病院・診療所
新たな地域医療構想の方向性(その2)
地域医療構想の具体的な方向性の取りまとめ
株式会社MMオフィス 代表取締役 工藤 高
■新しい地域医療構想の具体的な方向性の取りまとめ
【新たな地域医療構想の概要】
(1)基本的な考え方 (省略)
(2)病床機能・医療機関機能
1 病床機能
• これまでの 「回復期機能」 について、その内容に 「高齢者等の急性期患者への医療提供機能」 を追加し、 「包括期機能」 として位置づけ
2 医療機関機能報告(医療機関から都道府県への報告)
• 構想区域ごと(高齢者救急・地域急性期機能、在宅医療等連携機能、急性期拠点機能、専門等機能)、広域な観点(医育及び広域診療機能)で確保すべき機能や今後の方向性等を報告
3 構想区域・協議の場
• 必要に応じて広域な観点での区域や在宅医療等のより狭い区域で協議(議題に応じ関係者が参画し効率的・実効的に協議)
(3)地域医療介護総合確保基金
• 医療機関機能に着目した取組の支援を追加
(4)都道府県知事の権限
1 医療機関機能の確保(実態に合わない報告見直しの求め)
2 基準病床数と必要病床数の整合性の確保等
• 必要病床数を超えた増床等の場合は調整会議で認められた場合に許可
• 既存病床数が基準病床数を上回る場合等には、地域の実情に応じて、必要な医療機関に調整会議の出席を求める
(5)国・都道府県・市町村の役割
1 国(厚労大臣)の責務・支援を明確化(目指す方向性・データ等提供)
2 都道府県の取組の見える化、調整会議で調った事項の実施に努める
3 市町村の調整会議への参画、地域医療介護総合確保基金の活用
(6) 新たな地域医療構想における精神医療の位置付け
• 精神医療を新たな地域医療構想に位置付けることとする
(1)基本的な考え方は 「2040年に向け、外来・在宅、介護との連携、人材確保等も含めたあるべき医療提供体制の実現に資するよう策定・推進 (将来のビジョン等、病床だけでなく医療機関機能に着目した機能分化・連携等)」 とした。新たな病床機能報告の位置づけの他に、医療機能の報告義務化や都道府県知事の権限強化などを盛り込んだ。2025年度中に国がガイドラインを作成して、2026年度に都道府県で必要病床数等を策定する。さらに2027年度から2028年度までに医療機関機能に着目した地域の医療機関の連携・再編・集約化を協議する方針である。
(2)病床機能・医療機関機能
1 病床機能
• これまでの 「回復期機能」 について、その内容に 「高齢者等の急性期患者への医療提供機能」 を追加し、 「包括期機能」 として位置づけ
2 医療機関機能報告(医療機関から都道府県への報告)
• 構想区域ごと(高齢者救急・地域急性期機能、在宅医療等連携機能、急性期拠点機能、専門等機能)、広域な観点(医育及び広域診療機能)で確保すべき機能や今後の方向性等を報告
3 構想区域・協議の場
• 必要に応じて広域な観点での区域や在宅医療等のより狭い区域で協議(議題に応じ関係者が参画し効率的・実効的に協議)
(3)地域医療介護総合確保基金
• 医療機関機能に着目した取組の支援を追加
(4)都道府県知事の権限
1 医療機関機能の確保(実態に合わない報告見直しの求め)
2 基準病床数と必要病床数の整合性の確保等
• 必要病床数を超えた増床等の場合は調整会議で認められた場合に許可
• 既存病床数が基準病床数を上回る場合等には、地域の実情に応じて、必要な医療機関に調整会議の出席を求める
(5)国・都道府県・市町村の役割
1 国(厚労大臣)の責務・支援を明確化(目指す方向性・データ等提供)
2 都道府県の取組の見える化、調整会議で調った事項の実施に努める
3 市町村の調整会議への参画、地域医療介護総合確保基金の活用
(6) 新たな地域医療構想における精神医療の位置付け
• 精神医療を新たな地域医療構想に位置付けることとする
(1)基本的な考え方は 「2040年に向け、外来・在宅、介護との連携、人材確保等も含めたあるべき医療提供体制の実現に資するよう策定・推進 (将来のビジョン等、病床だけでなく医療機関機能に着目した機能分化・連携等)」 とした。新たな病床機能報告の位置づけの他に、医療機能の報告義務化や都道府県知事の権限強化などを盛り込んだ。2025年度中に国がガイドラインを作成して、2026年度に都道府県で必要病床数等を策定する。さらに2027年度から2028年度までに医療機関機能に着目した地域の医療機関の連携・再編・集約化を協議する方針である。
■ 包括期機能には高齢者等の急性期患者への医療提供機能も含む
