病院・診療所
患者に “選ばれるクリニック” はこうつくる!
クリニック相談コーナー
合同会社MASパートナーズ 代表社員 原 聡彦
【相談内容】
近畿地方にて開業40年目の整形外科を昨年、実父より事業承継した院長より、
「専門外来の開設や医療連携を進め、高度な検査や手術にも対応できるようにしたいと考えています。しかし、設備投資や人員強化をしても地域に浸透せず、結果が出ないのではないかと不安です。厳しい経営環境の中で “診療機能の強化” をどのように進めるべきでしょうか?」
という相談を頂きました。
「専門外来の開設や医療連携を進め、高度な検査や手術にも対応できるようにしたいと考えています。しかし、設備投資や人員強化をしても地域に浸透せず、結果が出ないのではないかと不安です。厳しい経営環境の中で “診療機能の強化” をどのように進めるべきでしょうか?」
という相談を頂きました。
【回 答】
やみくもに流行の外来を真似たり、高額な医療機器を導入しても、地域住民に受け入れられないケースが後を絶ちません。
結果、 「投資はしたけど効果が出ない」 「スタッフ が疲弊した」 と後悔するクリニックも少なくありません。そこで今回は、弊社がサポートしてきた地域に選ばれているクリニックが実践している 「診療機能を強化する前に検討すべき3つのポイント」 をお伝えします。
結果、 「投資はしたけど効果が出ない」 「スタッフ が疲弊した」 と後悔するクリニックも少なくありません。そこで今回は、弊社がサポートしてきた地域に選ばれているクリニックが実践している 「診療機能を強化する前に検討すべき3つのポイント」 をお伝えします。
1.まず “今いる患者さん” との関係性を深める
診療機能の強化というと、多くの院長が 「新しい機械」 「新しい外来」 「新しい広告」 を思い浮かべます。しかし、本当に大切なのは “今ここにいる患者さんとの関係性” を磨くことです。
ある整形外科クリニックでは、 「患者コミュニケーションシート」 をスタッフ全員で共有しています。 「孫が高校に合格した」 「旅行に行った」 「庭で転んで少し膝を痛めた」 ――そんな些細な話題も記録し、次回来院時に必ず声をかけるのです。
「先生、私のこと覚えててくれたのね!」
この一言で心理的距離が一気に縮まります。
地域に選ばれているクリニックほど、こうした “人間的つながり” の積み重ねを徹底しています。信頼が積み上がれば、患者は自然と家族や友人を紹介し、口コミが広がっていきます。
新しい機能を導入する前に、まず “今いる患者を幸せにする仕組み” を整える――それが本当の意味での 「診療機能強化」 の第一歩です。
ある整形外科クリニックでは、 「患者コミュニケーションシート」 をスタッフ全員で共有しています。 「孫が高校に合格した」 「旅行に行った」 「庭で転んで少し膝を痛めた」 ――そんな些細な話題も記録し、次回来院時に必ず声をかけるのです。
「先生、私のこと覚えててくれたのね!」
この一言で心理的距離が一気に縮まります。
地域に選ばれているクリニックほど、こうした “人間的つながり” の積み重ねを徹底しています。信頼が積み上がれば、患者は自然と家族や友人を紹介し、口コミが広がっていきます。
新しい機能を導入する前に、まず “今いる患者を幸せにする仕組み” を整える――それが本当の意味での 「診療機能強化」 の第一歩です。
2.クリニックブランドを “地域の記憶” に刻む
次に考えるべきは、自院のブランドづくりです。ブランドとは、ロゴや建物のデザインではなく、地域住民の頭の中にあるイメージのこと。
「腰の痛みなら○○整形外科」 「糖尿病なら○○内科」 ――。こうして想起される状態をつくることこそ、地域で生き残るブランドの力です。
逆に、利益だけを優先してアンチエイジングや美容系外来を安易に立ち上げると、 「儲け主義」 「方向性がブレた」 と見られ、せっかくの信頼を損なうリスクもあります。
地域に選ばれているクリニックは例外なく、ブランドを “戦略的に” 設計しています。次の3つの視点で、自院ブランドを整理してみましょう。
【ブランド構築の3つの視点】
① 自院の強みと情熱を明確にする
「腰の痛みなら○○整形外科」 「糖尿病なら○○内科」 ――。こうして想起される状態をつくることこそ、地域で生き残るブランドの力です。
逆に、利益だけを優先してアンチエイジングや美容系外来を安易に立ち上げると、 「儲け主義」 「方向性がブレた」 と見られ、せっかくの信頼を損なうリスクもあります。
地域に選ばれているクリニックは例外なく、ブランドを “戦略的に” 設計しています。次の3つの視点で、自院ブランドを整理してみましょう。
【ブランド構築の3つの視点】
① 自院の強みと情熱を明確にする
- 自分が10年先も情熱を持って続けられる診療分野か?
- その専門性を裏づける資格・実績・症例数があるか?
- 患者の喜びの声や感謝のメッセージを継続的に集めているか?
② 競合医療機関を分析する
- 同じ分野の競合はどの程度いるか?
- 競合と差別化できるポイントは何か?
- 地域での参入障壁(技術・信頼・口コミ)を高める仕組みはあるか?
③ 評価と継続性を意識する
- 地域の人々から自院はどう見られているか?
- 長期的に取り組める体制(人・資金・時間)はあるか?
- 発信する情報に一貫性と継続性があるか?
ブランドは 「作るもの」 ではなく、 「積み重ねで育つもの」 です。短期的な広告よりも、日々の診療姿勢や患者との関わりがブランドの土台をつくります。 “地域の記憶に残るクリニック” ――この状態を目指しましょう。
3.診療機能強化の成否を決めるのは “資金計画”
理想を語ることは大切ですが、それを支えるのは “資金” です。クリニック経営において、資金繰りはまさに血液。どんなに理念があっても、資金が止まれば事業は止まります。
新しい外来や医療機器導入を計画する際には、必ず次の点を検討してください。
新しい外来や医療機器導入を計画する際には、必ず次の点を検討してください。
- 初期投資額はいくらか?
- 投資に見合う収益性はあるか?
- 開設後、何か月で黒字化できるか?
- 一時的な赤字を他部門でカバーできるか?
- 金融機関からの借入が必要な場合、返済計画は現実的か?
あるクリニックの院長は、 「3年先の収益シミュレーション」 を自ら作成しました。診療報酬改定、スタッフ増員、人件費上昇など複数のシナリオを想定し、私と毎月検証を重ねたのです。結果、資金面の不安がなくなり、スタッフの士気も上がり、患者サービスにも集中できるようになりました。
資金の裏づけがある計画は、経営者に安心と信頼をもたらします。夢を描くことと同じくらい、“数字を読む力” を磨くことが、診療機能強化の要です。
資金の裏づけがある計画は、経営者に安心と信頼をもたらします。夢を描くことと同じくらい、“数字を読む力” を磨くことが、診療機能強化の要です。
■まとめ
地域に根ざし選ばれているクリニックほど、派手さよりも “誠実さと一貫性” で成長しています。診療機能の強化とは、新しい何かを足すことではなく、既にある価値を磨き上げること。その積み重ねが、10年先も愛されるクリニックをつくる最短ルートと確信しております。3つのポイントをご参考に自院の診療機能の強化にチャレンジしてみてください。
【2025年11月15日号 Vol.14 メディカル・マネジメント】
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