組織・人材育成

【続き】みんなで決めたはずなのに・・・

日頃のスタッフとのコミュニケーションが重要
株式会社メディフローラ 代表取締役 上村 久子
実は、 このケースでは会議で 「スタッフ全員で決めた」 と語るものの、実際にはスタッフに意見を出させるのみで結論を導き出したのは院長先生本人だったようです。このようなケースのポイントは 「どのように全員で話し合いの上、結論を出したと思える環境を整えるか」 だと考えます。
それぞれの立場が望むシフトのあり方は異なるもの。個人の希望に耳を傾けることも大切ですが、仕事は複数人が集まるチームで行っているものだということを踏まえると、チームとしてどのようなシフトのあり方が良いのかを考えることが重要です。例えば、全員にとって業務量が平等になることを重視するのか、なるべく希望が叶うように勤務体系そのものを見直すのか、など。個人の希望だけを汲んで話し合いを行うのではなく、チームとして良い結論を見出すために話し合いを行っているという視点を忘れないようにしましょう。

さらに、結論が出たら満足するのではなく、結論が出たならば 「この結論で本当に良いのか」 を全員でイメージ出来るように 「この結論によって今後どのような影響があると思うか」 「トラブルが発生するとしたらどのようなことが考えられるのか」 まで話し合いが出来るとより良いですね。何かを変更したならば、良い効果だけではなく新しい課題が出てくるものです。どんな課題が出てくる可能性があるのか、現時点で想像できる課題があれば解決策や防止策が考えられるはずです。

そして、変更したものに対して見直しを行う期日を決めることも忘れないようにしましょう。その間にさまざまな事象が起こった場合でも、その都度対応するよりも、色々な課題を収集した上で冷静にスタッフと再検討することをお勧めいたします。課題とは点ではなく線で繋がっているものです。ある課題を解決できたように見えても、新たな課題を生むだけである場合もあります。もちろん緊急に対応しなければならないものが出来てきた場合は別ですが、変更後の見直しは変更後の影響を俯瞰して考えることを意識しましょう。

いずれにせよ、日頃のスタッフとのコミュニケーションのあり方が重要であることは言うまでもありません。皆さまは 「全員で結論を出す」 ための工夫と 「結論が出た後の対応」 の工夫はどのようにされていますか?このケースが皆さまのより良い組織づくりにとって参考になれば幸いです。


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【2024. 7. 15 Vol.596 医業情報ダイジェスト】