前回お伝えしたように、 「高度急性期」 「急性期」 「回復期」 「慢性期」 の4機能のうち、これまでの 「回復期機能」 には 「高齢者等の急性期患者への医療提供機能」 を追加して、名称を 「包括期機能」 へ変更する。ここには、従来の回復期リハビリテーション病棟や地域包括ケア病棟だけではなく、2024年改定で創設された地域包括医療病棟も含まれていると考えられる。
ただし、現状も地域包括ケア病棟は 「急性期」 「回復期」 のどちらでも病床機能報告可能になっており、実際に急性期での報告は約2割となっている。100床未満の全床地域包括ケア病棟で整形外科と泌尿器科に専門特化した全身麻酔手術が多い病院では、全床を 「急性期」 で病床機能報告している。同様に地域包括医療病棟もハイブリッドな報告が可能になるだろう。ともに 「包括」 という 「全体をひっくるめてまとめること」 の意味を持つ名詞が病棟名に付与されているからだ。
今回がこれまでの地域医療構想と違う点は病床機能だけではなく、医療機関全体の役割を示す 「医療機関機能」 を創設することだ。具体的には 「高齢者救急の受け入れ」 「在宅医療の提供」 「救急・急性期の医療提供」 などを選択してもらう予定になっている。これについては 「自称・急性期」 だが、客観的に見たらそうではないケースもあるため、診療報酬における届出項目とリンクした内容になる。
ただし、現状も地域包括ケア病棟は 「急性期」 「回復期」 のどちらでも病床機能報告可能になっており、実際に急性期での報告は約2割となっている。100床未満の全床地域包括ケア病棟で整形外科と泌尿器科に専門特化した全身麻酔手術が多い病院では、全床を 「急性期」 で病床機能報告している。同様に地域包括医療病棟もハイブリッドな報告が可能になるだろう。ともに 「包括」 という 「全体をひっくるめてまとめること」 の意味を持つ名詞が病棟名に付与されているからだ。
今回がこれまでの地域医療構想と違う点は病床機能だけではなく、医療機関全体の役割を示す 「医療機関機能」 を創設することだ。具体的には 「高齢者救急の受け入れ」 「在宅医療の提供」 「救急・急性期の医療提供」 などを選択してもらう予定になっている。これについては 「自称・急性期」 だが、客観的に見たらそうではないケースもあるため、診療報酬における届出項目とリンクした内容になる。
■ 精神病床も地域医療構想、病床機能報告の対象になる
同時に都道府県知事の権限も強化される。特定の医療機関の増床計画によって地域の総病床数が必要病床数を上回ってしまう場合、地域医療構想調整会議での了承を得た場合に限って、基準病床数の範囲内での増床許可となる。さらに既存病床数が基準病床数を上回る場合は、病床の機能転換・減少に向けて必要な医療機関に地域医療構想調整会議への出席を要望できる。他にも医療機関機能報告についても、実態に合わずに 「自称」 的な報告については都道府県知事が報告の見直しを可能とする。検討段階では、病床過剰地域の特定の医療機関に対して都道府県知事が病床削減などの要請・勧告や医療機関名の公表などができる権限も提案されていた。これは医療関係者からの反対によって、今回の取りまとめからは削除された。
特筆すべき点はこれまでは医療法上の 「一般病床」 と 「療養病床」 が対象だった地域医療構想、病床機能報告制度に 「精神病床」 も加わることだ。中長期的な精神医療の需要に基づく精神医療体制を推進して、2040年頃の精神病床数の必要量を推計していく予定になっている。
日本の人口当たりの精神病床数はOECD加盟国の中では最も多く、人口10万人当たり257.6床(2022年医療施設調査)となっているが、センシティブな問題も含むために慎重な議論が必要なのは改めて言うまでもない。
【2025. 2. 1 Vol.609 医業情報ダイジェスト】
特筆すべき点はこれまでは医療法上の 「一般病床」 と 「療養病床」 が対象だった地域医療構想、病床機能報告制度に 「精神病床」 も加わることだ。中長期的な精神医療の需要に基づく精神医療体制を推進して、2040年頃の精神病床数の必要量を推計していく予定になっている。
日本の人口当たりの精神病床数はOECD加盟国の中では最も多く、人口10万人当たり257.6床(2022年医療施設調査)となっているが、センシティブな問題も含むために慎重な議論が必要なのは改めて言うまでもない。
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