病院・診療所
中山間・人口減少地域での新しい特例介護サービス案
意外と知らない介護経営のポイント
株式会社メディックプランニング 代表取締役 三好 貴之
10月5日の介護保険部会にて、介護保険制度改正についての議論が行われました。そのなかで、これから高齢者人口も減少していく 「中山間・人口減少地域」 でどのように必要な介護サービスを確保するかについて、厚労省より提案がありました。
これまで離島等を除いては、基本的に介護保険制度は全国一律同じ基準が用いられてきました。設備基準、人員基準をはじめ、介護報酬の算定基準もすべて全国一律同じです。
しかし、これから中山間・人口減少地域では、職員の確保が難しく、利用者も減少するため、介護事業者が事業から撤退し、介護サービスが不足することが予測されます。そこで、介護保険制度を 「全国一律基準」 から 「市町村別基準」 に変えていこうというものです。
従来より特例介護サービスとして、 「基準該当サービス」 と 「離島等相当サービス」 がありました(図)。ただし、指定・登録、報酬、類型などは、基本的には国の基準をもとに各市町村が決める方式で、あくまでも国の基準がベースにありました。しかし、今回提案された 「新たな類型」 では、中山間・人口減少地域において、ICTや事業所連携を前提 として人員の基準緩和を設ける、包括報酬を導入するなど、今までよりも踏み込んだ基準が示されています。

これまで離島等を除いては、基本的に介護保険制度は全国一律同じ基準が用いられてきました。設備基準、人員基準をはじめ、介護報酬の算定基準もすべて全国一律同じです。
しかし、これから中山間・人口減少地域では、職員の確保が難しく、利用者も減少するため、介護事業者が事業から撤退し、介護サービスが不足することが予測されます。そこで、介護保険制度を 「全国一律基準」 から 「市町村別基準」 に変えていこうというものです。
従来より特例介護サービスとして、 「基準該当サービス」 と 「離島等相当サービス」 がありました(図)。ただし、指定・登録、報酬、類型などは、基本的には国の基準をもとに各市町村が決める方式で、あくまでも国の基準がベースにありました。しかし、今回提案された 「新たな類型」 では、中山間・人口減少地域において、ICTや事業所連携を前提 として人員の基準緩和を設ける、包括報酬を導入するなど、今までよりも踏み込んだ基準が示されています。

人員配置基準の緩和
中山間・人口減少地域で、最大の問題になるのは 「働き手の不足」 です。高齢化の問題と同じく、労働生産人口の減少は、中山間・人口減少地域も同じく、より重要な問題です。さらに、介護職の不足は、他の産業と比較しても深刻であり、今の 基準では、人員不足を理由に介護事業所の閉鎖も起こります。
しかし、 「ただ人員を減らして運営しても良い」 というわけではなく、自治体の介護保険事業計画に人材確保を重点的に行うことや生産性向上(ICT活用等)を行ったうえで、それでも人員が不足する場合、という前提が示されました。さらに、事業所間や職種間の連携体制確保も求められています。つまり、自治体と複数の事業所が連携しながら、サービスの質を担保するとともに職員の負担が増加しないようにしなければなりません。
筆者も以前、このような地域の介護事業所の支援を行いましたが、こうした地域では、職員も比較的年齢層が高く、ICTを使いこなせないことや事業所間の距離が物理的に遠く連携するのは難しいという側面があります。ここをどのようにクリアしていくのかが課題になりそうです。また、自治体と事業所の連携も重要になりますが、自治体の職員も数が限られていますので、自治体と事業所間の連携も大きな課題になってくるでしょう。
しかし、 「ただ人員を減らして運営しても良い」 というわけではなく、自治体の介護保険事業計画に人材確保を重点的に行うことや生産性向上(ICT活用等)を行ったうえで、それでも人員が不足する場合、という前提が示されました。さらに、事業所間や職種間の連携体制確保も求められています。つまり、自治体と複数の事業所が連携しながら、サービスの質を担保するとともに職員の負担が増加しないようにしなければなりません。
筆者も以前、このような地域の介護事業所の支援を行いましたが、こうした地域では、職員も比較的年齢層が高く、ICTを使いこなせないことや事業所間の距離が物理的に遠く連携するのは難しいという側面があります。ここをどのようにクリアしていくのかが課題になりそうです。また、自治体と事業所の連携も重要になりますが、自治体の職員も数が限られていますので、自治体と事業所間の連携も大きな課題になってくるでしょう。
包括報酬の導入
現在の特例介護サービスの類型でも訪問系や通所系のサービスの利用は認められています。しかし、中山間・人口減少地域では、事業所の規模が小さいために、利用者一人当たりの収益に占める割合が大きいことが特徴です。例えば、訪問介護で利用者が20名いれば、1名当たりの収益の割合は5%です。場合によっては、介護度が高く、毎日、訪問介護に入っていれば、10%以上を占める場合もあります。このような利用者が入院してしまうと、事業所の収益はそのまま10%マイナスになり、 一気に赤字に陥り、事業の継続が難しくなります。都市部では、新しい利用者を確保することでリカバリーできるかもしれませんが、中山間・人口減少地域では、新規の利用者もさほど多くありません。
そこで、今回、提案されたのが 「包括報酬」 です。月額定額にすることで、より経営を安定させようというものです。しかし、一方で、利用者負担が増加する場合があることや利用回数の多い利用者と少ない利用者では不公平になることなどが課題として挙げられています。
そこで、今回、提案されたのが 「包括報酬」 です。月額定額にすることで、より経営を安定させようというものです。しかし、一方で、利用者負担が増加する場合があることや利用回数の多い利用者と少ない利用者では不公平になることなどが課題として挙げられています。
これは介護保険制度の大きな節目
詳細はこれからになりますが、このようにこれまで基本的に全国一律同じ制度であった介護保険制度が、 「中山間・人口減少地域」 「一般市等」 「大都市」 に三分類化され、さらにそのなかでも中山間・人口減少地域では、新しい類型が生まれようとしています。当然ですが、中山間・人口減少地域の施策は、いずれ一般市等のロールモデルになります。おそらく今後も全国各地の好事例をもとに制度化していくのだと考えられますが、居宅サービスの特性上、いくら生産性を上げても、長距離の移動が発生しますし、介護サービス自体は人の手でやらなければなりません。本当にこれからは、自治体と事業者が一緒になって問題解決していかなくてはならないでしょう。
【2025年11月15日号 Vol.14 メディカル・マネジメント】
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