日本薬剤師会)を見てみましょう。
4.品位及び信用の維持と向上
薬剤師は、常に品位と信用を維持し、更に高めるように努め、その職務遂行にあたって、これを損なう行為及び信義にもとる行為をしない。
ここでは、薬剤師は「品位と信用を維持すること」を求められています。それらを維持できるような髪型や服装が必要ですね。
さて、そこから先の具体的なルールは各職場や組織における考え方を反映し、柔軟に対応することができます。医療機関や施設では、利用者にリラックスしてもらうため、あえて白衣ではないユニフォームを着ているところもあります。子どもの好きなアニメキャラクターを付けたり、淡い色使いにしたり。動きやすさを考慮してポロシャツを着ているところもあります。部屋全体を柔らかい色調でまとめる、絵を飾る、音楽を流すなど様々な工夫も行われています。
世の中の動きとして考えたいのは、様々な人々が一緒に働くことを前提にしたルールが求められていることです。今まで常識と考えてきたことを見直す良い機会です。「多様性」を求める声に応えているかどうかが判断基準の1つになるでしょう。「らしさ」にこだわった意味の乏しいルールの下では気持ちよく働くことができません。また、利用者の目も変わってきています。高齢者にはこういうことは馴染まない、といつまでも思っていると世の中に置いて行かれます。
3.「いきいき」は「良い」仕事につながる!
同調圧力が強く他人に厳しい状況下では、ルールを緩和することに及び腰になるかもしれません。でも世の中は確実に変わっています。小さなことから始めてみましょう。従業員がいきいき働くことができれば、生産性にながります。服装に限らず自慢できるルールがある職場は魅力的!採用にもつながることでしょう。
①根拠のあるルールを作る
→ 根拠のあるルールであれば、多くの人は納得して守ります。
②最低限を決めて、後は任せる
→ そのルールは本当に必要か。本当に必要なルールだけを定め、後は任せることが従業員の成長につながるでしょう。
③内容によっては標準化もあり
→ 調剤手順などは標準化しておくことで、質の高い業務を行うことができるでしょう。
今回は、気持ちよく働ける職場を考えるために髪の色から考察しました。ご参考になれば幸いです。
【2022.12月号 Vol.319 保険薬局情報ダイジェスト】
①根拠のあるルールを作る
→ 根拠のあるルールであれば、多くの人は納得して守ります。
②最低限を決めて、後は任せる
→ そのルールは本当に必要か。本当に必要なルールだけを定め、後は任せることが従業員の成長につながるでしょう。
③内容によっては標準化もあり
→ 調剤手順などは標準化しておくことで、質の高い業務を行うことができるでしょう。
今回は、気持ちよく働ける職場を考えるために髪の色から考察しました。ご参考になれば幸いです。
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