組織・人材育成

目標の進捗管理の重要性とそのポイント

人事・労務 ここは知っておきたい
株式会社T o D o ビズ 代表取締役 篠塚 功
人事評価の中心に目標管理を置いている病院では、上期の目標の進捗管理である中間面接を7月に行うようにしています。本来、目標管理の進捗管理は必要に応じてその都度行うべきですが、実際には、大勢の部下を抱えている中で、1人1人の活動を見ながら、その都度タイムリーに支援するのは難しいことです。したがって、4月~9月の活動期間のおおむね中間地点にあたる7月上旬に部下全員の中間面接を行うようにルール化しています。そこで今回は、中間面接が効果的に行われるようになるためのポイントについて考えます。

目標設定や中間報告の記載の仕方

中間面接では、部下が目標達成に向けて目標設定時に計画した活動が、その通り順調に行われているかを確認することが、最も重要なことです。そのためには、目標を立てる時点で、活動計画が明確に書かれていなければなりません。もともとの計画が曖昧では進捗管理のしようがありません。そして、計画が明確に書かれ、中間面接時に、その計画に沿って進捗状況を明確に記入してもらうことにより、目標管理シートを見るだけで、活動状況を把握することができるようになります。
参考までに、目標設定と中間面接時進捗状況の記入例を表にしました。この目標は数値目標なので、目標数値だけ分かれば評価はできますが、具体的なアクションプランを立てて取り組むことで、目標を達成することができます。また、当然のことですが、目標設定時に計画が立てられていなければ、上司が活動状況をマネジメントすることはできません。すなわち、中間面接では、当初立てられた計画の通りに活動ができているかの確認と、もしできていなければ、その障害は何かを確認し、取り除く方策を考え、場合によっては何らかの支援も必要となるでしょう。また、計画通りに活動ができていたとしても、目標数値に届きそうもなければ、その原因を探り、新たな活動を加えることも必要になるかもしれません。実際の目標管理シートの中身を読ませていただくと、目標を達成するために、「何を、どの程度、どのような方法で、いつまでにするのか」といったアクションプランが不十分なものが見られます。進捗管理としての中間面接の主な目的は、目標達成に向けた作戦会議なのですから、最初に明確にアクションプランを立て、事例のように、中間面接進捗状況の欄に、プラン①はどうであったか、②はどのような状況か、計画に合わせて報告してもらうことで、進捗状況が明確となり、課題も見つけやすくなります。

中間面接のポイント

中間面接のポイントは、先述の目標達成度をチェックし、課題を早期に発見することです。そして、その課題の除去について、助言や指導を行い、必要に応じて支援を行うことです。特に支援という意味では、他部署との関係において調整が必要な場合に、管理職の支援が必要になってくるでしょう。
もう1つ大事なポイントは、できるだけ、部下のほうから話をしてもらうことです。例えば、上司が一方的に新たな方策を押し付けるようなことはしてはいけません。目標達成のための方法は、部下に十分考えてもらい、それに対して助言をするという姿勢で臨むべきです。この点で、もう1つ大事なことは、目標達成のための作戦会議だけで終わらせるのではなく、部下の不満や意見を聞く場としても良い機会になるということです。部下は、日頃から、忙しい上司の手を止めて話をすることはできません。そこで、中間面接のような1対1で話をする機会に、十分話を聞いてあげることが大事です。

表:目標設定と中間面接時進捗状況の記入例



【2025年7月1日号 Vol.5 メディカル・マネジメント】