病院・診療所
第17回 経営計画の策定
コストの削減について
株式会社前進 代表取締役 岡本 有
[経営計画の具体的内容]
今回も収支改善の3要素(図1参照)のうち、引き続きコストの削減について説明します。

「コストの削減」は3要素のうち一番難易度が低いものですが、ある程度の医業に関する専門知識が必要です。病院のコスト構造は図2のようになっています。

今回は前回に引き続き、「医薬品費」「診療材料費」の削減に加えて、「委託費」について説明します。

「コストの削減」は3要素のうち一番難易度が低いものですが、ある程度の医業に関する専門知識が必要です。病院のコスト構造は図2のようになっています。

今回は前回に引き続き、「医薬品費」「診療材料費」の削減に加えて、「委託費」について説明します。
[医薬材料費の削減]
医薬材料費の削減については、①対収入比率で管理すること、②単価の削減は業者の統合を行い、③品目の統一を行うこと、④量の削減については、同一診断群について他病院のベンチマーキングを行うことが主な方策になります。
②の業者統合のイメージを図3に示します。薬剤卸のシェアを見直しながら、5卸を2卸に統合することにより、値引き率を2%強引き下げるコスト削減が可能になります。

③品目の統一は、医師によってまちまちになりがちな薬剤や材料の使用状況を、クリニカルパス等標準化の意識を医師に浸透させることにより改善することです。買うものの種類を統一すれば、値段は安くなるのは当たり前の話ですが、コストよりも自らのやり方を優先させる医師に納得させるのは難しいかもしれません。数字を示して粘り強く説得するしかありません。
②の業者統合のイメージを図3に示します。薬剤卸のシェアを見直しながら、5卸を2卸に統合することにより、値引き率を2%強引き下げるコスト削減が可能になります。

③品目の統一は、医師によってまちまちになりがちな薬剤や材料の使用状況を、クリニカルパス等標準化の意識を医師に浸透させることにより改善することです。買うものの種類を統一すれば、値段は安くなるのは当たり前の話ですが、コストよりも自らのやり方を優先させる医師に納得させるのは難しいかもしれません。数字を示して粘り強く説得するしかありません。
[委託費の削減]
給食、清掃、リネン、建物管理などの委託費は収入に直接連動しない固定費です。固定費の削減は、収入の増減にかかわらず真水で収支に寄与するので大変効果的です。
委託費の削減のポイントは、仕様書を見直すことと入札にあたって業者に十分な時間を与えることです。
仕様書とは、求める品質とその品質を確保するための仕事のやり方を明示するものですが、病院によると求める品質が不適切であるもの、また、重要な事項を業者と病院担当者の長年の付き合いのなかで決めてしまい文書に明示していない例があります。
ある200床の病院では、給食の委託費(材料費除き)が4900万円かかっていました。市中の水準とは明らかに乖離した金額です。給食の内容は美味しいと評判は良く、検食してみると確かに味・ボリュームともまずまずでした。担当者と業者の両方からヒヤリングしたところ、過剰品質とも思われる条件がいろいろと業者に課せられていることが明らかになりました。その条件は、「常食は内容・量により6種類提供」「前日の仕込みの禁止」「給食業者は厨房夕食後20時まで待機」「配膳は病室まで給食業者が行う」「外国産製品の使用禁止」「調理済み食品の使用禁止」などです。そして、これらの条件は全て仕様書に記載されているわけでなく、長年の慣行により行っており文書になっていないものもありました。
これらの条件が市中の病院でどうなっているのかをベンチマーキングしてその結果を栄養室に説明し過剰品質であることを納得してもらいました。その結果、それらの制約条件を撤廃して、委託費は2900万円まで削減することに成功しました。
その後、患者さんからまずくなったというクレームもなく、筆者も定期的に検食していますが味が落ちたとも思えません。
この病院では生え抜きの内科医が、給食に関して栄養室に細かい指導をしていました。その結果、管理栄養士は給食管理に時間を割かれて、NSTラウンドは月に1~2回、栄養指導料はほとんどとれていませんでした。
一部の患者さんの要望を理由に、自分達のやりたいようにやった結果、経営を悪化させている一例です。
【2022. 10. 15 Vol.554 医業情報ダイジェスト】
委託費の削減のポイントは、仕様書を見直すことと入札にあたって業者に十分な時間を与えることです。
仕様書とは、求める品質とその品質を確保するための仕事のやり方を明示するものですが、病院によると求める品質が不適切であるもの、また、重要な事項を業者と病院担当者の長年の付き合いのなかで決めてしまい文書に明示していない例があります。
ある200床の病院では、給食の委託費(材料費除き)が4900万円かかっていました。市中の水準とは明らかに乖離した金額です。給食の内容は美味しいと評判は良く、検食してみると確かに味・ボリュームともまずまずでした。担当者と業者の両方からヒヤリングしたところ、過剰品質とも思われる条件がいろいろと業者に課せられていることが明らかになりました。その条件は、「常食は内容・量により6種類提供」「前日の仕込みの禁止」「給食業者は厨房夕食後20時まで待機」「配膳は病室まで給食業者が行う」「外国産製品の使用禁止」「調理済み食品の使用禁止」などです。そして、これらの条件は全て仕様書に記載されているわけでなく、長年の慣行により行っており文書になっていないものもありました。
これらの条件が市中の病院でどうなっているのかをベンチマーキングしてその結果を栄養室に説明し過剰品質であることを納得してもらいました。その結果、それらの制約条件を撤廃して、委託費は2900万円まで削減することに成功しました。
その後、患者さんからまずくなったというクレームもなく、筆者も定期的に検食していますが味が落ちたとも思えません。
この病院では生え抜きの内科医が、給食に関して栄養室に細かい指導をしていました。その結果、管理栄養士は給食管理に時間を割かれて、NSTラウンドは月に1~2回、栄養指導料はほとんどとれていませんでした。
一部の患者さんの要望を理由に、自分達のやりたいようにやった結果、経営を悪化させている一例です。
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「疑義解釈資料の送付について(その30)」を追加しました
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