組織・人材育成

【続き】ありたい組織づくりを行うための勉強方法の考察

組織づくりは人づくり
株式会社メディフローラ 代表取締役 上村 久子
B院長 「勉強会の後に話が出るか不安だったのですが、意外とスタッフは話をしていましたね。難しい言葉は使いませんが、こんな組織にしていきたい、そう言えば前の職場はこうだった、と色んな組織について話が盛り上がっていたのです。そんなスタッフの声を耳にして 『やはりみんな良い組織で働きたいよね』 と、私自身も気合が入りました」

徐々にスタッフがいきいきとしていくB医院。変化が出にくいA医院の院長先生にB医院のお話をすると、こう返事がありました。

A院長 「勉強会なのだから、何を得たか、業務にどう活かすのかが明確でないといけないと思っています。みんながより良い組織で働きたいなんて当たり前じゃないですか。確認し合うまでもないと思います。改善は行動を変えていかないと…でも…私は何か勘違いをしているのでしょうか…」

このケース、どのような感想を持ちましたか?
組織をより良くするために行動を変えなければならない、ということは正しいと思います。そのために明確な行動目標を立てて実行していくという目標管理を行っている組織は多くあり、成果もあげておられると思います。ただし、組織づくりは残念ながら 「こうしたら絶対に組織が良くなる」 という正解がないばかりか、同じことを行っても良くなる組織と良くならない組織があるものです。ということは、組織づくりは 「行動を変えること」 が解決策ではないのではないでしょうか。

組織づくりは人づくりです。人は正論で動くものではなく、感情で動かされるものです。必ずしも明確な結論が出るわけではありませんが、例えば 「どんな組織で働きたいのか」  「どんな人たちと働きたいのか」  「どんな仕事を実現したいのか」 を議論するなど、感情=仕事の心がけ・気持ちに働きかけることを勉強会として行っていったほうが、仕事の中で気付きが得られやすくなるため、より良い組織作りの近道であると感じています。
勉強会というと、知識や技術を取得する意識が強いリーダーが多い印象ですが、組織づくりの勉強会はそれと全く異なることを強く意識してみませんか?結論を出してスッキリする勉強会ではなく、 「では、どうしていこう・・・」 とモヤモヤが心に残る状態=仕事中に自分のあり方を考えながら取り組む状態を作ることが出来る、こんな勉強会を意識されることをお勧めいたします。


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【2024. 8. 15 Vol.598 医業情報ダイジェスト】