組織・人材育成
管理職の時間外労働と働き方改革
病院の管理職は労基法上の管理監督者に該当するか
株式会社To Doビズ 代表取締役 篠塚 功
企業では、課長など管理職に時間外労働手当を支給しているのは、実態としては2割もないのではないかという話を聞き、管理職に時間外労働手当を支給していないのは、病院だけではないのだと知りました。管理職は、一般職員より等級が上になるわけですから、基本給を高くし、さらに管理職手当を支給して、管理職の重責に報いる体系とすることが賃金制度の基本と考えます。したがって、個人的には、管理職には、時間外労働手当は不要と考えますが、法的には、病院の師長や科(課)長といった管理職は、労働基準法上の管理監督者には該当しないことが多いと思われ、時間外労働手当の支給が必要となります。したがって、後で、労働基準監督署から手当を支給するように言われても困ると思われ、安易に理想的な形に管理職の基本給を持ち上げることができません。
例えば、管理職に時間外労働手当を支給している病院で、管理職と一般職員との基本給での格差を設けようとした際に、意外と管理職がたくさんの時間外労働をしていることに気づく時があります。働き方改革の時代ですから、管理職は率先垂範して、早く帰宅しているかと思えば、その逆で、一般職員よりも多くの時間外労働をしていたりします。このような勤務体制の場合、まずは管理職の時間外労働を減らす対策を取ってから、基本給を理想的な体系に変える必要があります。このことは、現在、管理職に時間外労働手当を支給していない病院でも、同様の手順は必要になるでしょう。何故なら、病院の管理職は、労働基準法上の管理監督者というには無理があるからです。
そこで、今回は、管理職の時間外労働と働き方改革について考えます。
例えば、管理職に時間外労働手当を支給している病院で、管理職と一般職員との基本給での格差を設けようとした際に、意外と管理職がたくさんの時間外労働をしていることに気づく時があります。働き方改革の時代ですから、管理職は率先垂範して、早く帰宅しているかと思えば、その逆で、一般職員よりも多くの時間外労働をしていたりします。このような勤務体制の場合、まずは管理職の時間外労働を減らす対策を取ってから、基本給を理想的な体系に変える必要があります。このことは、現在、管理職に時間外労働手当を支給していない病院でも、同様の手順は必要になるでしょう。何故なら、病院の管理職は、労働基準法上の管理監督者というには無理があるからです。
そこで、今回は、管理職の時間外労働と働き方改革について考えます。
病院の管理職は労基法上の管理監督者に該当するか
労働基準法上の管理監督者と管理職は違います。管理職は管理業務を行う職員の総称であり、部下を管理する立場の者と言えます。では、管理監督者とは、どのような職員かと言えば、「①経営者と一体的な立場で仕事をしている、②出勤、退勤や勤務時間について厳格な制限を受けていない、③その地位にふさわしい待遇がなされている」といった3つの要件が備わった職員だと、労働局のリーフレットに書かれています。具体的には、職務内容が、少なくとも部門全体の統括的な立場にあり、経営会議に参加するなど、経営者と同程度の重要な職務を担っている職員ということになります。また、経営者と一体的な立場で、経営等の意思決定に関与する、部下に対する労務管理上の決定権を有する等、その職務に大きな権限を有していなければなりません。さらには、休日や勤務時間に関係なく業務を遂行する必要があるのですから、自己の出退勤等、自ら決定する権限を有する職員ということになります。そして、最後に、管理職手当等が支払われ、その地位にふさわしい賃金でなければならないということです。
病院に勤務する多くの管理職は、経営者と一体的な立場で、経営等の意思決定に関与することはないと思われますし、毎日決められた時間に出勤しており、重役出勤などはないと思います。すなわち、病院の管理職の多くは、管理監督者には該当しないのではないかと推察します。したがって、等級制度を導入し、管理職の基本給を持ち上げることは慎重に行う必要があるでしょう。まずは、管理職の時間外労働を把握し、その削減に取り組んだ後で、賃金を理想的な体系に見直すべきだと考えます。
病院に勤務する多くの管理職は、経営者と一体的な立場で、経営等の意思決定に関与することはないと思われますし、毎日決められた時間に出勤しており、重役出勤などはないと思います。すなわち、病院の管理職の多くは、管理監督者には該当しないのではないかと推察します。したがって、等級制度を導入し、管理職の基本給を持ち上げることは慎重に行う必要があるでしょう。まずは、管理職の時間外労働を把握し、その削減に取り組んだ後で、賃金を理想的な体系に見直すべきだと考えます。
管理職の時間外労働の把握と削減
管理職の時間外労働の内容やその実態を、病院の幹部が把握していないことがあります。賃金分析をして、「この管理職は、基本給は高くはないが、時間外労働手当の額が非常に高いので、総支給額で見ると統計数値より高い賃金水準となっている。一体どのような残業をしているのか」と尋ねて、初めてそのことに気づくことがありますが、それでは困ります。2019年4月に改正された労働安全衛生法では、一般職員と同様、管理監督者の労働時間を把握することが義務化されていますし、ましてや管理職は管理監督者でないとすればなおさら、それを把握していなければいけません。すなわち、管理職の労働時間を把握して、時間外労働が多いのであれば、目標管理の目標設定において、自らの時間外労働を減らす対策を立て取り組んでもらう必要があります。部長等が、管理職と一緒に削減計画を考え取り組むことで、管理職の時間外労働を減らすことができます。
また、行動評価においても、次のような評価要素を設けて、評価をしてはどうかと考えます。「自らの時間外労働を削減するとともに、スタッフの労働時間の管理を適切に行い、部署の時間外労働を削減するよう活動している」。管理職の時間外労働の削減は、目標管理や行動評価という人事評価の仕組みによって、達成できると考えます。もし、管理職に時間外労働手当を支給していない場合には、このように管理職の働き方改革を進めた上で、管理職にも時間外労働手当を支給する形に見直すべきでしょう。また、すでに時間外労働手当を支給しているところでは、当然、管理職の時間外労働手当分が浮くのですから、それを原資に、管理職の基本給を上げるとよいと考えます。
【2022. 12. 1 Vol.557 医業情報ダイジェスト】
また、行動評価においても、次のような評価要素を設けて、評価をしてはどうかと考えます。「自らの時間外労働を削減するとともに、スタッフの労働時間の管理を適切に行い、部署の時間外労働を削減するよう活動している」。管理職の時間外労働の削減は、目標管理や行動評価という人事評価の仕組みによって、達成できると考えます。もし、管理職に時間外労働手当を支給していない場合には、このように管理職の働き方改革を進めた上で、管理職にも時間外労働手当を支給する形に見直すべきでしょう。また、すでに時間外労働手当を支給しているところでは、当然、管理職の時間外労働手当分が浮くのですから、それを原資に、管理職の基本給を上げるとよいと考えます。
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2026-01-26【セミナーのご案内】2026年度診療報酬改定を踏まえたリハビリ機能強化による病院の経営戦略
2026-01-14
【セミナーのご案内】新社会システム総合研究所主催 これからの薬局経営の方向性と戦略
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