診療報酬
【続き】2024年改定における在宅医療の光と影
必要性の乏しい訪問診療や往診の適正化へ
株式会社MMオフィス 代表取締役 工藤 高■必要性の乏しい訪問診療や往診の適正化へ
2.在宅時医学総合管理料、施設入居時等医学総合管理料の人数区分の見直し
単一建物診療患者数の区分が 「1人」 「2~9人」 「10~19人」 は15点の引き下げ、 「20~49人」 「50人以上」 はさらに低い点数という5区分に細分化された。単一建物で多くの在宅患者を診ているほど、減収額が大きくなる仕組みが強化された。
3. 往診料に在宅ターミナルケア加算を新設して、看取り加算も算定可能へ
4. 訪問診療料の在宅ターミナルケア加算について、死亡日及び死亡日前14日以内に退院時共同指導1を算定して、かつ訪問診療を1回行った場合も算定可能へ
5. 往診の連携の評価として、往診時医療情報連携加算(200点)と介護保険施設等連携往診加算(200点)を新設
6.適正な在宅医療実施という観点からの見直し
①在支診・在支病の頻回な訪問診療の見直し
在支診・在支病において過去3か月の患者(一部の状態を除く)1人当たりの訪問診療の回数が、平均12回を超える場合の在宅患者訪問診療料を見直し、当該基準に適合しなくなった後の直近1か月に限り、同一患者・同一月において訪問診療を5回以上実施した場合は、5回目以降の所定点数を50%で算定する逓減制が導入された。必要性の乏しい患者に対する頻回な訪問診療に対する措置になる。
②緊急等の往診料の見直し
過去60日以内に訪問診療していない患者や外来で継続的に診療していない患者等に対する往診料の加算について、緊急往診加算(325点)、夜間・休日往診加算(405点)、深夜往診加算(485点)と通常よりも7~8割ほど低い点数が設定された。これは事業拡大をしていた往診事業を専門的に行う民間事業者への規制であり、必要性の乏しい往診の増加や小児のコンビニ受診を併発しているという批判に対応したものだ。厚労省の眞鍋医療課長(当時)は医療専門誌のインタビューにおいて「医療を市場(しじょう)としか見ていない姿勢が無責任ではないか」と厳しい見解を述べている。
在支診・在支病において過去3か月の患者(一部の状態を除く)1人当たりの訪問診療の回数が、平均12回を超える場合の在宅患者訪問診療料を見直し、当該基準に適合しなくなった後の直近1か月に限り、同一患者・同一月において訪問診療を5回以上実施した場合は、5回目以降の所定点数を50%で算定する逓減制が導入された。必要性の乏しい患者に対する頻回な訪問診療に対する措置になる。
②緊急等の往診料の見直し
過去60日以内に訪問診療していない患者や外来で継続的に診療していない患者等に対する往診料の加算について、緊急往診加算(325点)、夜間・休日往診加算(405点)、深夜往診加算(485点)と通常よりも7~8割ほど低い点数が設定された。これは事業拡大をしていた往診事業を専門的に行う民間事業者への規制であり、必要性の乏しい往診の増加や小児のコンビニ受診を併発しているという批判に対応したものだ。厚労省の眞鍋医療課長(当時)は医療専門誌のインタビューにおいて「医療を市場(しじょう)としか見ていない姿勢が無責任ではないか」と厳しい見解を述べている。
■最後に
1992年の第二次医療法改正において、 「居宅」 が医療提供の場として位置づけられて32年が経った。まだまだ在宅医療は拡大期だが、2024年改定では 「質の向上」 に向け、ピンポイントで 「適正化」 が行われたことが特徴的である。量から質の在宅医療へのターニングポイントと言えよう。
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【2024. 9. 1 Vol.599 医業情報ダイジェスト】
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