病院・診療所
2024年改定における在宅医療の光と影
必要性の乏しい訪問診療や往診の適正化へ
株式会社MMオフィス 代表取締役 工藤 高
■ 在宅医療が第3の医療と規定されたのは1992年の第2次医療法改正
2040年に高齢者人口がピークを迎えるとき、訪問診療の推計患者数は2020年の1.5倍と想定されている。2024年度改定は 「在宅医療の充実」 (質の向上、量の拡大)、 「効率的な在宅医療提供」 、 「適正な在宅医療実施」 という3本柱の内容となった。
戦後間もない1948年に制定された医療法では、医療を提供する場所を診療所か病院という医療施設に限定しており、在宅における医療提供は患者および家族等からの求めに応じて緊急に訪問する 「往診」 として例外的な医療であった。これが1992年における第2次医療法改正で 「医療を受ける者の居宅等」 が規定されたことで、医師が計画的に訪問する 「訪問診療」 が認められることになった。
在宅関連点数は複雑だという話をよく聞く。理由は第一に項目によって 「包括される点数や算定回数に制限がある」 、第二に訪問看護や訪問リハビリなど医療保険と介護保険の両方から給付されるため 「両保険の給付調整と諸手続きが複雑」 、第三に 「同一日の複数在宅項目における算定制限ルール」 の存在、第四に在宅時医学総合管理料などは在宅療養支援診療所等の 「届出の有無で点数が違う」 、第五に特別養護老人ホームや有料老人ホームなどの 「介護施設の種類や入所者の疾患や状態によって算定可能な項目が違う」 といったルールが従来からあるからだ。
戦後間もない1948年に制定された医療法では、医療を提供する場所を診療所か病院という医療施設に限定しており、在宅における医療提供は患者および家族等からの求めに応じて緊急に訪問する 「往診」 として例外的な医療であった。これが1992年における第2次医療法改正で 「医療を受ける者の居宅等」 が規定されたことで、医師が計画的に訪問する 「訪問診療」 が認められることになった。
在宅関連点数は複雑だという話をよく聞く。理由は第一に項目によって 「包括される点数や算定回数に制限がある」 、第二に訪問看護や訪問リハビリなど医療保険と介護保険の両方から給付されるため 「両保険の給付調整と諸手続きが複雑」 、第三に 「同一日の複数在宅項目における算定制限ルール」 の存在、第四に在宅時医学総合管理料などは在宅療養支援診療所等の 「届出の有無で点数が違う」 、第五に特別養護老人ホームや有料老人ホームなどの 「介護施設の種類や入所者の疾患や状態によって算定可能な項目が違う」 といったルールが従来からあるからだ。
■在支診・在支病は訪問栄養指導体制が必要に含まれた
2024年改定では下記のような変更があった。
1. 在宅療養支援診療所(在支診)・在宅療養支援病院(在支病)の変更点
① 訪問栄養食事指導が義務および努力義務へ
在支診は自院または自院以外の管理栄養士との連携により、訪問栄養食事指導を行うことが可能な体制の整備が望ましいという努力義務、在支病は自院の管理栄養士により行う体制を義務化(2025年5月31日までは経過措置あり)とされた。在支診は努力義務だが、自院に管理栄養士がいない場合は栄養指導が委託可能な 「都道府県栄養ケア・ステーション」 との連携が便利である。詳細は日本栄養士会のHP内の 「栄養ケア・ステーション」 (https://www.dietitian.or.jp/carestation/)を参照へ。
②介護保険施設等の協力医療機関
同時改定のため、介護保険施設等から協力医療機関となることを求められた場合に、応じることが望ましいという努力義務とされた。
③在宅データ提出加算の届出
機能強化型の在支診・在支病で、各年5~7月の訪問診療件数が2,100回を超える場合は、翌年1月から在宅データ提出加算の届出が義務化された。
④ 医療資源の少ない地域における24時間往診体制について、情報通信機器を用いた特例を設置
在支診は自院または自院以外の管理栄養士との連携により、訪問栄養食事指導を行うことが可能な体制の整備が望ましいという努力義務、在支病は自院の管理栄養士により行う体制を義務化(2025年5月31日までは経過措置あり)とされた。在支診は努力義務だが、自院に管理栄養士がいない場合は栄養指導が委託可能な 「都道府県栄養ケア・ステーション」 との連携が便利である。詳細は日本栄養士会のHP内の 「栄養ケア・ステーション」 (https://www.dietitian.or.jp/carestation/)を参照へ。
