病院・診療所
病床あたりの薬剤師数の傾向 -医療従事者の負担軽減策として-
病床あたりの薬剤師数は?
株式会社メデュアクト 代表取締役 流石 学
次期診療報酬改定では、医療従事者の負担軽減、医師の働き方改革の推進が、前々回、前回の改定に引き続き論点の1つとなっている。
令和4年度入院・外来医療等における実態調査では、医師の負担軽減策の実施状況として、薬剤師による投薬に係る患者への説明、薬剤師による患者の服薬状況、副作用等に関する情報収集と医師への情報提供、薬剤師による処方提案または服薬計画等の提案等が上位になっている。看護師の業務負担軽減策の取り組みにおいても、薬剤師の病棟配置や薬剤師による薬剤管理、服薬指導等の実施が効果のある取り組みの上位に挙げられている。業務負担軽減のためにタスクシフト・シェアが叫ばれているなか、医師、看護師の両職種に共通してシフトするタスクの受け皿となっているのが薬剤師だ。
とはいえ問題がないわけではない。令和5年9月29日の入院・外来医療等の調査・評価分科会の資料では、下記のように示されている。
(病院の薬剤師)
令和4年度入院・外来医療等における実態調査では、医師の負担軽減策の実施状況として、薬剤師による投薬に係る患者への説明、薬剤師による患者の服薬状況、副作用等に関する情報収集と医師への情報提供、薬剤師による処方提案または服薬計画等の提案等が上位になっている。看護師の業務負担軽減策の取り組みにおいても、薬剤師の病棟配置や薬剤師による薬剤管理、服薬指導等の実施が効果のある取り組みの上位に挙げられている。業務負担軽減のためにタスクシフト・シェアが叫ばれているなか、医師、看護師の両職種に共通してシフトするタスクの受け皿となっているのが薬剤師だ。
とはいえ問題がないわけではない。令和5年9月29日の入院・外来医療等の調査・評価分科会の資料では、下記のように示されている。
(病院の薬剤師)
- チーム医療やタスク・シフト/シェアの推進の中で、医療機関における薬剤師の業務は集中治療室を含めた様々な病棟薬剤業務や周術期における薬学管理にも広がってきており、医師の負担軽減及び医療の質向上への貢献の観点からも評価されている。
- 診療報酬で評価されている業務が実施できない理由として薬剤師が不足していることが多く挙げられており、このため必要な業務を十分実施することができない状況がある。
薬剤業務への診療報酬上の評価は改定のたびに上がっているものの、病院薬剤師の人手不足は全国的に慢性化している。薬剤師の活用を評価しようと言いながらも、タスクの受け皿になる薬剤師がそもそも足りないという矛盾した状況になっているのが実態だ。
■病床あたりの薬剤師数は?
令和4年度病床機能報告より、政令指定都市を持つA県のDPC参加病院を抽出して、縦軸に許可病床数、横軸に40床あたりの薬剤師数をプロットした。
当然ながらいずれも急性期医療を提供する病院になるが、薬剤師数が40床あたり4名を超える病院がある一方で、1名に満たない病院もある。病院の機能や外来調剤の有無等によって必要な人数が異なるとはいえ、病院間で著しい差があることがわかる。
多くの病院が該当するのが、4 0床あたり1. 5〜3.0名の範囲で、ここに3/4の病院が集中している。とはいえ、このボリュームゾーンだけを見ても、病床規模あたりの薬剤師数には2倍の差がある。マンパワーに2倍の差があれば、40床あたり1.5名の病院が、3.0名の病院と同程度の業務量をこなすのはかなり厳しく、業務内容に何らかの取捨選択を行っている可能性が高い。
筆者が過去に検証した限りでは、外来を院外処方中心にしている場合、病棟薬剤業務実施加算1を算定するためには40床あたり2.0名が目安になる。さらに近年は薬剤師数を増やす傾向があり、急性期病院では40床あたり2.5名以上のところも多くなってきた。タスクシフト・シェアに向けた体制作りは進みつつあるようだ。
一方で、薬剤師を増やしたくても、そもそも望んでいるほどの応募が来ない、採用してもすぐに別の薬剤師が退職してしまう病院もあるだろう。
薬剤師のマンパワー不足に悩む病院では、調剤業務や事務作業をいかに効率化し、病棟薬剤業務等の時間を増やすかが目先の課題となる。病院薬剤師は一定以上の知識、経験、スキルが求められ、薬剤師であれば誰でもいいというわけではない。薬剤師は需要供給バランスの関係から間もなく余るという楽観論もあるが、それは保険薬局の話であり、病院に関してはしばらく先になると考えるほうが妥当だ。
短期では業務効率化と医師の負荷軽減と医療の質向上に資する業務へのシフト、そして中長期的には人材育成を含めた視点からも対応策を検討したい。

【2023. 12. 1 Vol.581 医業情報ダイジェスト】
当然ながらいずれも急性期医療を提供する病院になるが、薬剤師数が40床あたり4名を超える病院がある一方で、1名に満たない病院もある。病院の機能や外来調剤の有無等によって必要な人数が異なるとはいえ、病院間で著しい差があることがわかる。
多くの病院が該当するのが、4 0床あたり1. 5〜3.0名の範囲で、ここに3/4の病院が集中している。とはいえ、このボリュームゾーンだけを見ても、病床規模あたりの薬剤師数には2倍の差がある。マンパワーに2倍の差があれば、40床あたり1.5名の病院が、3.0名の病院と同程度の業務量をこなすのはかなり厳しく、業務内容に何らかの取捨選択を行っている可能性が高い。
筆者が過去に検証した限りでは、外来を院外処方中心にしている場合、病棟薬剤業務実施加算1を算定するためには40床あたり2.0名が目安になる。さらに近年は薬剤師数を増やす傾向があり、急性期病院では40床あたり2.5名以上のところも多くなってきた。タスクシフト・シェアに向けた体制作りは進みつつあるようだ。
一方で、薬剤師を増やしたくても、そもそも望んでいるほどの応募が来ない、採用してもすぐに別の薬剤師が退職してしまう病院もあるだろう。
薬剤師のマンパワー不足に悩む病院では、調剤業務や事務作業をいかに効率化し、病棟薬剤業務等の時間を増やすかが目先の課題となる。病院薬剤師は一定以上の知識、経験、スキルが求められ、薬剤師であれば誰でもいいというわけではない。薬剤師は需要供給バランスの関係から間もなく余るという楽観論もあるが、それは保険薬局の話であり、病院に関してはしばらく先になると考えるほうが妥当だ。
短期では業務効率化と医師の負荷軽減と医療の質向上に資する業務へのシフト、そして中長期的には人材育成を含めた視点からも対応策を検討したい。

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「疑義解釈資料の送付について(その30)」を追加しました
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