保険薬局

【続き】医薬品リスク管理計画RMPとは?

薬局の現場での活用方法について
一般社団法人薬局支援協会 代表理事 薬剤師 竹中 孝行

■RMPには何が書かれている?

添付文書には治験時や市販後に確認された副作用が記載されていますが、R MPには確認されたリスクだけでなく、関連性が疑われるが十分に確認できていない潜在的リスクや不足情報も含まれます。RMPは三つの主要要素から成り立っています。安全性検討事項、医薬品安全性監視計画、そしてリスク最小化計画です。特定薬剤管理指導加算3のイに該当するRMP関連情報提供資材(RMP資材とも呼ばれます)はリスク最小化計画の一環であり、既に確認されたリスクを最小限に抑えるための安全対策として、追加のリスク最小化活動が計画されています。

図:RMPの概要の一例


■RMPはどこで確認できる?

全てのRMPはPMDA(医薬品医療機器総合機構)のホームページに掲載されています。RMPを検索する方法には二つあります。一つ目は、「RMP提出品目一覧」にアクセスし、一覧から目的のRMPを探す方法です。もう一つは、「添付文書検索」を利用して特定の医薬品を検索し、その医薬品に関連するR MPを閲覧する方法です。RMP資材もこの方法で確認することができます。

■RMPの活用

薬局の現場では、RMPが患者の安全を確保するために重要な役割を果たします。薬剤師はRMPを参照することで、関連する薬剤のリスクを把握し、これを情報提供に役立てることができます。結果として、患者は副作用やリスクをより良く理解し、薬剤を正しく使用することにつながります。

このプロセスには、RMP資材の活用も含まれます。また、薬局はRMPに記載されたリスク最小化策を実施する場でもあります。例えば、特定の副作用を監視するフォローアップや、リスクを軽減するための情報収集活動を行います。RMPに基づいたデータ収集や報告を通じて、薬局は製薬会社や規制当局と安全性情報を共有することが可能です。これにより、薬局は医薬品のリスク管理に積極的に関与し、患者の安全を守る重要な役割を果たすことになります。

令和6年度の調剤報酬改定では、特定薬剤管理指導加算3のイにおいて、RMP資材の活用が新たに含まれました。これは、薬局におけるRMPの認知度を高め、その活用を促すことを意図しています。
RMP資材を利用することはもちろん、医薬品のリスクを正確に把握するためにも、RMPの確認が重要です。これにより、より適切な服薬指導が行えるようになります。添付文書とともにRMPを確認する習慣を身につけることをお勧めします。


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【2024.7月号 Vol.338 保険薬局情報ダイジェスト】