組織・人材育成

【続き】なぜ組織で仕事をしているのか ~組織の5原則~

医療機関のリーダーの気付き
株式会社メディフローラ 代表取締役 上村 久子
A院長 「階層がなくフラットな組織にすることで、スタッフは緊張感から解放されて自由に発言ができ、行動ができるものと思っていました。よくスタッフから 『これはどうすれば良いですか?』 と聞かれても、 『自分たちで考えてくれれば良いよ』 と、口うるさくリーダーが色々と言うよりも良かれと思って伝えていましたが、スタッフたちに発言の自由は与えていても権限を与えていた訳ではありません。自由に発言して良いと伝えても、何をどこまでできるのか何も伝えていなければ、どう行動して良いか分からないですよね。私が尊敬する経営者が 『私はスタッフに何も伝えていないですよ』 と言っていたことを鵜呑みにしていましたが、肝心な組織が大切にする理念は常にスタッフに伝えていたことも思い出しました。組織における指示命令とは 『やれ!』 ではなく、思いを伝えることも指示命令なのですね。私の組織がなぜ上手く回っていないのか、考えるきかっけになりました」
少し考え込むとA院長は次のようにつぶやかれたのでした。
A院長 「これって世の中のリーダーは全員分かっているものなのですか?」

このケース、どのような感想を持ちましたか? この組織の5原則について、組織論を学ぶ上で目にした方も多いと思います。文面を読んでみると 「なるほど当然である」 とすんなり理解できると思いますが、いざ自分の組織を振り返ってみると相反する実態があることに気が付くリーダーが多いようです。
もちろん、あくまで 「原則」 であり、この原則通りでなくとも組織は問題なく機能することはあります。ただし、基本を知らずに組織改善に取り組もうとするとどこかで歪が生まれるものです。皆さまの組織はこの原則に立ち返るといかがでしょうか? より良い健全な組織運営のために、ぜひ職員の皆さまと原則について考える時間を取られることをお勧めいたします。


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【22024. 9. 15 Vol.600 医業情報ダイジェスト】