②介護保険施設等の協力医療機関
同時改定のため、介護保険施設等から協力医療機関となることを求められた場合に、応じることが望ましいという努力義務とされた。
③在宅データ提出加算の届出
機能強化型の在支診・在支病で、各年5~7月の訪問診療件数が2,100回を超える場合は、翌年1月から在宅データ提出加算の届出が義務化された。
④ 医療資源の少ない地域における24時間往診体制について、情報通信機器を用いた特例を設置
■必要性の乏しい訪問診療や往診の適正化へ
2.在宅時医学総合管理料、施設入居時等医学総合管理料の人数区分の見直し
単一建物診療患者数の区分が 「1人」 「2~9人」 「10~19人」 は15点の引き下げ、 「20~49人」 「50人以上」 はさらに低い点数という5区分に細分化された。単一建物で多くの在宅患者を診ているほど、減収額が大きくなる仕組みが強化された。
3. 往診料に在宅ターミナルケア加算を新設して、看取り加算も算定可能へ
4. 訪問診療料の在宅ターミナルケア加算について、死亡日及び死亡日前14日以内に退院時共同指導1を算定して、かつ訪問診療を1回行った場合も算定可能へ
5. 往診の連携の評価として、往診時医療情報連携加算(200点)と介護保険施設等連携往診加算(200点)を新設
6.適正な在宅医療実施という観点からの見直し
①在支診・在支病の頻回な訪問診療の見直し
在支診・在支病において過去3か月の患者(一部の状態を除く)1人当たりの訪問診療の回数が、平均12回を超える場合の在宅患者訪問診療料を見直し、当該基準に適合しなくなった後の直近1か月に限り、同一患者・同一月において訪問診療を5回以上実施した場合は、5回目以降の所定点数を50%で算定する逓減制が導入された。必要性の乏しい患者に対する頻回な訪問診療に対する措置になる。
②緊急等の往診料の見直し
過去60日以内に訪問診療していない患者や外来で継続的に診療していない患者等に対する往診料の加算について、緊急往診加算(325点)、夜間・休日往診加算(405点)、深夜往診加算(485点)と通常よりも7~8割ほど低い点数が設定された。これは事業拡大をしていた往診事業を専門的に行う民間事業者への規制であり、必要性の乏しい往診の増加や小児のコンビニ受診を併発しているという批判に対応したものだ。厚労省の眞鍋医療課長(当時)は医療専門誌のインタビューにおいて「医療を市場(しじょう)としか見ていない姿勢が無責任ではないか」と厳しい見解を述べている。
在支診・在支病において過去3か月の患者(一部の状態を除く)1人当たりの訪問診療の回数が、平均12回を超える場合の在宅患者訪問診療料を見直し、当該基準に適合しなくなった後の直近1か月に限り、同一患者・同一月において訪問診療を5回以上実施した場合は、5回目以降の所定点数を50%で算定する逓減制が導入された。必要性の乏しい患者に対する頻回な訪問診療に対する措置になる。
②緊急等の往診料の見直し
過去60日以内に訪問診療していない患者や外来で継続的に診療していない患者等に対する往診料の加算について、緊急往診加算(325点)、夜間・休日往診加算(405点)、深夜往診加算(485点)と通常よりも7~8割ほど低い点数が設定された。これは事業拡大をしていた往診事業を専門的に行う民間事業者への規制であり、必要性の乏しい往診の増加や小児のコンビニ受診を併発しているという批判に対応したものだ。厚労省の眞鍋医療課長(当時)は医療専門誌のインタビューにおいて「医療を市場(しじょう)としか見ていない姿勢が無責任ではないか」と厳しい見解を述べている。
■最後に
1992年の第二次医療法改正において、 「居宅」 が医療提供の場として位置づけられて32年が経った。まだまだ在宅医療は拡大期だが、2024年改定では 「質の向上」 に向け、ピンポイントで 「適正化」 が行われたことが特徴的である。量から質の在宅医療へのターニングポイントと言えよう。
【2024. 9. 1 Vol.599 医業情報ダイジェスト】
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