保険薬局

試算表で財務状況を図るための基本ポイント

ビジネスモデルに適した会計資料を作成することが重要
アシタエ税理士法人 税理士 薬剤師・認定登録医業経営コンサルタント 市川 秀
薬局経営者にとって、試算表は財務状況を把握するための重要なツールです。しかし、試算表の内容を理解し、それを経営判断に活かすことは容易ではありません。試算表には、貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書といった基本的な財務諸表が含まれており、これらを正確に読み解くことで、経営の現状を把握し、将来の計画を立てるための指針を得ることができます。特に、薬局のようなビジネスでは、キャッシュフローの管理が極めて重要であり、試算表の内容を正しく理解することが欠かせません。また、試算表だけでは見えてこない経営の実態を把握するためには、患者数やレセプト件数などの業務データも併せて分析する必要があります。
今回は、試算表の各項目のポイントや、試算表をどのように活用するかについて詳しく解説していきます。

税理士が持ってくる試算表って?

税理士が持ってくる試算表は、企業の財務状況を把握するための重要な資料です。しかし、試算表の各項目を理解し、それを経営判断に活かすには、基礎的な知識が欠かせません。試算表には大きく分けて三つの種類があります。以下では、貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書について、それぞれの役割と重要なポイントを解説します。



わかりづらい試算表…重要なのはどのポイント?

中小企業にとって、キャッシュフロー(CF)の管理は生命線です。キャッシュフローが滞れば、どんなに利益を上げていても事業継続が難しくなります。特に薬局経営では、薬品の仕入れや人件費などの定期的な支出が多いため、キャッシュフロー計算書を詳細に分析し、将来の資金繰りを見通すことが不可欠です。

大きな数字を読み解く 薬局経営で必要なのは 「ヒト」  「モノ」  「イエ」 

薬局経営においては、スタッフ(ヒト)、薬品(モノ)、店舗や設備(イエ)の三つの要素が重要です。これらがどのように費用に反映されているかを理解するためには、損益計算書や貸借対照表の大きな数字を読み解くことが必要です。例えば、人件費や設備投資、店舗の維持費などがどれだけかかっているかを把握することで、経営の効率化やコスト削減のヒントを得ることができます。


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【2024.9月号 Vol.340 保険薬局情報ダイジェスト】